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ビバ☆ロック  作者: Rainbow project
「俺たちの青春の傍らにはいつもロックがあったんだ。」
7/15

第七話 [活きる]

―次の日・・・


キーンコーンカーンコーン・・・


ミカ (はぁ・・・本当に今日の放課後、見学に行くことになっちゃった・・・怖いなぁ)


生徒 「おいミカ!」


ミカ 「っ!な、何・・・・?」


生徒 「翔たちは?」


ミカ 「え・・・飲み物買いに行ったけど」


生徒 「あれー?『ミカを守る!』とかカッコつけたこと言っておいて放置かよー」


生徒 「あはは・・・!」


ミカ (た、確かに・・・)


生徒 「実際、アンタのことなんてどうでもいいって思ってるんじゃない?」


ミカ 「え・・・」


生徒 「普通一緒に行くでしょー(笑)!ま、いつか仲間割れすると思ってたけどね」


生徒 「どうせ退学するんだろ?」


生徒 「またいじめてあげるわ」


ミカ 「退学なんて!!退学なんて・・・させないから・・・」


生徒 「お?」


生徒 「アンタにそんな権力あんの?ま、楽しみに見とくわ」


生徒 「いこ、みんな」


生徒 「うん」


生徒たちは教室を出て行った。







ミカ 「ふぅ・・・とりあえずいいや。」


翔 「おい!ミカ!」


ミカ 「うわあああ何!?」


翔 「大丈夫だったか?悪い遅くなって・・・オレンジジュースでいいか?」


ミカ 「え、うん・・・ってか、ありがとう」


ジョニー 「あいつらの声少し聞こえたけど、なんとか追い払えたみたいだな」


ミカ 「う、うん・・・追い払えてるのか分からないけど、なんか出て行った・・・。」


ツバサ 「ごめんね、独りにして」


ミカ 「全然!元々独りだったんだし、みんながいてくれるだけで心強いから!」


光 「今日、チアの見学行くのかYO?」


ミカ 「う、うん・・・そのつもり。マリナ先輩もいるし、大丈夫かなって思うんだけど・・・」


ジョニー 「さっきの奴ら、チア部じゃなかったっけ」


ミカ 「え」


翔 「おいマジか・・・まぁ、うちの学校のチア部員って調子乗ってる奴多いからな」


ツバサ 「翔・・・ま、まぁ確かに、怖い人は多いイメージだね」


ミカ 「うん・・・でも、まだ入るって決めたわけじゃないし!見学は頑張る!」


翔 「おう!」












―放課後・・・


翔 「本当に先に帰って大丈夫なのか?」


ミカ 「大丈夫だよ!マリナ先輩もいるし、みんなにも気を遣わせたくないから」


ジョニー 「俺たちは別にいいんだが・・・ま、気をつけてな」


ツバサ 「またね!」


ミカ 「うん、またねー!」


ミカは仲間たちを見送って、廊下の壁の前で先輩が来るのを待った。







―五分後・・・


マリナ先輩 「ミカちゃん!」


ミカ 「あ、先輩!」


マリナ先輩 「おまたせ~。さ、行きましょ!」


ミカ 「あっ、はい・・・あの。」


マリナ先輩 「ん?」


ミカ 「私全然運動してないし・・・その、部活のシステム?とか、メンバーの人たちのこと、全然分からないから不安で」


マリナ先輩 「誰だってそういうものよ、初めは。」


マリナはミカの肩にポンと手を置いた。




ミカ 「は、はい・・・心の準備が・・・」


マリナ先輩 「大丈夫!しっかり私がついてるから!」


ミカ 「ありがとうございます!」


二人は体育館へ向かった。





生徒 「あ、マリナー!」


生徒 「その子が見学の子?」


マリナ先輩 「うん、そうそう!小林ミカちゃん。よろしくね!」


ミカ 「よ、よろしくお願いします」


生徒 「よろしくねー。私たちはマリナと同じ学年なの。ミカちゃんたちの学年が、チア部は今一番部員が多いかな」


ミカ 「そうなんですね・・・」


マリナ先輩 「っと・・・よいしょ。サイズはSで大丈夫かな?とりあえずこれ、ユニフォームだから着てみて♪」


ミカ 「あ、はい・・・見学でも着ていいんですね」


生徒 「この方が動きやすいし、気持ち的にもなんか心がチアモードになれるよ!」


生徒 「そうそう!」


ミカ 「はい・・・!」


ミカは更衣室に行って、改めてユニフォームを広げた。


ミカ (こ、こんな短いスカート履いたことない・・・)


青地に白のデザイン、チーム名と金色の星が描かれたユニフォームに袖を通す。


ミカ (これで・・・いいのかな?)






