25 受付嬢が姉妹なのは定番です
あー、バイトが深夜になるからキツくなるなぁ……あ、元々更新まばらだからあんま関係無いや(`;ω;´)
「いやー助かったよ! 兄ちゃん!」
優太は今、護衛してきた乗り合い馬車の御者の男に、お礼がてらギルドまで乗せて貰っていた。
「ああ! そう言えば、自己紹介がまだだったな! 俺の名前はルート。ルート・ルーウェン、兄ちゃんの名前は?」
「……ユウタ・ヤノだ」
「そうか! ユウタって言うのか! また、何処か行くときは家の馬車を使ってくれよ!」
自己紹介が済み、しばらく馬車が進むと、ルートが優太に声を掛けた。
「兄ちゃん、もうすぐギルドに着くぞー!」
「ああ、わかった」
馬車が止まると、優太は馬車から降りる。
すると、ルートも降りて来て、優太に話し掛ける。
「いやー助かったよ、危うく馬車が出せない所だった。それでだ! お礼と言ったらなんだが、困った事が有ったら言ってくれ出来る限りの協力はするからよ!」
ルートは一方的にそう言うと、馬車に乗り込んで去っていってしまった。
優太は気を取り直して、少し前に訪れた冒険者ギルドへと入って行くのだった。
ギルドに入ると、時間は大体午後6時位だろうか、ちらほらとテーブルで酒を飲み交わしている冒険者が見える。
優太がカウンターへと歩き出すと、不意に声を掛けられた。
「おうおう! ここはガキが一人で来るところじゃ……? どっかで会ったか?」
「さあ? すまないが急いで……」
優太はそう言うと、カウンターに向かおうとするが、言葉を遮られてしまう。
「ああ! そうだ、騎士団長殿と一緒に居たガキの一人だ!」
「はぁ、そうだが?」
「なんだよぉ、そっけねぇな……あっと、俺の名前はカイン・ハウンドだ!」
優太の態度に文句を言いながらも、自己紹介をするカイン。
そんなカインに、優太も自己紹介をする。
「ユウタ・ヤノだ」
「……え!? それだけ!?」
何が不満なのか、カインは優太にツッコむが優太はどこ吹く風で、ギルドのカウンターへと行ってしまうのだった。
「どうもこんばんわ! どう言ったご用件でしょうか☆」
優太がカウンターに着くと、この前と同じ受付嬢が元気に挨拶をする。
すると、受付嬢……リアは「むむ?」と優太の顔を見つめる。
「あー、ジークさんと一緒に居た人達の一人ですね! 今日はジークさん達は一緒じゃないんですか?」
「ああ、俺は一足先に一人立ちしたんでな……」
「そうだったんですか! あ、それはそうと……ご用件何でしょうか☆」
リアは仕事を思い出したとばかりに、優太を案内し始めた。
そんなリアに、優太は「はあ」とため息を付くと、用件を話し始める。
「この辺りで、長く滞在できる安い宿は有るか?」
優太の質問に、リア「うーん」と考えると、心当たりが有ったのか笑顔で優太に話し掛ける。
「それでしたら、皆様が前にお世話になった【大平原】がお勧めですよ☆」(ゝω・´★)
リアは明るくそう提案する。
優太は、リアの提案に頷くと、早速【大草原】へと向かう事にした。
「じゃあ、そうさせて貰う……」
「はい! またのお越しをお待ちしております☆」
リアの元気なお見送りを受けて、優太はギルドを後にするのだった。
時間は七時を過ぎ、辺りが暗くなって来ていた。
優太は宿【大草原】へと入っていった。
「いらっしゃいませ! 今日は宿【大草原】へとようこそお出でくださいました!」
宿【大草原】は元々何もない草原を旅するキャラバンが始まりだった、キャラバンは旅人を迎え入れ一時の休息を与えた……それが【大草原】の始まりである。
そんな話を噛み砕いて説明する、主人に優太は話し掛ける。
「なあ……」
「……で、ありまして……ああ! 申し訳ございません! つい熱が入ってしまって……ゴホン、我が宿では宿泊ですか? 休憩ですか?」
宿屋の主人は優太に話し掛けられたことで、我に返り謝罪した後、用件を聞いてくる。
