9 貯蔵は大事これマジ
長くなっちった、読み難いなどはあると思いますが読んでいただけると幸いです。
いよいよ、優太がダラダラ動き出します。
優太は、自室に戻ってからも瞑想をし、魔力量増加を謀っていた。
しかし、ここで一つ問題にぶち当たった。
「これ……どう使うんだ?」
そう、リティから借りた空間魔法の媒体の使い方が分からないのだ……聞くのを忘れていたからだ。
「とりあえず、魔力を込めてみよう」
すると、媒体は魔力を込められ、輝き始めたが何も起こらない。
そこで優太は一つ思い出した。
「魔法は想像力と教わったな……」
優太は、今度は部屋が広がる事を想像しながら魔力を込める。
すると、少し部屋が広がった様な気がした。
「なるほど……これで別の空間を作る事も可能なのか……」
そう言いながら、今度は別の空間を想像しながら使うと、丸い穴が開いて、この中に白い空間が広がっていた。
それを見て優太は、ニヤァと笑うと媒体を弄びながら呟く。
「なるほど、便利だ……しかし、ずっと借りる訳にもいかないだろう」
やれやれと、アクションを取るとにこやかに笑いながら……
「だから、仕方なく……本当に仕方なく……能力だけ貰おうか……」
そう言うと、優太は媒体を手に取り、能力を発動させるのだった。
幸子は今優太の部屋に向かっていた。
優太は2日目訓練が終わった後に「行くとこ有るから」と一人で何処かへ行ってから食堂に来なかったからだ。
「ゆう君、部屋に戻ってるかな?」
幸子はそんな心配をしながら、優太の部屋に着くとすぐさまノックをする。
「ゆう君、いるの?」
しかし、部屋から返事は反って来ない。
幸子は「居ないのかな?」と思いながら、ダメ元でドアノブに手をかけると、ガチャっとドアが開いた。
「ドアが開いてる……ゆう君、入るよ?」
そう断り、幸子が部屋に入ると優太は居なかった。
しかし、幸子は少しの異変に直ぐに気付いた。
「何か、広い? 気がする。あと、こんな扉……あったっけ?」
幸子が感じた違和感。それは、部屋の広さと扉だった。
部屋に案内してくれたシリアの話では、部屋はどの部屋も同じ間取りと広さと聞いていた。その為、部屋の僅かな広さが気になり、他の部屋には無い扉へと意識か向いたのだ。
「ゆう君は、この中かな? 女は度胸、行ってみよう!」
そう言い、扉の中へと幸子は入っていったのだった。
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中に入ると、広い空間が広がっていた。
白しか無いシンプルな空間。それは昔優太から借りた漫画の修行の為の空間に似てると幸子は思った。
「わぁあ、精◯と時の部屋みたい」
「いや、違うからね? まあ、俺も思ったが……」
「うひゃあ!」
優太のいきなりの登場に、幸子は肩をビクゥとはね上げる。
幸子の様子に、ため息を付きながら呆れ気味に幸子に話し掛ける。
「はぁ、何でここに居るんだ幸子」
「ドアのカギが開いてたから入ったら、この扉を見つけて……侵入した次第あります!」
ビシィ! と敬礼しながら応える幸子に、優太はため息をさらに付きながら幸子にチョップを入れる。
「いたい!」
「カギが開けっ放しだった俺も悪いが、勝手に入るな……俺じゃない奴が居たら危ないだろ……」
「あたた……ん? ゆう君何か言った?」
優太は最後に呟く様に、言った言葉は幸子には聞かれなかったようだ。
その事に、内心ほっとしつつ何も無いように優太は装う。
「何でもねぇよ。それより、用があって来たんだろ?」
優太の言葉に、幸子は「そうだった!」と明日の事を話始めた。
「明日も朝から訓練場に来るよにだって。あと、朝食は食べたい人は食べても良いそうだから……一緒に行こ?」
「はあ、分かった。だが、起きれる自信無いから起こしに来てくれ」
面倒くさそうに応える優太に、幸子は嬉しそうに「うん!」と頷いた。