パタン・・・


更衣室のドアが開いた音がした。


生徒 「えええマジー!?」


生徒 「らしいよ、ウケるよねー!」


生徒 「だってさっきまでぼーっと座ってたじゃん、全然そういうイメージないんだけど!」


生徒 「翔たちに囲まれてさ、お姫様気分って感じー?」


生徒 「ま、あいつらに守られてても羨ましくないけどね~」


生徒 「あはは!どうせチアに来たのも、マリナ先輩つながりでしょ?」


生徒 「あ~。最近先輩の力使ってるもんね」


生徒 「チア部なめんなよって感じ~」


ミカ (・・・。)




幸いなのか不幸なのか分からないが、ミカは更衣室の隅っこで着替えていたため、

生徒たちには気づかれなかった。


生徒 「よし。できたー」


生徒 「行くかー!」


生徒 「おーし」


パタン・・・



ミカ (・・・。)




ミカは生徒たちが出て行ったことを確認し、

ため息をついてから、思わずしゃがみこんだ。


ミカ 「っ・・・」




自分はやっぱり、そういう人間に見えてしまうのだ。

悲しさと、悔しさとで泣きそうになる。

傷ついた心がズキズキ痛んで。



ミカ (だ、だめだ・・・泣いちゃダメ。これから見学なんだし、先輩だって待ってる)


ミカは涙をぐっと抑えて、更衣室を出た。








マリナ先輩 「あ!お帰り。・・・すごく似合ってるよ♪」


ミカ 「あ・・・ありがとうございます」


マリナ先輩 「髪まとめるから、こっち来て」


ミカ 「は、はい」









― 十分後・・・


生徒 「お願いしまーーす」


コーチ 「はいお願いします!」


ミカ (は、始まってしまった・・・)


コーチ 「今日は見学者1名ね」


マリナ先輩 「はい!・・・ミカちゃん」


軽く前に押し出されて、ミカはみんなの視線を一斉に浴びた。




ミカ 「・・・っ一年生の・・・小林ミカです・・・よろしくお願いします」


パチパチ・・・





コーチ 「じゃ、いつものストレッチから!」


部員 「はいっ!」


円陣が崩れたと思ったら、すぐさま部員は駆けていった。





ミカ (え!?え、どうしたらいいの?)


マリナ先輩 「ミカちゃん、とりあえずうちの学年と一緒にやろっか」


ミカ 「あ・・・はい!お願いします」


どうやら学年ごとで使うマットが違うらしい。



ミカ 「すいません、よろしくお願いします」


生徒 「お、よろしくねー」


ミカ (よかった・・・先輩たちは優しい人たちみたい)







― 十分後・・・


コーチ 「はい集合!」


生徒 「はいっ!」


コーチ 「じゃー小林さんは、同じ学年とスタンツ組んでね」


ミカ 「は、はい・・・」


ミカはちらっとクラスメートのほうを見た。




ミカ (す、スタンツ・・・?)


コーチ 「はいはじめ!」




―ミカは聞きなれないチア用語に気をとられて、コーチの説明がほとんど頭に入らなかった。

気づくと、クラスメート4人が固まってこっちを見ている。



ミカ 「あ・・・ごめん。よろしくお願いします」


生徒 「はやく来て。こっち」


クラスメートたちはミカの腕をぐいっと引っ張った。

ミカは突然襲い掛かってきた勢いに負け、一瞬転びそうになった。




ミカ 「わっ」


生徒 「アンタ上ね」


ミカ 「え・・・は、はい」


クラスメートたちはミカを真ん中に囲むようにして、体勢を整え始めた。



ミカ 「え、待ってこれどうすればいいの!?」


生徒 「私たちが上げるから、両手挙げてポーズとって」


ミカ 「えっ!?」


生徒 「いくよー」


生徒 「ワンツー!」




―声を合わせてカウントし始めたと思ったその瞬間、ミカの視界は一気に上昇した。

そして、何が起こったのか分からないが、そのままぐらりと体勢が崩れて、後ろへ落ちた。





ドンっ!!!


