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とある貴族の人形遣い (仮)  作者: 涼坂 九羅
2章 月村の家伝
29/37

29話 人形遣いは落とされるか?

 ちょっと長めです…

 さらに苦手な戦闘描写…頑張ろ…


 もうちょっと夜守戦続きます♪

 もう少し、お付き合い下さい!!

 アリサは扉を一瞥すると、何の躊躇も無く『アリサ・ボム』を放った。

 爆散する扉…アリサは俺とポチを抱え、その煙の中に飛び込んだ…


 …今更だが、何処のアクション映画だよ…俺は◯ルース・◯ィルスでも、ト◯・クルー◯でも無いんだぞ!…あの人達が出る映画は大好きだったけどな!!


 部屋に飛び込むと、そこには十数体の甲冑に取り囲まれるサヤカと黒尽くめ(赤城)。

 …甲冑共はパペットワークで動いているのだろうか?…だとしたら術者は…愉快に歪んだ笑みを浮かべる男、おそらくアレが、夜守だろう…


 夜守は甲冑共に囲まれる様にして立ち、俺達に視線を向けると。

 その火傷…いや、狂気に歪んだ笑みを崩した…顔を引き攣らせ、頭を掻きむしりながら俺達に叫ぶ。


「…先程から五月蝿いとは思っていましたが…

 あなた方は、誰の許しを得てこの屋敷に入って来ているのですかっ!!

 ここは、私と『サヤカ』の屋敷なのですっ!


 私の許可無く…屋敷に入って来て…あなた方には、他人の家に無断で入ってはならないという、そんな当たり前の常識も無いのですか?」


 何を言っているのだ、コイツ…

 お前が常識を解くなよ…

 呆れて声が出ない…


 アリサが前に進み出た…


「外道が…口を慎みなさい…

 こちらにおわす御方を何方と心得ます、

 恐れ多きも月村家長女・月村美夜子様の御長男で有らせられる、我がマスター、月村レイジ様ですよ?


 大旦那様の最高傑作である私の存在が何よりの証拠です。


 貴様も上級貴族なら…美夜子様と親しかったお方なら、噂くらい聞いたことがあるのではないですか?」


 ここで母様の名前が出て来るのも驚きだが…

 アリサさん…俺は何処の副将軍ですか?


 アリサさんの目は鋭く殺気を纏わせ、男を睨みつける…

 アリサの感情の一端が俺に流れ込んで来た『怒り』…前、賊が入り込んだ時も感じた感覚だ…


 甲冑共は男の指示を待っているのか、

 半分はサヤカと赤城に武器を向け、

 もう半分は俺達に武器を向けている…


 夜守は一度、大きく目を見開き、その後、遠い目をして俺を見つめる、

 先程までの狂気を孕んだ瞳が嘘の様に、まるで慈しむような、懐かしむ様な視線だった。

 しかし、それも次の瞬間には狂気に染め上げられる…いや、加虐的なものが増した気がした…


「ああ、そのガキが美夜子の…

 あの牝狐の息子ですか?……」


 顔に笑みを浮かべると、男は俺を指差し言い放った。


「しかし、いいのですかな?

 例え七大貴族の御子息といえ、私の様な上級貴族の屋敷に押し入るなど…」


「この期に及んで何を言ってやがる!!!」


 俺は声を荒げていた。

 俺達は見たのだ、裏口の壁で目を刳り貫かれた女の子を、裏口に重ねられた遺体を…

 なのに、この男は…


「お前は犯罪者だっ!!! それも最悪のな!!」


 男は卑下た笑みを浮かべた…


「…はて?

 私には何のことが解りませんが?

『我が屋敷』の『外』に何か落ちていたのですかな?

 私は解りませんが…」


…本当にこの男は何を言って居やがる…

 それ、解って言っている口調だろう!!

