表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エモーションハンター  作者: むぺぺ
5/14

EBOL

「お前は……」


拳を受け止めた相手の顔を見て驚く慎太郎。目をつぶって今の状況を整理しようとする慎太郎。これは、慎太郎の癖だ。状況が整理できたのか目を開ける。


「なんで、お前ががここにいるんだ?」

 

今の状況を理解した結果なのか、初対面ではない物言いをする慎太郎。


「なんだ、覚えててくれたんですね……」


そう言って美里と背の高さが変わらない小柄の男は、慎太郎が覚えててくれたことに少し照れ臭そうにしている。どうやら相手も慎太郎ことを知っているようだ。二人の間には、二人だけの時間が流れる。その状況についていけない翼と美里。


「え、え、どういうこと?」


そんな二人を見て美里はあたふたしている。


「ねぇ、ツバ君どういうこと?」

 

隣にいた翼に助けを求める美里。


「う~ん? ほっといても大丈夫だと思うよ、美里」


「えっ、でも……」


二人の姿を見つめる翼。


「慎太郎が俺たち以外に、あそこまで他人に近づいているの初めて見たな」


「そういえば、そうだね……」



慎太郎は家庭の事情で一人暮らしをしている。詳しい理由は、翼と美里も知らない。だからと言って、翼と美里は慎太郎の家族の事については触れようとしない。だからこそ、翼は慎太郎が自分達以外にコミュニケーションをとっているのは例えそれが些細な事でも気になった


「慎太郎、そろそろどいうことか教えてくれ」


翼が二人の時間に割って入る。


「あぁ、そうだな。こいつは…… おい、ちょっと離れろ」


 掴みあっていた相手を自分から離す。


「おい、俺の友達に自己紹介しろ清継」


慎太郎が翼、美里の方に指をさす。慎太郎の言葉に何か違和感を覚えたのか一瞬反応する『清継』と呼ばれる男。


『ん?』


翼はそんな動きに違和感を感じた。


『清継』と呼ばれてる男は翼と美里の二人に向き合った。そして胸に手をあて


「私の名前は、『両間 清継』です。刃時家と両間家は昔からの付き合いで、慎太郎君とは小さいころから知り合いなのです」


「そうだったんですね。私の名前は澤井 美里です。よろしくお願いします。それで私の隣にいるのは……」


「翼だ、よろしくな」


「はい!よろしくお願いします」


そう言って、清継は握手を求める。翼は、少し恥ずかしそうに手を取る。


「はぁ~相変わらず堅苦しいやつだな」


慎太郎が見ていた自己紹介の感想を述べる。


「慎太郎君がチャラチャラしているだけだとおもいますよ。もう少し名門家の自覚を……」


と言いかけた清継だったが慎太郎の顔をちらっと見て途中で止めた。


「そういえばみなさんが、ここにいるということはここのクラスなんですか?」


「そうよ!清継君も?」


「はい!お知り合いの人がいなくて心配していたけどみなさんと出会えてよかったです」


無邪気な笑顔で答える清継。


『はぁ~かわいい!』

 

そんな清継を見て美里が、目を輝かせる。


「ね、キヨちゃんって呼んでいい?」


いきなり美里に顔を近づけられ少しびっくりする清継。


「はい、いいですよ……」


「やった! じゃ、呼ぶから返事してね。キヨちゃん!」


「はい!」


『か、かわいい』

 

抱きしめようとする美里。


「おい、やめろ」


――いた!――


翼に頭をしばかれた美里。


「な、なにするのツバちゃん!」


「お前、今変なことを考えてただろ」


翼に心を読まれドキッ、とする美里


「そ、そんなことないよ……」

 

美里が、目線をそらす。


「あっ、今目線そらしただろ!」


さらに追求する翼。


『あれが慎太郎君が言っていたお友達か、いったいどうやって慎太郎君を変えたんだろ?』


清継は、二人を見ている。


「あはは、面白いやつらだろ」


慎太郎が笑う。


「えぇ、とてもなので優しそうな方々ですね」


清継も笑顔で答えた。


「さ、みんな座ってくれ~!」

 

教室全てに声が響き渡る。その声に反応してみんな席につく。それを見て翼たちも席に着いた。


「え~ このクラスの担任を務める『大塚(おおつか) 拓真(たくま)』だ。この学園では、卒業するまで担任が変わることないので俺がずっとこのクラスの担任になる。よろしくな」


「よろしくお願いします」


大塚先生のあいさつに何人かの生徒が返した。


「まず、初めにこの学園のエモーションハンター育成のカリキュラムに従って『EBOL』を決めてもらう」


「『EBOL』って何ですか?」


一人の女の生徒が手を上げ質問する。


「知らないやつもいるみたいだから説明しとく。まず、エモーションハンターは、プロと言われるハンターでもペアで任務をこなす。まぁ、一部例外もいるがな。そのペアの事を『EBOL』というんだ。一般的にそのペアはプロになってから組むのだが、この清心学園では初めから『EBOL』を組んでもらうことになっている」


大塚先生が教科書に書いてあることを簡単に説明した。


「そのペアはどうやって決めるのですか?」

 

生徒たちは学園で『EBOL』を組むということを知り、ペアを知りたい生徒たちが大塚先生に質問をなげかける。


「その『EBOL』は、もう決まっている。今隣にいるやつがこれからのペアだ!」

 

大塚先生は両手を広げ生徒たちに質問の答えを出した。その答えを聞くと生徒たちが一斉に隣を振りむいた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