14 彼は人知れず努力する
やる気なしでも努力はするのです。投稿も努力しだい頑張りしだいだと思っているのは僕だけでしょうか?
バザールでの買い物を終えて、城の自室に入りしばらくして昼御飯の時間になり、メイドが呼びに来た。
メイドに案内されたのは、兵士用の食堂とは違い立派な装飾がなされた場所だった。
「皆、集まったようだな」
優太が入って来たのを確認して、ジゼルが話始める。
どうやら、優太が最後だったらしく、他の生徒達は既に集まっていた。
「よくぞ、無事に帰ってくれた! 事情は聞いておる、今日は食事だけでも、力を入れさせて貰った」
ジゼルがそう言うと、メイド達が豪勢なご馳走を持ってきた。
「おお~」と全員が声を上げる、豪勢ではあるがこのあとの訓練に考慮して量は多いというわけでは無いが、これでも馴れない環境での実戦の疲れを癒すには充分だった。
「では、存分に英気を養ってくれ」
ジゼルの言葉が終わると、全員が料理に手をつけ始めた。
無論、優太もご馳走を堪能したのだった。
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優太達が食事を終えて、ジークはジゼルに報告を含めて、同行した兵士達と共に食事を取っていた。
そこには、ジゼルも当然同席していた。
「ジークよ、ダンジョンでの事、もう少し詳しく聞きたい。緊急の報告だけでは心もと無いのでな」
「はっ! 最初、ダンジョンに入った時は、まだ普通でした。その後、ユウタ殿をリティが連れていき、その数時間後にフロアの魔物を狩り尽くしました」
話の中に、リティの所でジゼルは驚きを顔に出す。
そんなジゼルに、ジークは「いかがいたしましたか?」と聞いた。
「ほう、あの魔王が興味を持ったか……」
「えぇ、その様で……そして、続きですが……我もユウタ殿の事で驚きました」
ジークの言葉に、ジゼルは「ほう」と興味を示し、ジークに続きを促す。
「今回、問題として魔物の再出現の際にハイゴブリンが出現した事です」
「ふむ、本来ならハイゴブリンは中級ダンジョンでしか出現しない魔物……して、ユウタ殿で気になる事とは?」
ジゼルの質問に、ジークはニカッと笑うと愉快そうに答える。
「ユウタ殿がハイゴブリンを殴り跳ばしたのですよ! あれは爽快でしたぞ!」
「!?」
ジゼルの顔を見て、ジークは顔を戻す。
そして、一口料理を口に運び、一息置いて続きを話す。
「リティが身体強化を教えた……だけでは、無さそうですな」
「それは……」
「ハイゴブリンを殴り飛ばした時、ユウタ殿は魔力強化をしていなかった……つまり、レベルが10以上はあると言う事です。」
この事は、優太がハイゴブリンを殴った時に手が痛いと言っていた事から簡単に想像が付いた。
「なるほどな……」
「どちらにせよ、我はユウタ殿が直接話して下さるまで何もする気はありませんが……」
「それは無論、わしもだ」
互いに頷き合う二人、そして最後にジークが思い出したとてを叩きジゼルにもう一つ報告をする。
「そうでした……明後日、ユウタ殿とブレインで試合をさせますのでその報告も……では、我はこれで……」
さらっと、報告していったジークの背中を見つめて、ジゼルは呟いた。
「わし、そんなこと聞いて無い……」
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ジークがジゼルに報告をしている頃、優太達は訓練場で自主トレに励んでいた。
当然、優太は木陰で悠々とさぼりを決めていたが……
「はぁー、矢野君? 貴方は明後日にブレインさんと試合をするんですよ? 分かっているのですか?」
「ほんまやで、そんなんで大丈夫なん?」
そんな優太の元に来たのは、楓と明菜だった。
二人に気付いた優太は、体を起こし軽く楓達に答える。
「さあな、何とかなるだろ」
そのまま立ち上がると、優太は訓練場の出口へと歩いて行く。
楓達はそんな優太を呼び止めようとする。
「待って下さい優太さん。何処へ行くのですか?」
「今日は休む、おっさんにはそう言っといてくれ」
それに、優太は部屋に戻ると言い、再び歩き始めた。
それを見送り、楓達は「はぁ」とため息をつく。
「本当に大丈夫なんでしょうか? あれで……」
「ほっときいな、本人が大丈夫いうてるんやから」
明菜の言葉に、楓は再びため息を付くのだった。
優太は部屋に戻ると言いながら、向かった先はリティの研究所だった。
研究所の扉を開くと、丁度魔方陣を展開した所のようだ。
「何やってんの?」
「ん? ユウタか……ちょっと待っててくれ」
リティはそう言うと、魔方陣に手を向け呪文を唱え始めた。
「我が呼び掛けに答え、召喚せよ! 魔の従者たる者よ」
すると、魔方陣が禍々しく光り始め、瞬間フラッシュする。
