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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第一章 異世界へ
24/68

23 旅立ちの時は決意の時

やっと城からの旅立ち……長かったー

 試合が終わった翌朝、優太は城から出る準備をしていた。

 一通りの物は王国が用意してくれていたため、大した時間は掛からなかった。

 しかし、問題は別に有った。


「この空間魔法で作った部屋はどうするか……」


 優太が腕を組んで考えていると、部屋の扉がノックされた。


「ゆうくーん? あっ、良かったまだ居たんだ!」

「なんだ幸子? 俺は今忙しい」


 優太の言葉に、幸子は首を傾げている。

 そんな、幸子に優太はため息をついて、本題を促す。


「はあ、幸子。なんか用か?」

「ああ! ゆう君、リティさんがお城から出ていく前に、研究室に来てくれっていってたよー」


 幸子の言葉に、優太は「分かった」と頷き、また思考をはじめてしまった。

 そんな優太に、幸子は再び首を傾げる。


「何を悩んでるの?」

「ん? いや、この部屋どうしようかと思ってな……」


 優太の言葉に、幸子はきょとんとした顔をする。

 そして、一言言うのだった。


「作れば良いんじゃない?」

「は?」

「だ・か・ら、魔道具を作れば良いじゃん」


 その言葉を聞いて、優太は「確かに……」と納得する。

 しかし、ここでも悩むことになってしまった。


「どんな魔道具にしようか……」

「んー、持ち運ぶ事を考えるなら……鍵がいいんじゃないかな?」

「そうか……幸子」


 優太はおもむろに、幸子の名前を呼ぶ。


「なに?」

「またな……」

「……! うん!」


 優太の言葉に、幸子は明るく頷く。

 “またな”それは、再会を約束する言葉、優太の心の表れだった。


「さてと、面倒だが……やるか」


 優太はそう言うと、魔道具作りを始めたのだった。




 それから数分で以外に早く魔道具は出来上がった。

 〈空間の鍵エリアキー〉……魔力を込めながら扉に差し込み捻る事で作った空間を往き来できる鍵型の魔道具。また、空間魔法で作った扉は鍵を掛けると消える。

 優太は早速〈空間の鍵〉で作った扉に鍵を掛ける。すると、扉はスゥと消えて跡形も無くなった。


「よし、戸締まりオッケー」

「ゆう君、扉が有った所不自然じゃない?」

「大丈夫だろ? メイドの人に聞いたら、家具の配置は弄らないみたいだし……この部屋に戻るときは気を付けないとな……」


 優太は幸子に鍵の説明を済ませていた。

 もう一つの効果としては、作った扉にはポータルの役割が鍵経由で付けれる為、空間内にある扉を使えばこの部屋に戻ることも出来るのだ。

 しかし、欠点としては、魔力が不安定だと扉と繋がらない時が有ることだった。


「さてと、それじゃあリティの所に行くか」

「うん!」


 魔道具を作り終わった優太達は、リティの研究室へと向かったのだった。




 ─────────────────────────────




 リティの研究室に着くと、リティとジークが向かい合って座っていた。

 しかし、どこか二人とも表情が険しい。


「どうしたんだ? 二人とも……」

「ああ、来たかユウタ」

「おお……ユウタ殿、サチコ殿、おはよう……」


 ジーク達は優太達に軽く挨拶をすると、「実はな……」と話始めた。


「……と、その前に昨日の試合見事だったぞ!」

「あ、ああ、それよりも話しの続きを……気になるだろ?」

「そうか? では続きを話そう」


 ジークはいざと言うところで、昨日の優太の勝利を祝った。

 しかし、優太は話しの続きが気になるようで、早くしろと急かすのであった。


「この前のダンジョンでの異変……何者かの介入によるものの可能性が高い……」

「そうか……それで? 何で呼んだんだ?」

「気を付けろユウタ、お前の力は強大だ……もし、女神と敵対している者の仕業なら、目を付けられるかもしれない」


 リティ達の言葉に、幸子は心配そうな顔で話し掛ける。


「それって、ゆう君が危ないって事ですよね……」


 心配そうな幸子に、優太は優しく笑いながら、言うのだった。


「心配すんな、何回も言ってるだろう? 無茶はしないって」

「でも……もしも、ゆう君に何かあったら……私……」


 今にも泣き出しそうな幸子に、優太は「はぁ」とため息を付くと、幸子の頭を撫でながら優しい声音で言うのだった。


「幸子……」

「ふぁ……」

「無茶はしない……絶対に死なない……約束だ絶対に帰ってくる」


 昔から、幸子を安心させる時に、よく頭を撫でたなと優太は思いながら、幸子の頭を撫で続けた。


「だから、ちゃんと晃達と居てくれ……大丈夫だ、たぶん」

「むぅ、そこは明言して欲しかったな……でも、分かった……約束守ってね?」


