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とある貴族の人形遣い (仮)  作者: 涼坂 九羅
3章 焔とともに幕が開く
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37話 一般メイドの苦笑いを浮かべるしか無い事実

 名前だけの人となりつつある星見さんのお話です。

 一応、企画段階ではメインの一人だったのに何故…

 

「え、誰それ?」と思う方は、ぜひ、読み返してみてください♪


 ◯ォーリーを探せ、ならぬ、星見さんを探せになると思います。

 星見櫻子は、何の変哲の無い平民の家系に産まれた。

 平凡な家庭だと思う。

 

 父は元軍人で、身体が大きくみんなに頼りにされている。酒癖が悪く母によく怒られてる。退役後は、実家のある田舎で果物を作ってる。

 母は父より元気だ、今日も勇ましく父を叱りつけているに違いない。

 兄は、そんな父の背中を追いかけて軍に入隊した。今頃、何をやっているのだろうか?

 妹は元気だろうか? 今年で10歳になるが…もうちょっと大人しくなってて欲しい…

 

 幼い頃に父は自分の立った戦場の話をよくしてくれた。

 父の仕事はテロ行為や反乱分子の鎮圧が主な任務だったらしく、戦場では中隊の指揮をしていたらしい。

 流れ弾で右目を負傷し、それが原因で除隊さえしなければ、もっと上まで行けたと自慢していた。わたしは本人の自慢話しか聴いてないし、軍のことも解らないから微妙だけど、多分、半分はホラだと思う。

 

 父によると、クーデターの原因は大戦後の領地問題や軍の対応への不満などが根底にあるらしい。今も世界中で領土を巡る戦いが起こっているのだという。

 しかし、櫻子には関係のないことだった。海の向こうの出来事になど興味はなかった。


 しかし櫻子にとってラッキーだったのは。

 昔、父が軍隊に所属しているとき、ちょっとしたことで知り合いになった、月村王雅様が、これから産まれる息子の屋敷でメイドとして働かないか? と、誘ってくれたことだ。

 彼女は都会に出たいと考えていたし、当時、思春期だったということもあり、早く独り立ちしたいという思あった。

 つーか、産まれて初めて父に感謝した。

 二つ返事で了承した彼女に、その父はニヤニヤ笑いながら…


『まぁ、赤ん坊を誑し込んでこいや。

 あと、まぁ、死ぬなよ? 母ちゃんが泣くからな』


 と、下卑た笑みを浮かべ言ったのだ。

 彼女は、そのとき『誰が赤ん坊なんかを誑し込むか!! それと、勝手に殺すな!!』と返したそうだが…彼女が父の言葉の真意を知るのは、月村の屋敷で働き出して少ししてからのことだった。



 櫻子はその子供が好きにはなれなかった。

 そのことに関して櫻子は上手く説明する事が出来ない。

 なんか違和感がしたのだ。


 そのことに関して、アリサさんに聞いた事がある。


『はい、マスターは特別ですから』


 しかし、そう答えてるだけだった。

 

(なによ、特別って。そりゃ、どういう意味よ?)


 メイド長に聞いても同じ様な答えだったので、釈然としないながらも納得する事にした。

 櫻子の関心がレイジに然程なかったというのもあるし、当時の櫻子はが、月村家で働き出す様になってから知った七大貴族のイケメン達に夢中だったのもある。


 ちなみに彼女のお気に入りは、一歳年下の日恵野静である。無論、その本性を彼女は知らない。


 彼女最大のピンチは、屋敷で働くメイドのドール達を狙ったあの強盗事件である。

 結果だけいうと、そのとき彼女は屋敷に侵入した賊に捕まったのだが…

 元軍人を父に持つ彼女は護身術の心得があり、賊共では相手にならない筈だった。他にも数名、賊を倒すことの出来た人間のメイドも居たが、それらも結果だけをみれば捕らえられていた。

 彼女達はどうして捕らえられたのか?

