23話 月下戦闘
苦手な戦闘描写です、
一層、暖かい目でお願いします!!!
「ポチ、マスターを連れてこの場を離れて下さい」
私が告げると直にマスターが反応しました。
「おい、アリサ一人で大丈夫なのか!?」(俺だけ逃げるとか、出来る訳ないだろ!!)
心と言葉が同時に伝わる、ああそうだ、マスターはこういうお方なのです・・・
私は振り向き、マスターに向けて言います。
「この侵入者、油断なりません
マスターの身を守りながら戦うのは無理そうです」
「おいおい、俺も随分と買い被られたもんだなぁー」
アリサの前に立つ武人は可笑しそうに笑う・・・その目は、やはり笑ってなかったが・・・
「すいませんが、マスターはここを離れ、サヤカさんと合流して下さい」
(確かに、アリサも心配だけど、サヤカも心配だ・・・俺はどうしたら・・・)
マスターの苦悩が私には分かる、『ドール』の身としたら、これほど辛いことは無い。
マスターは優しすぎるのだ・・・、私にはそれが辛かった。
「マスター、私は人形でありマスターの武器です
今は人間であるサヤカさんや、戦う力の無い星見さんを心配して下さい
私は、この男を片付け次第向かいます」
逡巡のあと、直にマスターは言い放った。
「分かった、アリサ、無茶するなよ!!」(直に助けに来るからな)
マスターとポチは、男が立つ廊下を使わない別ルートで、サヤカさんと星見さんの居る部屋に向いました。
私に助けなど要らないのに、本当にマスターは御優しい。
私は、マスターのことで気を取られることの無い用、伝達をOFFにします。
これで、マスターの心は聞こえ無くなる・・・少し寂しいですね・・・
私がここまでしなければならない程、目の前の男は不気味でした。
私とマスターが喋ってる間も、マスターとポチが離れて行った時も、この男は殺気1つ出さず興味ないと言わんばかりにマスターとポチを無視したのです、まるで眼中に無いかの様に。
男が向ける殺気の矛先は1つ・・・何故か、私なのです・・・
「やっと、離れてくれたかぁ
俺も、あれだからな、子供切るのは嫌だしなぁ・・・
コレで無駄な殺生をせずに済む」
「変なことを言いますね
マスターが狙いではないと?」
「アイツがアレだろ?
月村家が隠している、秘蔵っ子・・・
荒崎のヤツが言ってたの本当だったんだなぁ
まぁ、俺には関係ないがね・・・
・・・あれ、どうしたぁ、人形の姉ちゃん?」
私は驚きを隠せなかった、ここでその名前が出て来ますか・・・
男に問う・・・
「貴男の目的は何ですか?
それと、荒崎という男とはどういう関係ですか?」
「なんだよ、唐突に・・・
目的聞いて来るのは分かるが、なんで荒崎のことなんて聞くんだぁ?
・・・まぁ、別に良いけどさ・・・」
別にいいのでしょうか?
「聞いて驚け、俺の目的は人形の姉ちゃんの足止めだっ!!
後、荒崎とは同業者でたまに合うだけだぜ、それ以上でもそれ以下でもないね」
ペラペラと喋る・・・
私の足止めが目的とは・・・さっさと片付けますか・・・
いや、でも、
この男・・・聞けば何でも答えるのではないでしょうか?
「貴男の名前は何ですか?
後、仲間の人数は?」
「俺の名前は、四水 陣
相棒は一人で名前は、赤城だ!!」
本当にペラペラと喋ります、
四水と名乗った男は本当に馬鹿の様です。
その赤城と言う男が、侵入している可能性がありますね・・・
やはり、さっさと片付けましょう、マスターが心配です。
私は四水が喋っている隙に、武器内蔵機能で身体に隠してある『拳銃』を取り出す。
西欧から輸入したリボルバーで、通称は『ピースメーカー』・・・旦那様の技術で魔法的な改良がなされた、私の愛銃の一丁です。
この距離なら外すことは無いでしょう、ためらわず引き金を引きました・・・
暗闇に響き渡る銃声。
殺しはしません、聞きたい話がありますからね・・・狙ったのは足です・・・
私が銃を取り出した瞬間に反応した四水は、その『長い棒』・・・いや、『仕込み刀』を引き抜き刀身を露にしました。
居合いには向かないであろう長刀、それを一瞬で引き抜く所は、やはり武人・・・
抜刀された刀身は、私の放った弾丸を奇麗に両断しました・・・
驚きはしましたが、予想の範囲内です。
武人の中でも、飛んで来る弾丸を切れるとなると、かなりの手練・・・
生かして捕らえることは諦め、間髪入れずに発砲します。
この銃の装弾数は6発・・・その全てを、四水は切り裂いてみせました。
弾が切れたので拳銃を捨て。
次に取り出したのは、先程の拳銃同じく魔法加工が施された『散弾銃』です。
私専用に改造された魔導具で、そうですね・・・『アリサ・ショット』とでも名付けましょうか・・・
私が次の銃を取り出したのを見ると、四水は顔色を変えました。
「おいおいおい、人形の姉ちゃん・・・
んな、危ないもん何処から取り出してるんだ、おい!!」
叫びながら四水は刀を廊下に突き立てます。
私が引き金を引き、散弾を発射したのと、