「それにしても凄いね、この部屋。でも、どうしたのこんな広い部屋」
幸子の疑問もごもっともだろう。
しかし、その疑問にもあっけカランと優太は事なきげに言うのだった。
「リティに借りた魔道具から、コピーした。」
「へぇー、魔道具からコピー……え? ……えぇぇぇぇ!?」
幸子の反応に、優太は若干気まずそうに頭を掻くと事のしだいを話した。
「お前には、教えて有るだろ俺の固有能力」
「うん、教えて貰った……」
「あれには魔法に関する事なら何でも出来るんだ……だから……」
遡る事、数時間前……
「能力を貰おうか……」
ニヤリと笑う優太は、徐に魔道具を手に取ると目を瞑り、言葉を紡ぐ。
「〈魔法創造・空間魔法〉」
すると、手元が明るく輝き始めた。
そして、光が収まると優太はステータスカードを確認した。
〈魔法創造・空間魔法〉……貯蔵、退避、防寒等々何でもござれの万能魔法、空間固定で食品の鮮度も保てて一家に一魔法欲しい。
「ツッコミどころ満載だが、成功したな……出来る核心は無かったが、本当に魔法関連では万能だな」
優太は確認すると、早速試して見ることにした。
まず、部屋の広さは特にいらないので、誰にも邪魔されない修行部屋を作ることにした。
「単純に、少し広めのシンプルな空間を想像して……〈空間魔法〉」
すると、部屋の壁に穴が開いた。
これだと何だか情けないので、入り口は空間操作により扉へと変えて、優太は中に入る。
「……何だか、数時間で数年分の修行が出来そうだな……」
入った部屋は、真っ白だった。
だが、修行するだけなら特に問題無いだろうと瞑想を始めようとした所で扉が開いた。
「で、お前が入って来たって訳だ。」
「へぇ、やっぱり凄いね、ゆう君の能力……でも、扉はどうするのお掃除のメイドさんに見られちゃうよ?」
それに関しては、優太に考えがあった。
「空間操作で扉が作れたんなら、隠す事も移動させる事も出来るはずだ」
そう言うと、扉から出て扉に手を当てて。
「〈空間操作〉」
そう言うと、扉が消え始めた。
「扉が消えた?」
幸子の呟きに、優太は満足そうに頷くと再び扉を出現させる。
「あっ、別にあれは言わなくても出来るんだ」
「雰囲気だよ雰囲気、それよりもお前もそろそろ部屋に帰れよ」
優太の言葉に、幸子は「うん、そうだね」と頷く。
「それじゃあ明日、起こしに行くから! またね!」
そう言って、帰って行く幸子を見送ると、優太はベッドではなく修行部屋に入って行く。
「はぁ、面倒だがあいつの為でもあるし、やりますか……」
そうして、優太は座禅を組む。
すると、リティ元で瞑想した時と同じ様に、優太の周りに魔力が渦巻く。
「ん? 魔力が漏れてる……勿体ないな……いや、空間固定を使えば」
優太は何かに気付いた。
それと同時に、リティの言っていたことが分かった。
「なるほどな、確かに空間魔法が役に立つな……貯蔵は大事だよな」
優太は引き続き瞑想する。溢れた魔力を別空間に貯めながら。
そして、夜は明けていくのだった。
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翌朝、幸子は優太を呼びに行く途中だった。
しかし、何故か晃と大地、絵美も一緒に来ていた。
「ゴメンね、皆付き合わせちゃって……」
「いいよいいよ! 先に約束してたみたいだし……ね! 晃くん、大地くん?」
幸子が申し訳なさそうに、謝ると絵美が問題無いと他二人にも視線を向けると晃達も頷いた。
「先に約束してたんだ。気にする必要は無いさ」
「そうだぜ、それよりも早く矢野を起こして飯食いに行こうぜ!」
内心どう思っているかは分からないが、晃は問題無いとにこやかに笑い、大地は早くしようと促す。
そうこうしている内に優太の部屋の前に着いた。
「ゆうくーん! 起こしに来たよ!」
そう言って、ドアをノックする。
すると、直ぐにドアが開いて眠そうな優太が顔を出した。
「あぁ、さ、天野か……早いな、で、何でお前らも居んの?」