 イレギュラーが居たからだ。


 あのとき屋敷には3名の賊が居た。

 しかし、3名の賊以外に確かに居たのだ。

 それは、彼女が一番良く知ってる。

 自分が倒された相手だからだ。

 

 今でもよく思いだせる。

 鳥の面をつけた異形の侵入者を…

 果たして、アレは何だったのか今でもよく解っていない。


 その後、彼女は同じ轍を踏まぬ様に、月村のメイドとして(本心は、自分が殺されない為に)、警戒を怠っていなかったつもりだったのだが…

 それをいとも簡単に気絶させた男が居る。

 その男と一緒に生活しているのが釈然としない今日この頃である。



「いや、星見さんの淹れてくれる珈琲は美味しいですね。身に染みます」


 2日前の、あの誘拐事件で、レイジ様とアリサさんが、サヤカちゃんを連れ戻してくれた後、何食わぬ顔で美夜子様の後ろを歩くコイツをわたしは警戒心剥き出しで迎え入れたものだ。

 その後、美夜子様の客人としてこの屋敷に住み着いたこの男…名前を赤城というらしいが…わたしのことなど忘れているのか、自分に充てがわれた一室に珈琲を運んで来てくれと要求してきやがった…

 

 何様だコイツ!?

 お前のせいでタンコブで来たんだぞ、コラ!! 舐めてんのか、あぁん?


 と、内心を外に出さない辺り…最近、メイドが板について来たのかもしれない。

 悲しいかなだ…

 

「それは…ナニヨリデスネ、アリガトウゴザイマス」


 つい、棒読みになってしまった。仕方ない。内心、ブチ切れ寸前なのだ。

 平常心、平常心…警戒さえ怠らなければ大丈夫。次、なにか仕出かそうとしたら、容赦なく潰せば大丈夫。


 わたしはまだ、コイツのことを信用した訳では無い。

 馬車が運転出来ると言う理由だけで、この三日月家邸宅までレイジ様に付いて来てしまったわたしではあるが、高い給金を頂いている以上、レイジ様の身の安全を守る必要がある。

 しかし、なんだろう?

 後ろから呑気な声が聞こえて来た。


「おはよう、赤城さん。星見さんも、おはようございます。

 きょうも、いいてんきだねっ!!」


 可愛らしい、猫を被った様な声が響き振り返ると。

 そこに居たのは、わたしがその身を案じてならない金蔓…月村家ご子息のレイジ様だった。

 そのあからさまに猫を被った口調は治した方が良いと思うけども…大事なお方だ。マジで。

 なんで!? なんで、このお方がここに来るのよ!?


 レイジ様の後ろには、キラーパペットのポチが控えていた。

 ポチはわたしの顔を見ると、申し訳無さそうに口を開く…


「おう、ワリィな、星見の嬢ちゃん。

 少し、席を外しててくんねーか?」


「ああー、えーと、解りました。失礼します」


 星見櫻子は、この屋敷で働く様になってなれない事が2つある。


 1つは我が主レイジ様の、猫を被った様な口調。鳥肌が立つ。

 もう1つは、うん、まぁ、仕方ないのだけども…職務上ポチの方が上司になるという、この行き場の無い気持ち…


 アリサさんはいいんだけどなー

 星見さんは苦笑いを浮かべつつ、部屋を後にした。

 月村家で働く以上、人形の部下になることは覚悟してたが…

 なんだかなーー

 次回から、レイジ君復活予定です…

 さーて、頑張るぞ!!


 星見さんの話ですが。

 彼女の父親は、軍の中ではソコソコ有名な人物。

 確かに、テロ行為や反乱分子の鎮圧が主な仕事をしていましたが、実際は『未然に防ぐ』ことが任務でした。公安に関わる所ですね…

 因みに、階級は中尉でした。


 彼女が月村のメイドになれたのは。

 彼女の父が軍に居た時に、護衛対象だったレイジのパパと、『愛妻家』という共通点で意気投合したのが切っ掛けです。

 それから、息子を守れる信頼できる人物を探していたレイジパパに、星見さんが紹介されたという経緯があります。

 無論、そのことを星見さんは知りません。


 本編で語る事の無い…現在、予定の無い…設定です。

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