光りが収まると、魔方陣の中心に執事服を着た初老の男が立っていた。
「お久しぶりです、リティ様」
「久しいな、ロブロ。単刀直入に言う、この少年を明後日迄に仕上げろ」
リティの言葉に、ロブロと呼ばれた男は、状況が理解出来ず呆然としている優太に視線を向ける。
「ほう、これは……かしこまりました」
「では、頼んだぞ」
最後のリティの言葉で、優太は我に返った。しかし、有無も言わせず、ロブロは優太を引っ張って行く。
それに、優太は大人しく引きずられていくのだった。
ロブロに引きずられて、前と同じ部屋に入った所で、ロブロが優太に自己紹介を始めた。
「どうも、初めまして。私リティ様と契約している執事兼鍛冶屋のロブロ・スミスと申します」
「執事兼鍛冶屋? リティとはどういう関係なんだ?」
優太の質問にロブロは、懐かしそうに目を細めると、簡単に説明し始めた。
「リティ様は私の命の恩人でございます。かつて、国から追われた私を助けてくれたのです」
「ふーん、なるほど……で、何で鍛冶屋?」
「それについてはご自分が良くお分かりでは?」
ロブロの言葉に、優太は「なるほどね」と納得する。
優太は今回、リティに魔道具について聞こうと思っていた。能力の魔法を司る物には当然魔道具も含まれているからだ。
「リティ様は聡い御方です。ある程度は読んでいたのでしょう……それはさておきまずは最近日課にしている事を終わらせましょう」
「あー、筋トレと瞑想ね、ハイハイやればいいんだろ」
ロブロが手を叩きながら、魔道具のことは訓練の後にしようと優太が今までやっていた瞑想等をやるように促した。
「それが終わったら、軽く組手をしましょう。貴方の実力がわからないので」
「はぁ、分かった」
ロブロの言葉に、面倒くさいと思いながらも優太は了承する。
「これで……終わりですかな?」
「あぁ、一応これで全部だ……」
「早速、組手に移りましょうか」
「ちょっと待ってくれ……」
一通りの筋トレと瞑想を終わらせた優太に、ロブロは組手に移ろうとしている。
しかし、優太は絶賛ダウン中で直ぐに動ける状態じゃない。
「はっはっはっ! この程度で倒れていてはダメですよ、それに筋トレ後に休んでいては筋トレが無駄になってしまいます」
「はぁー、分かったよ」
優太は立ち上がると、身体強化を使おうとすると、ロブロが待ったを掛ける。
「お待ち下さい。自然治癒の強化は無しです」
「は? 何でだ?」
「身体強化の体を慣らすのとは違い、筋力を上げたいなら自然治癒の強化はしない方が良いのですよ。筋肉を慣らしながらの繊維修復の方が筋肉の付き方が良いのです」
ロブロの言葉に、渋々頷くと体が辛いまま立ち上がる。
それを見て、ロブロは頷くと場所を移動し始めた。
「ここですね……では、組手を始めましょう」
ロブロと優太が移動して数分、荒野の様な部屋にぽつんとあった扉に入ると、そこには……闘技場が有ったのだった。
その闘技場の真ん中で、ロブロは白い手袋をしっかりと締めるとそのまま構えを取る。
「準備は宜しいでしょうか? ユウタ様……」
「いいわけないだろう……」
優太はそう言いながらも、魔力を全身に込めて行く。
優太の特訓は人知れず、進んで行くのだった。
おまけ
ロブロ、執事の場合
ロ「今日も良い朝ですね……リティ様の朝食を用意しなければ」
執事の朝は早い、今日もロブロは5時起きでまずは朝食の用意をする。
ロ「リティ様、朝でございます。ご起床下さい、朝食の準備が出来ております」
6時頃に主のリティを起こし、朝食を食べ始めたのを見計らい、次に洗濯を始める。
ロ「さてと、次は掃除ですね。早く終わらせましょう」
リティがまだ、リルティアに来る前は広い屋敷に住んでいた為、掃除だけでも大変なのだ。当然、他のメイド達も居るがロブロは率先してやっている。
メ「おはようございますロブロ様。今日もご苦労様です」
ロ「おはようございます、後はお任せします」
半分ほど掃除が終わり、現在8時位だ二時間で半分、空間魔法で広くなっているため少し時間が掛かるのだ。
メ「はい! お任せ下さい! 今日も工房へ行かれるのですか?」
ロ「はい、少し開けますのでリティ様の昼食をお願いします」
この時間になると、ロブロは工房へと出掛ける。
ロブロ、鍛冶屋の場合
ロ「てめぇら!! ちんたらやってんじゃねぇ!!! そんなで納品が間に合うのか!!?」
若「すいやせん!!!」
人が変わる、マジで怖い程に……工房の若者曰く「平気でナイフが飛んでくるッス」らしい
新キャラ、いつから執事キャラが一人だと錯覚していた?おまけでリティが屋敷を持っている事が判明! と言う訳で作者の鈴の木です。前の後書きにも書きましたが最近フォートナイトをやり☆(゜o(○=(゜ο゜)o
脱線しました。面白いと思った方は評価とコメントお願いします。