マリナ先輩 「え・・・」





生徒 「あっはっははははは!!」


生徒 「ねぇ何してるのよー!ちゃんとバランスとらないと~」


生徒 「下で支えるより楽だと思うけど?」


ミカと組んでいたメンバーたちは、倒れているミカを囲むようにして、手で軽く叩いた。






生徒 「ねぇ、小林さんが・・・」


生徒 「え、やばくない!?」


生徒 「どうしたの!?」


他の学年の部員たちも、大きな音に異変を感じた。


コーチ 「あなたたち道をあけて!!」


マリナ先輩 「ミカちゃんっ!!!」


コーチが急いでミカに駆け寄ったが、ミカは呼ばれても返事ができるような状態ではない。



コーチ 「救急車呼んで!!頭打ってるかもしれないから!早く!!」


ミカ 「コーチ・・・」


コーチ 「え・・・」


ミカ 「大丈夫です・・・頭は打ってませ・・・んから・・・」


ミカはゆっくりと上体を起こした。





マリナ先輩 「ミカちゃん、動いちゃダメ!そのままでいいからっ」


ミカ 「先輩・・・」


コーチ 「大丈夫なの?どこか骨折したとか、血が出たとかいう感覚は!?」


ミカ 「大丈夫です、私が・・・ただ、落ちただけなんで」


コーチ 「本当に大丈夫なの?」


ミカ 「はい、心配しないでください」





ミカはまだ少し歪んで見える視界から、自分を落とした彼女たちを見つめた。

あれは、きっと故意に落としたに違いない。




―やっぱり。

こちらを見て、ニヤニヤ笑っている。

悔しい。

悔しい。けれど、今は反抗する元気なんてない。

動く元気が出るまで、私のそばでコーチが見ていてくれるだけ。






ミカ 「・・・。」


マリナ先輩 「あなたたち、なんて危ないことしてるのよ!いきなり見学の子を上にあげるなんてありえない!!」


生徒 「すいませーん」


生徒 「え、でも私たちに詳しく指示出しましたぁ?」


生徒 「確かにぃ~」


生徒 「ってか小林さんが落ちたから私たちのほうが痛かったよね~」


生徒 「あんないきなり支えられないし」


マリナ先輩 「言い訳はやめなさい!!」


生徒 「マリナ、落ち着いて・・・」


コーチ 「確かに、しっかり見ていなかった私にも責任があります」


ミカ 「コーチ・・・」


コーチ 「病院行かなくて本当に大丈夫なの?」


ミカ 「はい・・・」


コーチ 「せめて保健室には行って。ベッドで横になったほうがいい」




コーチはミカを連れて行った。




マリナ先輩 「あなたたち・・・」


生徒 「マリナ!!やめなって」


生徒 「とりあえず今日は終わりにしよう?」


生徒 「うん、それがいいよ」


部員は解散した。






マリナ先輩 「ごめん、私・・・」


生徒 「気持ちはすごく分かるよ。」


生徒 「ミカちゃん大丈夫だといいけど」


マリナ先輩 「うん・・・私も保健室行ってくるね」


生徒 「うん、またね!」













―保健室


ミカ 「・・・あ。」


マリナ先輩 「ミカちゃん・・・!」


―保健室にはすでに、翔たちも集まっていた。


マリナ先輩 「みんな・・・」


翔 「・・・。」


タクヤ 「マリナ、大変だったな」


マリナ先輩 「いや・・・それより私の不注意のせいで・・・本当に・・・」


ツバサ 「自分を責めないでください!一緒に組んだ人たちが悪いんだ・・・」


ジョニー 「なぁ、先生。本当に大丈夫なのか?」


保健室の先生 「えぇ・・・幸い、大きなケガにはなっていないようだし・・・」


ミカ 「それに、頭も打ってないから大丈夫だよ!」


翔 「ちゃんと休んでくれよ!」


マリナ先輩 「・・・。」


ミカ 「うん・・・でも、先輩」


マリナ先輩 「ん?」





ミカ 「私、チア部入ります」


みんな 「えええええ!?」


保健室の先生 「ちょ、ちょっと静かにしてね~」


翔 「すんません」


光 「でも・・・本気かYO!?」


ミカ 「うん」


ジョニー 「ミカ、頭本当に打ってないよな・・・?」


ミカ 「打ってないって(笑)」


マリナ先輩 「ど、どうして・・・?」


ミカ 「このままじゃ悔しいから、です」


タクヤ 「悔しい・・・?」


ミカ 「うん。これでもチア部に入って、しがみつきながら見返したいと思って」


翔 「ミカ・・・!」


マリナ先輩 「ミカちゃん・・・」


ジョニー 「チア以外で見返すことだってできるだろ?俺たちのバンド活動でも、趣味のことだっていい。」


ミカ 「うん、そうだけど・・・あの人たちとあえて関わっていかなくちゃ、根本的に解決しないと思って」






―そう。

直接向き合わなければ、また逃げたことになる。

もう私は逃げないと決めた。





翔 「ミカ・・・」


ミカ 「安心して!もちろんバンドもしっかりやるし、両立するから」


タクヤ 「反対はしないがな」


ミカ 「ん?」


タクヤ 「なぁ、みんな?」


翔 「・・・確かに、ミカがそう決めたら、俺たちは支えていくだけだな」


ジョニー 「ああ。だが無理しすぎるなよ?」


マリナ先輩 「私もこれからはちゃんと一緒にいるから!」


光 「とりあえず今は休んでNA~」


ミカ 「みんな・・・ありがとう!!」


翔 「・・・ったく、俺たち毎日色々ありすぎじゃねぇか?」


ツバサ 「はは、ホントだね」


マリナ先輩 「それが楽しいのかも?」


ジョニー 「まだまだこれからだろ?」


ミカ 「そうだねっ」




―そうだ。こんなことで止まっていられない。

みんながいれば、私は乗り越えられるから。


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