「しばらく、滞在しようと思っているんだが……」
「はい! どの位滞在の予定ですか?」
「一、二週間位だ……」
「それでしたら、銀貨六枚で宿泊出来ますよ」
宿屋の主人の言葉に、優太は頷くと銀貨六枚を渡した。
「はい、銀貨六枚確かに……こちらが部屋の鍵となっております!」
「ああ、ありがとう」
優太は鍵を受け取ると、指定された部屋へと向かうのだった。
優太が部屋に着いて、まず最初にやったのは修行部屋の扉を作ることだった。
別の場所にも作る予定だが、自分の使う部屋に一つあれば便利なので優太は躊躇いもなく扉を生成した。
「よし、寝る時間まで……筋トレかね」
そして、日課の筋トレと瞑想をやった後に、眠りについたのだった。
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翌朝、優太はギルドを訪れていた。
朝食は宿で済ませ、筋トレをしてから来たが早朝だからか冒険者はまばらだった。
「適当に依頼を受けて、ダンジョンに行くか……」
そう思い、優太はカウンターへと歩いていく。
すると、青髪ショートの受付嬢がこちらに気が付いた。
「おお? お前見ない顔だな新入りか?」
「こらー、イリス初対面の人に失礼でしょー」
「えー、新入りに新入りって言って何が悪いんだよサーシャ姉」
そんな受付嬢に、もう一人の受付嬢が叱っている。落ち着いた雰囲気で淡いオレンジの髪の女性。
二人は姉妹なのか、何処か慣れている感じがするやり取りだった。
「……リアは居ないのか?」
「お? リア姉の知り合い? あっ! 私はイリス、よろしく!」
「リアの知り合いなのねー私はサーシャ・ウィンデア。あと、私たち受付嬢四人は全員姉妹なの私は次女で、イリスは一番下の妹なのー」
「ああ、ユウタ・ヤノだ……よろしく」
二人の話しによると、マリアが長女、リアが三女の様だ。
サーシャは、受付嬢として優太から用件を聞く。
「おはようございますー、この度はギルドに何のご用件でしょうかー」
「簡単な依頼でダンジョンでこなせる物はないか?」
「それだったらやっぱゴブリン討伐っしょ!」
優太の言葉に、イリスが一枚の依頼書を持ってきた。
そんなイリスを横目に、微笑みながらサーシャが優太に話し掛ける。
「依頼はそれでいいとしてー、一応依頼の種類の説明をしておきますねー」
サーシャの言葉に、優太は「頼む」と頷く。
サーシャも「頼まれましたー」と説明を始める。
「まず、依頼の中にはいくつかの種類がありますー、一つ目が通常依頼、期限が無く何時でも受けれる手頃な依頼ですー、今回のゴブリン討伐はこれに入りますー」
サーシャはそう言うと、イリスが持っていた依頼書を取り上げて見えやすいように持ち上げる。
「二つ目に、緊急性の高い、緊急クエストですー。この依頼は必要な時にクエストボードに赤い依頼書を貼り出しますー」
サーシャはクエストボードを指し示しながら、説明していく。
「そして、最後に依頼人が冒険者を指名して依頼するー。指名依頼ですー、以上が大まかな依頼の種類ですー」
サーシャは説明を終えると、優太にイリスが持ってきたゴブリン討伐の依頼書を手渡す。
優太は、それを受け取りながら「なるほど」と頷く。
「ではー、こちらの依頼書をご確認下さいー。確認がよろしければ判を押させて貰いますー」
「ああ、これで大丈夫だ」
「はいー、イリスー判を押してー」
「はーいっと、これでよし!」
判を押された依頼書を受け取ると、優太はそのままギルドから出ていく。
すると、後ろからサーシャが声をかけてくる。
「ユウタさーん、リアとマリア姉さんは【賢者の洞窟】に居ますので会えるかもしれませんよー」
優太はサーシャの言葉に、片手を上げて応えるのだった。
まさかの姉妹設定! 安定の姉妹設定、受付嬢は姉妹なのです! ここは譲れない!




