第三話 [衝撃]
― 次の日・・・
ミカ (あ、今日は土曜日だからお休みか。でも、みんなの朝食作ろっと。)
トントン・・・
ミカは慣れた手つきで野菜を切る。
翔 「ふあぁ~っ。お、ミカ。」
ミカ 「あ、翔さん。おはよう」
翔 「おはよう・・・毎日飯作ってくれてありがとな。助かるぜ。」
ミカ 「いや・・・私にできるのはこのくらいだから・・・。家族が別の家にいるんだ。」
翔 「え?ひとり暮らし・・・ってことか?」
ミカ 「うん。だから家事は得意なの。」
翔 「な、何で独りなんだ!?寂しくないのか?」
ミカ 「うん・・・寂しいよ」
翔 「・・・。」
ミカ 「でも、だからこそみんなに会えてよかった」
翔 「ミカ・・・。」
ミカ 「ごめん、朝からこんな話。暗いよね」
翔 「いや・・・俺たちも一緒にいるから。」
ミカ 「うん。ありがと」
― 三十分後・・・
みんな 「ごちそうさま~」
ツバサ 「僕がお皿洗うから、ミカは曲作り頑張ってね☆」
ミカ 「ありがと!頑張るね!」
ジョニー 「俺は散歩してくるな。」
光 「俺も外行ってくるYO!」
翔 「おう。行ってらっしゃい」
― 一時間後・・・
翔 「どう?調子は。」
ミカ 「うん、いい感じだよー!」
翔 「じゃあ、休憩しようぜ」
ミカ 「うん」
翔 「どこか出かけようか?」
ミカ (え・・・!?出かけるって、もしかして二人で・・・??)
翔 「・・・嫌か?」
ミカ 「え?・・・あ、ううん!行こう!」
翔 「良かった。」
ミカ 「じゃあ、その・・・準備してくるね」
翔 「ん。」
― ミカの部屋
ミカ (まさか二人で出かけるなんて・・・!これってもしかして・・・デート?・・・いや、そんなこと考えてないで準備しなくちゃ!何着ればいいんだろう!?)
― 十分後・・・
翔 「ミカ、ゲーセン行こうぜ」
ミカ 「ゲーセン?私あんまり行ったことないから分からないかも」
翔 「マジか。まぁ行けば分かるさ」
ミカ 「う、うん」
― ゲームセンター
翔 「よし。着いた~」
クレーンゲームの音。メダルのジャラジャラ鳴る音。店員さんがカランカランとベルを鳴らす音。
とても騒がしい。ミカは圧倒された。
ミカ 「わぁ・・・」
翔 「お、これ取れそうじゃね?」
チャリーン・・・
ガガガ・・・ピロロ・・・
ミカ 「おっ!?」
ポテっ
翔はクレーンゲームでギターのクッションを取った。
ミカ 「すごいー!」
翔 「へへ。記念にやるよ」
ミカ 「いいの?」
翔 「ああ。ほら。」
ミカ 「ありがとう・・・!」
ミカはドキドキした。
翔 「さ~て、次は何しようかな・・・」
ミカ 「あ・・・」
翔 「ん?」
ミカ 「なんか、高校生がたくさんいるね」
翔 「そんなに珍しくないぜ。結構みんなここで遊んでるし、それに俺たちだって高校生だろ?」
ミカ 「そうだよね」
なにやらガラの悪そうな高校生がこちらを見ている。
高校生 「おーい。お姉さん、俺たちと遊ばないー?」
翔 「・・・。」
ミカ 「え、あの・・・」
翔 「ミカ、無視しろ無視」
ミカ 「うん・・・」
高校生 「おい、来いよ」
グイっ
ミカ 「わっ」
翔 「おい。てめぇなにしてんだよ」
高校生 「何って・・・ナンパだけど?」
翔 「あ?俺が見えねぇのか?」
高校生 「お前カンケーあんの?何なの?彼氏?」
店員 「あのーほかのお客様のご迷惑になるので、やめていただけませんか?」
高校生 「うるせぇな。どうでもいいんだよ他の奴なんか。俺は今こいつと話してんだ」
ミカ 「あの!!そんなこと・・・言っちゃダメです!」
高校生 「あ?」
ミカ 「他の人たち・・・みんなおびえてます・・・やめましょう?」
高校生 「いいから来いよ、ほら!」
ドカっ!!!
高校生 「ってー・・・」
翔 「ミカ、逃げるぞ!」
ミカ 「え!?」
翔 「早く!」
翔はミカの手をとって駆け出した。
―三十分後・・・
ジョニー 「はぁ!?何だその高校生。」
ツバサ 「そんなことがあったなんて・・・」
光 「ミカ大丈夫?」
ミカ 「うん、大丈夫だよ。ケガもないし」
ツバサ 「よかった~。ちょっと部屋で休んできたら?」
ミカ 「うん、そうするね」
― ミカの部屋・・・
ミカ (はー・・・疲れた。すごく怖かったけど、翔さんが守ってくれて本当に良かった。それに、なんか翔さんカッコよかったな・・・)
翔 「ミカ!」
ミカ 「わっ!」
翔 「なんだよ~ノックしたぜっ。」
ミカ 「ご、ごめん!聞こえなかった」
翔 「お茶持ってきたから、飲んで。」
ミカ 「あ、ありがと」
翔 「大丈夫か?ガラの悪い高校生たちだったな。」
ミカ 「うん・・・ごめんね」
翔 「なんで謝るの?」
ミカ 「なんか、いつも守ってもらっちゃって・・・」
翔 「んなの当たり前だ。ミカは同じバンドの仲間だし、守ると決めたからな。」
ミカ 「うん・・・」
翔 「ミカさ、なんで俺がお前をバンドに入れたか分かる?なんでここに連れてきたのか」
ミカ 「えっ・・・?」
翔 「なんで守りたいと思ったのか」
ミカ 「私が・・・『変わりたい』って言ったから・・・?それで入れてくれたんじゃないの?」
翔 「それもあるけどな・・・お前のことが好きだから。」
ミカ 「・・・え???」
コンコン
ツバサ 「翔いる??ちょっと来てほしいんだけど」
翔 「あ、おう。今行くよ。」
ミカ 「・・・。」
翔 「ごめん、じゃ」
ミカ 「えっ」
ガチャン
ミカ (今・・・す・・・『好き』って言った・・・!?)
ミカは予想外の展開にドキドキしている。
ミカ 「も、もう寝よう!そんなはずがない!忘れよ・・・」