四水が突き立てた刀を中心に闘気を爆発させたのは、ほぼ同時でした。
「風神暴風結界!!!」
四水が叫ぶと、四水の周囲に闘気で作られた風の防護壁がドーム状に広がりました・・・
小さい散弾の弾は風の壁に阻まれ、四水に届くこと無く吹き飛ばされます。
散弾銃でも駄目ですか・・・
そうなって来ると、手段は多くはなですね、私はマスターと合流しなければなりませんし・・・
銃を捨て、さらに身体に隠してある武器を取り出す。
双剣・・・『アリサ・ブレード』とでも名付けましょう・・・
それを取り出し、両手に持ちます・・・
『アリサ・ブレード』は、四水が持っている刀よりリーチは短いですが、私の魔力を乗せることの出来る魔導具です・・・試したことはありませんが、鉄板を紙の様に切れるとか・・・
風のドームが解除された瞬間、
加速機能を用い、一気に四水の近くまで接近します・・・
四水は驚いた様ですが、直に刀を引き抜き私に横薙ぎの一閃を放ちます・・・
加速をギリギリの所で解除し停止、目の前を刀が通り過ぎるのを見送り、また加速。
正確な太刀筋です、私があのままのスピードで四水に接近しよう者なら切られていたでしょう。
私は接近し双剣を切り上げました・・・
しかし、流石は手練・・・
四水は自分が空振りしたことに気付くと、刀を振るう遠心力に任せ、私の斬撃を回転しながら避けました。
標的を見失った私は、バランスを崩しながら倒れる様に見えた筈です・・・
しかし、それは『ありえません』・・・自動照準機能で常に四水を捕捉しているからです・・・
彼にとって、獲物が体勢を崩し、自分に背中を向けている絶好の攻撃機会だったでしょう・・・
しかし、私は『人形』です、舐めてもらっては困ります。
四水が刀を振り上げた瞬間に、首だけ後ろに回転。
次は、首を軸に身体を無理矢理回転、・・・その動きだけでも驚いた様ですが、まだです・・・
四水は丁度、私の真後ろに立ってました・・・今は、目の前ですが・・・丁度いい所に立ってます・・・
私は自分が作りだした魔糸を引っぱり、捨てた『銃』二丁を勢い良く引き寄せます・・・
無論、銃による射撃でこの男をどうこう出来るとは思いません・・・ただ、銃は撃つだけではなく、打つことだって出来るのです・・・
勢い良く引っ張られた『ピースメーカー』は宙を舞い、四水の右肩に激突しました。
右肩に走る激痛に四水は顔を歪めます・・・瞬時に状況を理解し、振り向いたことは賞賛しますが・・・今、振り向くとかなり痛いですよ? 振り向かなくても痛いですが・・・
振り向いた瞬間、四水の顔に『アリサ・ショット』が回転しながら直撃しました・・・
■
俺は、あまりの痛さに悶絶した・・・
鉄の塊が飛んで来たのだ、俺じゃなかったら死んでるぞ!?
「いってええええええええええええええええな、おっい!!!」
あまりの痛さに叫び声を上げちまった。
そのとき刀を落として顔を摩っちまった(鼻折れてないよな?)・・・
人形の姉ちゃんが俺の叫び声に動揺してくれたから、後ろから刺される前に刀を拾うことが出来たができたんだがな・・・
「・・・なんで生きているのですか?
普通なら死んでますよ?」
人形の姉ちゃんが不思議そうな顔して俺を見る。
「いやいやいや、俺、特殊体質だから・・・身体は丈夫なんだよ・・・あー、イテぇ・・・」
俺が既に殺気を放っていないからか、人形の姉ちゃんが訪ねて来た。
「貴男は私を舐めているのですか?
私は、たとえ貴男が無抵抗でも、無警戒でも、無防備でも、貴男を殺すつもりですよ?
敵のまえで殺気を解くとは・・・どういう、つもりですか?」
「・・・いやいやいや、俺はもう負けてんだよねぇ・・・
師匠に『侍は刀を落とした時点で負けだ』って教えられてきたし・・・んじゃ、俺の負けってことで♪」
俺が立ち去ろうとすると、
姉ちゃんは銃口を向けて来る・・・
「逃がすと思っているのですか?」
俺は振り向き笑ってやった・・・
「おいおいおい、人形の姉ちゃん、俺に構ってないで、
アンタの大事なマスターを心配した方が良いんじゃねぇえか?
今頃、赤城に殺されてるかもな・・・」
人形の姉ちゃんは、一瞬、何事かこめかみを押さえた後に、
苦虫を噛み潰したかの様な顔で俺を睨み、屋敷の奥へと走っていった・・・
「さあ、頑張れよ姉ちゃん、
また合うかも知れねぇぜ・・・」
四水の呟きを聞くものはいなかった・・・
この戦闘で四水はアリサを10分間足止めしてます。
次の話は、四水とアリサが戦っている10分間に起きた出来事です・・・
因みに作者の個人的な、アリサの銃のモデルは・・・
『ピースメーカー』・・・まんま通称が『ピースメーカー』な銃
『アリサ・ショット』・・・M1887のソードオフモデルに、したいな・・・
あくまで一部の意見です、
実際、この世界の銃は魔法的な要素で改造されてます。
なので、どんな形状の銃なのかは読者の皆様に御任せします!!!
お気づきの方も、いらっしゃるでしょうが、
作者はガンアクション大好きです♪




