第六話[勇気]
―次の日・・・
キーンコーンカーンコーン・・・
生徒 「・・・おい、来たぞ」
生徒 「おー」
ミカたちはいつも以上に周りの生徒の視線を感じた。
ミカ 「・・・。」
なるべく周りを見ずに、鞄を机の上に置いて着席した。
ミカ (平常心、平常心。いつも通りにしたほうがいいよね。)
ドンっ!!
ミカ 「!」
生徒 「ねぇー昨日のことなんだけどさぁ」
一人の生徒が、前の机に座って足を目の前に置いた。
ミカ 「な・・・何かな・・・」
翔 「おい、俺の席なんだけど」
生徒 「お前たち本当にやばいんじゃね?」
翔 「は?」
生徒 「昨日の事、もう忘れたの?人のことケガさせといてさー」
生徒 「うっわありえねー」
翔 「誰が怪我したって?」
生徒 「昨日ので何人か保健室送りにしたんだろーが!!」
生徒 「アタシも怪我したぁ~どうしてくれんのー??」
翔 「あ?」
ジョニー 「むしろ保健室に行ったのはミカのほうだが?」
生徒 「学校中で問題になってんだよ。おまえら退学になるかもな」
ミカ 「えっ・・・!?」
ツバサ 「ちょっと待って。みんなは、周りで見ながら騒いでただけだよね??」
光 「そうだYO~!実際は翔とジョニーだけのケンカだったはずだ~!」
ミカ (本当はケガしてないのに、この人たち、ケガしたフリしてるだけなんじゃ・・・)
生徒 「ま、あくまでも警告だ。これ以上調子乗ると本当に退学になるかもしれないから、
気をつけろよ!」
生徒 「あははーこの間来たばっかりなのに、もう退学とかウケんだけどー!!」
生徒 「しかも先輩使うとか甘えてるよね~」
翔 「おい!!」
ミカ 「翔!!・・・放っておこう。相手にしないほうがマシだよ」
生徒 「お、なんか強くなったんじゃね」
生徒 「つーかむしろ逃げてるだけっしょ」
翔 「・・・。」
ミカは黙って、暇つぶし用の小説を開いて、本を読む姿勢をとった。
先生が来て、ホームルームを始めるまでは、こうして耐えるしかない。
時が経てば、放課後になる。
ミカ (・・・でも、それで根本的な問題は解決するの?)
―放課後・・・
マリナ先輩 「ミカちゃん!お疲れ様!」
ミカ 「あ・・・先輩!お疲れ様です!」
マリナ先輩 「よかったらみんなで帰らない?お兄ちゃんもいるし♪」
ミカ 「あ・・・はい!」
翔 「いやーしかし今日もアイツらしつこかったなー」
ミカ 「うん・・・」
タクヤ 「またか??懲りないな・・・」
ツバサ 「昨日のことでさらに騒がしくなっちゃったよー」
ジョニー 「・・・本当にすまない、俺と翔があんなに騒ぎ立てなければ・・・」
ミカ 「ううん、もう無視しよう?」
マリナ先輩 「・・・ねぇ、ミカちゃんって部活やってないよね?」
ミカ 「あ、はい。」
マリナ先輩 「じゃ、チア部に入らない?」
ミカ 「・・・え!?」
マリナ先輩 「チアリーディング!!」
ミカ 「えーーー!!」
タクヤ 「おい、いきなりかよ!ミカがチアなんて・・・」
マリナ先輩 「私だって昨日、いきなりのお願いをOKしたけど?」
ミカ 「そ・・・それはそうですけど・・・でも、チア部ってうちの高校で一番怖そうな
イメージなんですけど・・・」
マリナ先輩 「だから入るのよ☆」
翔 「先輩!いくらなんでもそれは・・・徐々にいかないとヤバイっすよ!」
ツバサ 「そーだよ!余計に嫌になっちゃうんじゃ・・・?」
ミカ 「・・・それに、バンドもあるし・・・」
マリナ先輩 「あら、私だってそうだけど?」
ミカ 「・・・え、先輩、チア部なんですか?」
マリナ先輩 「うん。両立するつもりだけどね!」
ミカ 「・・・え!!チア部って忙しいですよね!?毎日練習してる気が・・・」
光 「むしろ今日は放課後練習ないのかYO」
マリナ先輩 「今日は部長会議だからね」
ミカ 「チア・・・」
マリナ先輩 「いきなり入部はさすがにきついと思うから、とりあえず見学に来ない?今、ちょうど新入部員が多い時期だし」
ミカ 「見学なら・・・まぁ・・・」
マリナ先輩 「よし!じゃあ決まりね☆」
ミカ 「それっていつなんですか?」
マリナ先輩 「見学??明日☆」
ミカ 「明日―!!??い、いきなりすぎます!」
マリナ先輩 「いつかは行くんだから♪それに、いつまでも逃げてちゃいけないでしょ?」
ミカ (・・・お見通しですね・・・)
―家
翔 「じゃ、今日も練習~!」
ツバサ 「翔、ここなんだけどさ~」
翔 「ん?」
ミカ (はぁ・・・気が重い・・・)
ミカは鉛筆を片手に、膝を抱えて楽譜と向き合っていた。
タクヤ 「・・・おい、本当に大丈夫なのか?」
マリナ先輩 「・・・ま、信じてみなさいって。」
タクヤ 「アイツは本当に人見知りなんだぞ、ましてやチアなんて!」
マリナ先輩 「でも、やってみなきゃ分からないでしょ?」
タクヤ 「・・・まぁ・・・頼むぞ、本当に」
マリナ先輩 「うん!」
タクヤは、マリナのやけに張り切った顔を見て、逆に不安になるのだった。