 幸子の言葉に、撫でるの辞めて、優太はしっかりと頷いて見せる。

 それに、幸子はにっこりと笑うと、頷いた。


「仲睦まじいな、リティよ……」

「出来るだけ、手助けするさ」


 そんな二人をジークとリティは優しく見つめていたのだった。




「それで、荷物はまとめ終わったのか?」


 話が一段落付いた所で、ジークが優太に話し掛ける。

 それに優太は頷く。


「ああ、この後城下町で食料を買ってから、そのままクリエスティアに行く予定だ」

「そうか、くれぐれもダンジョンに入るときは気を付けてくれ」


 優太の言葉に、リティが頷きながらも注意を促す。

 それに優太は、不敵な笑みを浮かべると、言うのだった。


「ある程度魔物なら、経験値にしてやるから大丈夫だ」

「はっはっはっ! その勢いですぞ! ユウタ殿!」


 そんな会話を繰り返すと、お昼の時間になっていた。

 ジークは午前中は自主練習としていたため、昼食が終わったら救世主達の訓練を見るようだ。


「ふむ、ユウタ殿を見送れないのは惜しいが……我も仕事が有るからな……」

「別に永劫の別れでは無いのだ、気にする必要もないだろう?」


 リティとジークはそんな話をしながら、食堂へと向かって行くのだった。




 ─────────────────────────────




 食堂に着くと、他のクラスメイト達も丁度昼食を食べていた。

 何人かは優太に気付き、こちらへと近寄って来たのだった。


「よぉ、優太、一体どんなイカサマを使ったんだよ?」

「そうだそうだ、言えよ、イカサマじゃなけりゃお前が勝てる訳ないだろう?」

「坂野君、山野君……」


 坂野大河と山野健斗、見た目的にも如何にもな二人が、優太にいちゃもんを付けてくる。

 幸子は明らかに嫌そうな顔をする。


「タイガ殿、ケント殿。確か、海の覇者と盗賊王でしたな……演習もサボり気味ですなぁ」

「魔法の授業も真面目に受けていないな……こんな事をする前に訓練を真面目にやったらどうだ?」


 流石にジーク達も見過ごせなかったようで、四人の会話に割り込み、大河達の訓練状況を引き合いに出した。

 それに、大河達も過剰に反応する。


「なんだよ! こいつだってよ! 訓練サボってたろうが!」

「そうだ! そうだ!」

「ユウタ殿は、いつも努力しておりましぞ……ただサボっていただけの者と一緒にするな……!」


 大河達の言葉に、遂にジークも怒りを隠せない。

 そんなジークの気迫に、大河達は後ずさる。


「グッ……なんだよ……おい健斗行くぞ……」

「えっ? ちょ、待てよ! 大河!」


 そして、その気迫に堪えられなくなり、大河達はそそくさと離れていったのだった。

 すると、二人が離れた後に、姫花と和馬が優太達の元へと来たのだった。


「よっ! 優太! 昨日は中々凄かったぜ!」

「うんうん! かず君の言う通りだよ! 坂野君達の事なんて気にしなくていいよ!」


 二人は優太達のやり取りを見ていたようで、昨日の優太の戦いぶりに感心したらしい。

 二人の言葉に、幸子は嬉しそうに笑った。


「うん! ゆう君はすごいんだ~えへへ」

「ふふ、何で幸子ちゃんが喜んでるの」


 そんな幸子に、姫花は微笑みながらそう言うのだった。

 そんな二人を他所に、優太と和馬は何処か真面目な話を始める。


「そう言えばよう? 今日だろ? 優太が出てくの……先生が心配してたぜ、顔ぐらい見せてけよ?」

「それぐらい分かってる。俺もそこまで馬鹿じゃないさ」


 優太の言葉に、満足したのか和馬は頷くと、姫花に「行くぞー」と言うと二人とも戻って行った。

 そして、二人を見送り、そのまま昼食を受け取り、優太達は進の元へと向かったのだった。




 優太達が進の元に着くと、進は驚いた顔をしながらも、優太達を歓迎してくれた。


「まさか、君達から来てくれるなんて……リティさんもジークさんもこんにちは」

「この後、すぐに出ていくからな……」


 優太の言葉に、進は少し悲しそうな顔をする。

 しかし、進は頷いて、話を続ける。


「止めたりはしません。でも、もしも、困ったときは僕達大人を頼って下さい。出来れば仲間を作って下さい。僕から言えるのはこれだけです」


 進の言葉に、ジークとリティも頷き。

 優太は、「はぁ」とため息を付くと満更でも無いように言うのだった。


「分かったよ……」


 こうして、城での最後の昼食の時間は過ぎていった。




 おまけ


ゆ(……スゲー遠く行くみたいな流れだけど)

さ(凄くシリアスな空気だけど)


ゆさ(俺(ゆう君)行くの以外と近場なんだよな(だったよね))


 進の雰囲気のせいで何となく言い出せない二人だった。

次を書いて、番外編を二つ挟んで、章が変わります。感想や評価も歓迎です! 誤字や脱字の指摘も受け付けております……直すかはわかりませんが……

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