「いやー、私が今朝ばったり会ったから朝食誘ったら、すでに矢野君と約束してるって言うから、せっかくならって事で一緒にする事にしたんだ」
優太の質問に、絵美が応えると、優太は「ふーん」と気の無い返事をすると、部屋へと一度引っ込んでいく。
数分後、準備を済ませた優太が出てくると、幸子が「それじゃあ行こっか?」と歩き出したので優太達もその後について行くのだった。
優太達は食堂で朝食を済ませると、そのまま訓練場へと向かった。
そこには、既に何人かのクラスメイト達がウォーミングアップをしていた。
「まだ、ジークさん達は来てないみたいだな……」
晃の言う通り、訓練場にジーク達の姿が見えなかった。
なので、晃達もウォーミングアップに交ざる事にした。
「あ、俺はパスで」
と、優太はウォーミングアップをしないといい始める。
幸子が何か言おうとしたが、晃が幸子を止めたのでそのままウォーミングアップへと交ざって行った。
「全く、また貴方はさぼっているのですか?」
「前にも言ったろ? 俺は魔導師だから必要無い」
座って幸子達を見ていた優太に、楓が話し掛けてくる。
また、優太が今回ウォーミングアップをしないのは前とは違い、幸子達が来る前に早めに起きた優太は修行部屋で充分に準備運動を済ませていたからだ。
「ほんまに、矢野君は……と、ジークさん達来たみたいやで」
「そうみたいですね」
楓と一緒に来ていた明菜が何かを言おうとしたが、途中でジーク達が歩いて来ている事に気づいて話を切り上げる。
「うむ! やる気充分でけっこう、けっこう!」
ジークは、晃達がウォーミングアップから走り込みをしている所を見て頷いていた。
「遅れてすまない、明日の下見をしていたのでな、少々寝坊した」
ジークはそう言いながら、少し申し訳なさそうに頭を掻いている。
そんなジークに着いて来ていたブレインが、ため息を付きながら首を横に振る。
「こいつは、昔からこういう所があるんだ」
「まあまあ、それよりもジークさん、明日のダンジョンへの遠征は全員で行くのでしょうか?」
ブレインの不満げな言葉を諫めつつ、進がジークに心配そうに質問をする。
それに、ジークは頷き、進に真面目な表情で応える。
「無論、そのつもりだ……例え、この世界を旅しないとしても、少なからず城の手伝いを頼む可能性もある、ここに残っても安全とは限らん、だから少しでも自衛の力をつけなくてならない……ススム殿、心配なのは分かるが、少しでも安全性を上げる為だ許して欲しい」
進は、ジークの真っ直ぐな瞳を見て「分かりました」と頷いた。
進が頷いたのを見ていた、生徒達は不安げな表情でそれぞれが話していた。
「魔物って、凶暴何だよね?」
「大丈夫なのかよ、そんな所に行って……」
そんな話声が聞こえてくる、そんな中一人の男子生徒が声を上げる。
「何をごちゃごちゃ言ってんだよ! ジークさん達が付いてくるだろ? だったら、よっぽど安全だろうが」
周りに声を掛けたのは、自分の職業の関係で残留組になった、剣崎鉄也だった。
剣崎の言葉に、進はジークに一つ条件を出した。
「ジークさん、生徒の身の安全は当然として、絶対に無茶をさせないで下さい」
「無論だ……我の隊の者総動員でこの遠征は行うつもりだ」
ジークの言葉に、先ほどまで不安げにしていた生徒達もそれならと参加を決意する。
「さて、問題も解決したところで、今日の訓練だが武器の使い方に慣れて貰う! 今日は早めに切り上げるので明日に備えて休んで下され」
ジークがそう言いうと、何人かの兵士達が武器を持って訓練場に入って来た。
それと同時に、ブレインも晃達の元へと行き、一緒に訓練をするようだ。
「なぁ、オッサン……」
「おや? 何ですかなユウタ殿?」
そんな中、優太はジークに話しかけていた。
その内容は、リティの元で魔法の修行をしたいと言う、申告だった。
「俺は魔導師だから、武器より魔法の訓練をしたいのだが……」