 しらばっくれるなよ、現に今、サヤカを殺そうと…


 俺はサヤカに目を向けると、

 サヤカは男に殺意を孕んだ瞳を向けていた、

 ついでに居る赤城は俺の視線に気付き笑ってみせた…この男、本当に何者だ?…


 夜守も俺の視線に気付き、なにか思いだしたかの様に声を出す…


「…ああ、『アレ』ですか…

『あの二人』はですね、我が屋敷に忍び込んだ賊です…


 レイジ様の御手を煩わせずとも、私が片付けます故、ご安心を…

 全く、物騒な世の中になりましたな」


…キレた、何かがキレた…

 この国の法律では、男が宣う馬鹿げた自己弁護でも、罪にも問われないだろう…

 何分、俺を怒らしたのは、サヤカを『賊』と言ったことだ…どっちが賊だ!!


 俺が声を上げようとしたのを、アリサは手で制して止めた。


 アリサの怒気が増した気がする…


「…よく聞け外道、『義』は我がマスターにあるのですよ?

 このままでは、

 賊を擁護し、場合によっては隠避させた罪に貴様も問われるが…宜しいか?」


 男は何を言っているのか解らないという顔でアリサを見る。


「…頭の回転も遅い男ですね…


 そこの黒尽くめは、月村の屋敷に押し入り、当家の『使用人』を誘拐した『賊』なのです。

 我がマスターは、勇敢にも『使用人』を助け出すため、すぐに『賊』を追いかけました…


 そして、そこの『賊』を追いつめて行った所…貴様の屋敷に逃げ込んだのです」


 冷たく平淡で、それでいて有無を言わせぬ声色…

 男の顔は途端に引き攣りだした…


「早急に、そこの『賊』と『使用人』を我々に引き渡さない場合…どうなるかは解りますか?


…貴様も言った様に、最近物騒になってきた様ですね?

 我々は『偶然』にも、この屋敷の『直ぐ近く』で、瀕死の重傷を負った少女と、哀れにも非道な悪鬼に命を奪われた少女の遺体を3体…発見しております


 ここからは、『もしも』ですが…この屋敷から、『証拠』が見つかった場合…

 言い逃れは叶いませんよ?」


 徐々に顔から余裕を消した男は、アリサの言葉を遮り、声を荒げた。


「…あああああああ、読めました、全て読めましたあああ

 アイツは、全く、したたかな女ですねぇえええええ!!!!!!!」


 なんだ!?

 コイツ、誰に八つ当たりしてるんだ!?


 ポチが俺の前に出て、ナイフを抜く…

 アリサは、何処からとも無く双剣を取り出し構える…


「いいです、いいです、いいです………

 …そう言えば、そこのガキは、まだ居ないことになっていましたね?」


 俺の存在は、『正式』には未だ公表されていないらしい…


 男の魔力が増幅するのと、甲冑共が襲いかかって来たのは同時だった。



 マスターに向かって来る甲冑共…サヤカさんの方に向かっているのも含めれば12体ですか…

 サヤカさんの方は、あの黒尽くめにどうにかして貰いましょう…

 ポチは…既に消えてますね…それでいいです。


 マスターも御強くなられました、この程度の『人形』に遅れは取ら無い程に・・・

 本当に御強くなられました…


 アリサ・ブレードに魔力を乗せます、

 試したことは無いですが、試してみましょうか?


 一体が私に向け、『ウォーハンマー』を振り上げます。

 それを加速機能を用いて避け、すれ違い様に胴に剣を振るいました…


 甲冑は胴体で両断され、床に鉄の落ちる音が木霊する。

 残り11…


 数ではありませんが、面倒です…サヤカさんが私の後ろに居れば、持って来た『アレ』を遺憾無く発揮できるのですが…


 黒尽くめの方を見ます、彼はこちらを見ると困った様な顔をしました…

 もう、只の『賊』では無いことは理解しています。

 この男にしても、四水にしても、何かしらの『思惑』のある第三者に動かされているのでしょう。


 何処の誰が差し向けたのかは解りませんが、少なくとも敵ではない様です。


 ふと、マスターの声が私に届きました。


(俺があの二人を連れて来る…だから、アリサは出来るだけ敵を引き付けてくれ)


