11 ご注文は脳筋展開ですか?いいえ魔法展開です
ダンジョンは次で最後、数話書いたら城から出て行くかな、ジークとも絡ませたい、ジークとリティは信用出来る枠で優太を助けてくれるポジションにする予定です。
優太達がダンジョンに入っている頃、何処だか知らない場所で男が座っている。
その傍らに、もう一人男が居た、屈強な肉体に闘牛の頭の男。
彼らは動く、己が宿願を果たすために……あらゆる物を巻き込んで……
目の前に、現れた魔物……それは小さいウサギ型の魔物だった。
〈スモールラビィ〉小さい身体でも果敢に襲い掛かってくるウサギ型の魔物だ。
見た目は可愛いが、立派な魔物、ジンが刀を抜き、スモールラビィに上段の構えで切っ先を向ける。
「あんな可愛いのを切るの? 可哀想……」
「あれでも魔物です、気を付けなければ殺られるのは我々です」
女子生徒全員がスモールラビィに同情の念を送っている。
それに兵士の一人が、注意を促す。
「それでは行きます!」
そう言うと同時に、スモールラビィが脚に力を貯めて飛び出す。
ドン!
と音がなり地面に穴が開く、高速で突っ込んで来るスモールラビィに対して、ジンをは静かに踏み込み刀を振り下ろす。
ズン!
「ピギャっ?!」
ジンの振り下ろした刀が、スモールラビィを捉え一撃で両断する。
「す、凄い……完璧なタイミング、あのスピードを見切って切るのはかなり難しいはずなのに……」
「そう言えば、カエデ殿は同じ刀使いでしたな」
楓の言う通り、スモールラビィは強靭な脚力で高速の体当たりを仕掛けて来る。そのスピードはプロ野球のピッチャーの全力球レベルだろう。
その為、スモールラビィは体当たりを避けて体制が崩れているところを狙うのがスタンダードな戦い方だ。
しかし、ジンはその体当たりのスピードを見切り、タイミングを合わせて切り裂いたのだ、並みの冒険者なら透かしてもろ受け悶絶物だろう。
「ジン! 参考にお前のステータスカードを皆に見せるぞ」
「分かりました」
そう言うと、ジンはジークにステータスカードを投げ渡した。
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ジン・カザカミ 20歳 Lv.20
性別 男 種族 人族
職業 戦士
体力 :150
攻撃力:100
防御力:70
持久力:100
俊敏力:200
魔力 :70
魔防 :70
スキル 俊敏上昇大 一刀流・カザカミ 見切りの達人 補助魔法中級
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全員が驚く、レベル20でもステータスの平均が100。
しかし、これが普通なのだ、レベル50を越えて初めてステータスは300届くか位がこの世界の普通だ。
「隊長がやったら、ここにクレーターが出来ますよ」
「流石に、我は手を出さんよ」
スモールラビィを倒したジンが此方に戻ってくる。
すると、その後ろから別の魔物がジンに襲いかかるが、ジンはそれを身を逸らし、避けると振り向き様に魔物の首を斬りながら後ろに飛び退き、向かって来たもう一匹の魔物の間合いに詰めて袈裟斬りで倒した。
この間、僅か10秒弱、圧倒的に早い。
「ふむ、ゴブリンだな……しかし、流石に速いなジン」
「これが私の取り柄ですから」
〈ゴブリン〉小鬼型の魔物で、小さい棍棒や錆びた短剣などを持って襲ってくる。
今回のゴブリンも、棍棒を持っていたがジンが速すぎる為に、振ることすら叶わなかった。