「ほほう、と言うことはリティの元へと行きたいのですかな?」
ジークが興味深そうに、優太に質問する。
それに優太は頷くと、「駄目なのか?」と視線で訴える。
「いいですぞ、リティにも話を通しておきましょう」
「それは、大丈夫だ元々今日は会うつもりだったから……」
ジークの申し出を断り、優太はリティの元へと向かうのだった。
優太は、昨日の夜から今朝まで別空間に漏れた魔力を貯めながら魔力増加に勤しんでいた。
そのかいあって、優太の潜在魔力は10000を越えていた。
「と言う訳だから来たぞ」
「まさか、ステータス上とは言え、本当に10000に到達してくるとはな……」
呆れ返りながら、リティは優太を前と同じ空間へと案内する。
その際に、優太は思い出した様に、リティに空間魔法の媒体を投げ渡す。
「それ、要らなくなったから返す」
「おっと、要らなくなった? お前な魔力の器が安定するまでは持っていた方がいいのではないか?」
優太の言葉に、可愛らしく首を傾げながら質問する。
それに優太は、さも当然の様に応える。
「俺の固有能力で能力だけ貰った」
それを聞いて、リティは一瞬目を見開き、直ぐにため息を付く。
「はぁ、これはこの国で見つかった、神器の一つでなこれの魔法をここ数十年は研究してたのだかな」
「そうなのか? それは悪いことをしたな」
悪びれる様子のない優太に、リティは肩を竦めながら注意を促す。
「別に構わないが、余り人前で使うな、使っても模造だと言い張れそれを使えるだけで世界中から狙われるぞ」
「ああ、肝に命じておくさ」
優太は軽くそう返し「それより」と話を切り替える。
それに、リティも頷くと、魔力操作について話始めた。
「魔力操作だが、直接操作の前に身体強化を覚えて貰う」
「身体強化?」
優太は首を傾げる、そんな優太にリティは説明の続きを話始める。
「身体強化は体内の筋肉に魔力を注ぎ、一時的に身体能力を引き上げる技能だ……要するに体内で魔力操作の感覚を掴め」
「なるほどな、確かにその方が感覚を掴み易そうだな」
優太は納得と頷く、そしてリティは早速と手本として身体強化をやって見せた。
「はぁぁあ……とこんな感じかな」
リティはそう言い、手近に有った岩石らしき物を軽く小突いて見せる。
ドゴン!
そう鈍い音を出して、岩らしき物は粉々に砕け散った。
「やって見ろ」
「マジかよ……」
リティの言葉に、優太はまず目を瞑ってみたがさっぱり分からない。
それを見かねたリティが、アドバイスを送る。
「全身は後で良い、まずは腕から始めろ、腕を思い浮かべろ……思い浮かべたら腕を包む様に魔力を注げ」
「腕を覆う様に、魔力を注ぐ……」
優太は、そう呟き腕に魔力を注ぐ。
すると、腕が少し熱くなった感覚を感じた。
「ユウタ……」
リティに呼ばれ振り返る、すると目の前に顔ほどもある岩が飛んで来た。
優太は咄嗟に拳を前に突き出した。
バゴォ!
すると、岩は意図も簡単に砕けた
「感覚は分かったか?」
「何となく……」
「なら、後はそれを両腕、両足、全身と慣らすだけだ、それと全身が出来たら強化状態を維持しながら筋力トレーニングをして貰うぞ」
リティの言葉に、優太はウンザリしながらも黙々とこなしていくのだった。
「それと、直接操作の実施はダンジョンでやるぞ、対象がいた方が色々と好都合だろう?」
「あんたも来るのか?」
優太の言葉に、リティは頷く。
「正直、興味がある……魔力の直接操作にな」
「あっそ」
そうこうしている内に優太は、全身の身体強化に移行していた。
このあと、優太は激しい筋肉痛に悩まされる事になるのだが優太はまだしらない……リティは知っている。
そして、明日はいよいよ初ダンジョンへと行く事となる。
ここに来て、初残留組から個人名が彼の活躍にこうご期待。
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