 マスターのしたいことを理解しました。

 この部屋の天井は高く、問題は無いでしょう…ただ…


 甲冑の攻撃を飛び回りながら躱すマスター…

 三体の甲冑を相手に、捕まること無く翻弄する姿は流石です。

 しかし、マスターには『攻撃手段』が無いので避け回るだけ…


 仕方ありません。

 私の加速をもってしても、二人を救助することは困難でしょう。

 しかし、レイジ様なら二人を救助出来る筈です。

 それに……


 私は、加速でマスターの近くに居た甲冑に近付き、その胴を切り裂きました…後、10体。



 アリサが隙を作ってくれた御陰で飛ぶことが出来た。

 天井に魔糸を付着させ、ターザンの様に反対側へと飛ぶ…

 甲冑が槍を突き上げて来たが、当たらない…


 そして無事に着地…受け身は完璧…


 そこでは、黒尽くめがサヤカを庇いながら戦っていた。


 甲冑の攻撃を防ぎながら、黒尽くめが俺を見る。


「おや、王子様のご登場ですか…」


「レイジっ!!」


 二人の視線が俺に集まる…

 一体、切り掛かって来たので、粘着性の高い魔糸を放ち動きを鈍らせ躱す…『いとをはく』かっ!!


 懐かしい技だな…

 俺は『いとをはく』しか出来ないから、緑色の芋虫型のモンスターだな…いや、アイツ『たいあたり』で来たじゃん…俺はアイツ以下なのか?


 …どうでもいいこと考えれる辺り、俺、実は余裕だな…


 雑念を払い、甲冑共を見据える。

 残り10体…


 俺と、黒尽くめと、サヤカは、取り囲まれる形だ…

 一度飛び移ったから、相手も警戒するだろう…


 現に夜守は、俺とサヤカを交互に忌々しそうな視線を向けている。

 

 アリサは警戒されたからか、甲冑共に銃を向けられている。

 そのせいか、防戦を強いられている気がするが…あれだけ撃たれて、一撃も喰らっていない辺り、流石だな…


 ポチとは感覚を共有している為、今何処に居て、何をするつもりなのか…手に取るように解っていた。

 勝負は一瞬で付くだろう…アリサの、アノ大荷物は使わなそうだ…


「サヤカ…それと、黒尽くめ!!

 俺に近付いてくれ、この場を離脱する!!」


 サヤカは直に俺の隣に来て、黒尽くめは敵を牽制しながら近付いて来る…


「流石に警戒されてますよ?

 私と彼女を連れて飛べますか?

 私なら人数に入れなくて大丈夫ですよ」


 赤城(黒尽くめは、もう止めた、コイツもいい奴かもしれんし)は俺に聞いて来る…

 一人なら飛べない、飛んでる最中に落とされる、だが、俺は俺の人形を信じてる。


「問題ない、赤城が居てくれないと困る

 あと、最悪、一撃は防いでくれ」


「…解りました…あの馬鹿は死刑ですね…」


 なにか呟いたか?

 まぁ、いい…


 サヤカが無言で俺の身体に抱きつき、俺達二人を赤城が抱きかかえる、俺は右手で天井に魔糸を飛ばし、一気に引張った…


 やはり、赤城とサヤカが捕まっているから身体に負担が掛かる。

 しかし、殆どいつも通りに飛べた…そして予定通りに、敵の関心が一斉に俺達へと向く…


 上から夜守を見る、俺達を仕留めたと確信した目…

 …しかしな、お前は一人忘れているぞ?


 円卓の下に隠れていたソイツは飛び出した。

 ナイフ片手に飛び上がる…

 夜守の関心が俺に向いている以上、甲冑達はソイツに反応出来なかった。


 夜守がソイツの存在に気付いたのは、ソイツがナイフを振り上げた瞬間…


「俺様みたいな、男前を忘れているようじゃぁ…器がしれるぜ? なぁ、三下ぁ?」


 振り下ろされたそれはナイフとは思えない威力…

 夜守の左腕は吹き飛んだ…


 そして、甲冑共の動きが止った様に見える。

 パペットワークで動かされている以上、術者の『手』を切り落とせば止まる。

 そう考えての行動だった…


 …止まる前、甲冑の一体が槍を放って来た…


 

 

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