「と、まぁこのように、ここの魔物は弱い、他の兵士達も付いてるから安心して訓練とレベル上げに勤しんで欲しい」
「本当に大丈夫何でしょうか」
進の心配を余所に、生徒達は各々が兵士と共にダンジョンの広場所々へと散っていく。
ここはダンジョンの入って一つ奥に進んだ所の広場、広さ的には東京ドームほどあるため他の冒険者が来ても邪魔にならない。
「ここの敵は基本、避けて隙が出来たら攻撃してください」
「ダメージを受けたら此方へ、細めに回復してください」
などの兵士から注意を受けているそれに、生徒達は「はい!」と応えている。
「ジーク、悪いがユウタは貰っていくぞ……」
「む? リティが一緒なら安心だが、それは……」
「リティさんが一緒なら大丈夫だと思います」
リティの申し出に、ジークが苦言を言おうとするが、進が賛成したので渋々了承した。
「ユウタ、私と一緒に来い」
「ん? あぁ」
リティがユウタを連れて行こうとすると、幸子が自分も行くと言う。
「天野はここに居てくれ、ここのが安全だからな」
そう言われ、幸子は立ち止まり「うん……」と頷くのだった。
幾つか奥のフロアに、リティと優太は来ていた。
そこには、何匹かの魔物が闊歩していた、大体はスモールラビィやゴブリンだがちらほらと見たことの無い魔物も歩いている。
「ここなら邪魔も入らないだろう……早速、まずは身体強化を自分に施せ」
「朝から筋肉痛が酷いのだが……」
そう言いながらも、言われた通りに身体強化を使う。
すると、昨日より魔力の流れが分かる事に優太は驚く。
「ユウタ、筋肉痛が酷いと言っていたな? この前は強化に専念してもらったが、今度は全身に魔力を馴染ませる様に込めて行け」
「全身に馴染ませる様に……」
リティに言われた通り全身に馴染ませる様に、魔力を込めていく。
すると、全身を蝕んでいた筋肉痛が和らいできた、それどころか完全に完治した。
「!!」
「それは、身体強化の応用だ、自然治癒力が上昇し筋肉痛程度ならば完治することが出来る」
優太は手を開いて閉じてを繰り返すが痛みは感じない、それを見てリティは次の応用を教える。
「次は、部分強化の応用だが、これは身体に教え込む!」
「なっ!?」
突然リティが優太に、襲いかかって来た。
その一撃を優太は横に飛んで避ける、優太が居た場所の地面は完全に抉れている。
「いきなり何だ? 魔物に気付かれるぞ」
「大丈夫だ、結界を張ってるからな、受けたダメージも端から回復していくぞ」
そう言われ、優太は擦った腕を見ると確かに傷が治っていた。
「それよりユウタ、これからは避けるな、魔力を部分に集中させて受け続けろ、打点は変えるからな体内での魔力操作を完璧にしてもらうぞ!」
「無茶苦茶言うな、くそっめんどくせぇ!」
優太の愚痴の途中にリティが突っ込んで来たので、腕を交差させて魔力を込める。
ガガっ!
「ぐぁ!」
「魔力操作の訓練だが、ただ込めれば良いと思ったか? 同時に基本は身につけておけ、このあとは魔物と戦って貰うぞ」
吹っ飛ばされ、倒れる優太にリティは戦いの基礎を身に付けさせるつもりでいた。
「がぁ! 上等だ打ち合ってやらぁ!」
優太は立ち上がると、リティに殴りかかるが返り討ちに合う。
(待てよ、これは戦いじゃない、魔力操作の訓練だ)
優太は一旦冷静になり、リティの動きを見ることにした。
そして、リティは元々魔導師だ。ならば、動きを身体強化で合わせれば動きを読めるのでは?
(物は試し、元々、体内で魔力を動かす訓練なら!)
優太は、全身に魔力込めて強化して、リティの動きに合わせる。
当然、完全には実力差が有りすぎて無理だが、そこそこならば届く。
リティの攻撃を受け続けて、約1~2時間がたった頃、優太は死屍累々だった。
「途中からの理解は正しい、常に身体強化を施し攻撃を受ける直前に打点に魔力を集中する」
「あぁ、動きが早すぎて全然ダメだったが」
優太の言葉に、リティは首を横に振る。
「いや、あそこまで私に着いて来れたんだ、鍛えれば使いこなせるだろう」
リティが感心している間に、優太は全身に魔力を流して疲労を取り除く。リティに体内魔力操作訓練の合間に教えて貰った、自然系統魔法「リラクス」、疲労とストレスを取り除く魔法だ。
「体内魔力の操作は、ある程度出来るようになったな。ここから、媒体なし魔力操作の訓練……と言っても、このエリアの魔物の数を魔力を使って把握して貰うだけだ」
「分かった」
そう言い、優太は早速魔力を出してみる。
部分的に魔力を込める時の様に、手のひらに魔力を込めて見る。すると、リティに初めて見せた時とは雲泥の差で魔力の密度が違う、だがそれを維持できず直ぐに消えてしまう。
「体内とは違って、外に魔力を維持するのは難しいだから媒体を使う……しかし、まあ直ぐに出来るようになるよ」
「何でだ?」
優太の言葉に、リティは笑う。
「クックックッ、それはなお前と打ち合ったのはお前の魔力を把握するためだったんだ……それでな、お前自信が媒体の役割を持っていたんだだから後は慣れだな」
要するに、優太自信が魔力の塊と言う事だった。
その為、優太は媒体無しでも魔力を使えるのだ。
「慣れね……おっ! そうだ、イメージをつけて見よう」
優太はそう言うと、また魔力を手のひらに込める。
すると、優太の手の上に黒い粉塵の様な物が渦巻いている。
「なんだ……禍々しいな……」
「……」
しかし、意外な事に安定して、維持が出来ている。
すると、今度はいきなりその粉塵を優太は撒くように、周りに投げて行く。
「何をしているんだ?」
「……8だ……」
「何?」
「このエリアの魔物の数は8だ」
優太の言葉に、リティは周りを確認する。
「7匹しか居ないが?」
「あそこの岩場の影だ」
すると、岩場の死角から魔物が一匹出て来た。
「イメージ一つで、ここまで変わるのか……では、ここの魔物を倒して……」
「これ、凄いぞ、入ってる……魔物の中に……」
優太の言葉に、リティは首を傾げる。
「優太? どうしたんだ?」
「ここの魔物、全部まとめて……あの世行きだ……なんちゃって」
優太はそう言うと、手を握り締める。
すると、魔物達が一斉に倒れて、そのまま消えていった
「な!? 一体何が!?」
「俺の魔力で、魔物の核を破壊しただけだ」
「だけだだと!! 下手をすれば、国を揺るがす能力だぞ!」
リティが驚きのあまり怒鳴るが、優太はリティに真面目に向き合い、一言言った。
「めんどくせぇ」
「……はぁ、なるほどな、いらない心配か……」
リティは冷静になる。
優太の言葉に真意を見たからだ。
『国はめんどくせぇな』
それは、優太を如実に表していた。
優太はめんどくさがりだ、しかし、なあなあで行動する人間でもない、故に一言「めんどくさい」で済ませたのだ。
「迂闊に、使わねぇよ。索敵だけに使うようにする」
「それは、もしもの時の“奥の手”だな」
リティは心配事がなくなったので、案外ノリノリで奥の手を強調している。
それに優太は、呆れ半分で頷くのだった。
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……女神の差し金か……まあ、良い。
余興と行こう、女神の力で場所しか解らぬが、少しつつこうか……
誰とも知れず、トラブルは投下される。
底知れぬ悪意と共に……
おまけ
優「馴染むぅ! 馴染むぞぉ! 最高にハイって奴だぁ!」
リ「(;・ω・)」
優「ウリイィィィィ」
リ「( ゜д゜)」
優「……リティ……見ているな」
リ「( ゜д゜)ハッ!」
リ「い、いや、見てない! 見てないぞ!」
優「orz」
魔「( ・ω・)」
作「カオスだ優太WWW」
作「あれ? この黒い粉……あ(察し)」
ギアァァァァ!
この後に、作者を見たものは居ない……
黒幕チラ見せ、優太の粉塵は色々書くのに欠かせないので、チートはチート過ぎない仕様はならない(キリッ)
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