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とある貴族の人形遣い (仮)  作者: 涼坂 九羅
2章 月村の家伝
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21話 初めての合体

 朝っぱらから、残酷描写アリです・・・

 久しぶりに、サイコな貴族様が登場します


 上手く書けたかな?

 少しでも、サイコな貴族様に怖がって頂けたら幸いです(夏ですしね♪)

 日の光が差し込まない、薄暗い地下室の中・・・


 身体を拘束され口には猿轡付けられた、血塗れの女がソコに居る。

 瞳に涙を浮かべ、必死に命乞いをする姿を男は不思議に感じていた。

 男は笑顔で女に訪ねた。大きな火傷を負った、恐ろしい顔だった・・・


「ねぇ、『サヤカ』?

 どうして君たちは嫌がるんだい?

 私の『サヤカ』は、こんなことで嫌がらないよ?

 『サヤカ』は『サヤカ』になることを認めたじゃないか・・・


 なら、どうして、嫌がるんだい?

 君たちは一緒の『サヤカ』になるんだよ?

 

 ・・・ああ、そうか、君はもう『サヤカ』じゃないんだったね・・・」


 男の狂気的な言葉も、縛られた女には届かない・・・耳が無いからだ・・・

 彼女の耳は両方とも奇麗サッパリ削ぎ落とされていた。


 その痛みは想像を絶するモノだが、女は死ねないでいた・・・あるいは、このまま放置すれば出血多量かなにかで死んだかもしれない・・・即死出来ない彼女は運が悪かったのだ。


 男の顔から笑顔が消えた・・・

 女は本能的に自分の末路を察した・・・殺される、と・・・


「・・・君は、私と『サヤカ』の屋敷で何をしている?

 『サヤカ』では無い君に私は用は無いのだけどね?

 どうしたらいいかな・・・」


 男は無表情で考える・・・否、笑みを浮かべていた、加虐的な悪魔の笑みを・・・


「そうだね、君にはアレをしてもらおう、それは・・・」


 無論、女には聞こえない、ただ、とんでもないことを言われた気がした。

 女は絶望で青ざめた。

 こんなことなら、昔逃げた、あの『サヤカ』の様に逃げればよかった・・・


 女は、サヤカと共に買われた『サヤカ』の中で最後の生き残りだった。

 屋敷には、新しく『買い足された』『サヤカ達』が何も知らず幸せそうに暮らしている・・・

 

 男の大火傷が、歩ける様になるまで回復したとき。

 もう一人の同期の『サヤカ』は消えた・・・透き通る様な声の優しい娘だった・・・


 彼女が消えたとき、女は自分の死期を察してはいた・・・

 ここまで壮絶とは思わなかったが・・・


 男は『サヤカ』だった女を引き摺りながら、部屋の奥へと向う、その先が女の死に場所となるだろう・・・男が手に持った瓶には、女の耳が入れられていた・・・


 

 ピクニックから数日経過した、その後のパパ様はご機嫌だった。

 息子に武人としての才能が無く落ち込むかと思われたが、杞憂だったようだ。


 元々、承知の上だったらしい。

 武人と魔法使いの両立は極めて難しいからだ。

 さらに俺は、魔力量が多すぎるため、『闘気』を纏うことが難しいため(この理由がイマイチ分からんが)、人形遣いの方が向いているのだと・・・まぁ、人形遣い、楽しいからいいけど(まだ、人形動かせないけど・・・)。


 只、俺が『武術』に興味を持ってくれたことが素直に嬉しかったそうだ。

 それに、良い弟子を見つけて機嫌もよかったのだろう・・・


 その弟子、サヤカさんとは、ちゃんとお話したので、その一部始終を・・・


「えーと、サヤカさん?

 なんで、俺に黙って武術の修行を?」


「自分の身は自分で守りたいし、レイジも守りたいから

 レイジに心配かけたくなかったから」


 即答されたので、これ以上追求しません、ただ・・・


「サヤカさんはまだ5歳児です、

 真剣は非常に危険ですので、俺が見てない所でも木刀を使って下さい」


「・・・わかったわ」


 なに、この間・・・まぁ、いいけど・・・


 武術を学ぶのは悪いことではないのだ。


 俺だって中高と、学校の授業で柔道していたから分かる。

 柔道をしていた影響で、転け方が上手くなったのだ。

 転生して歩ける様になってから、おぼつかない足取りで何度も転けたが、大きな怪我をしなかったのは、柔道で習った『受け身』のおかげだ(転けるのが恐いとか思っていた自分、恥ずかしい)。


 武術と言うのは、身体の動かし方を知るのに適している。

 まぁ、俺が経験したのは『武道』で、サヤカがやってるのは『武術』だけど・・・


 さてさて、俺の成果を報告しようか・・・


 アントワネットの悲劇は何十回と続いた・・・もう、見るに無惨な感じだったね・・・

 結果、俺は、アントワネット動かすの向いてないんじゃないか?

 と、いう結論に至り、母様に頼みアントワネットを降板。


 代わりに母様が持って来た、マネキンを丁重に断り(また、処刑されそうな名前だった)。

 代わりに『契約』について学ぶ為、ポチがやって来た。


「ポチには自動修復機能ついてる?」


「けっ、俺様にはそんな女々しいもの付いてねぇぜ」


「そうか・・・、なら、頑張らないとな・・・」


「ん? 小僧、何か言ったか?」


「いや、ナニモイッテナイヨ・・・」


  流石に今まで長い間一緒だったポチがアントワネットの様になるのは避けたい・・・

 気合い入れてやるしか無いな・・・



「それじゃあ、『契約』の授業を始めるね♪」


 何故か、伊達眼鏡を付ける母様・・・アレですね、女教師の必需品ですね分かります・・・

 生徒は、俺とポチ。たった二人のクラスです。 

 先生はまずポチを指差した。


「普通のパペットワークと、『契約』との元も違う所は、人形のボディではなく『魂』に直接、特殊な魔糸を繋ぐことにあるわ・・・


『契約』することにより、魔糸で繋がなくても、魂で人形と繋がることが出来るわ!!


 そのため、非常に高度な意思疎通を可能とし、戦闘面においても高い戦果を期待出来る・・・

 月村が生み出した非常に画期的な魔法よ!!!」


 ソコまで話終えたあと、母様はポチを持ち上げた。


「しかし、先程も言ったけれど、この術は『魂』があることを前提として作られた術よ

 だから、月村の家伝で作られた『偽りの魂』を身体に宿す人形にしか使えないの、良く覚えていなさい!」


 何故持ち上げたかというと、撫で回す為だ・・・ポチの感触は絶妙だからな・・・

 ポチは嫌そうにしながらも、憮然とした表情で撫で回されている。


「・・・はぁあ、本当に良い感触ね♪

 デザインはアレだけど、感触は最高だわ・・・アリサの才能を感じるわね・・・」


 デザインとかについてはアリサも母様には言われたく無いだろう・・・マネキン軍隊だからな・・・


「・・・そうじゃなかったわ、危ない、危ない

 

 捕捉としては、『偽りの魂』を入れた時点で、人形は動き意思を持つわ。

 その代わりパペットワークによる恩恵を一切受けられないけど、魔力供給とかね・・・


 同時に複数の人間と『契約』を結ぶことは出来ないわ

 でも、他人の使う人形を奪うことは出来るの・・・

 やり方は、通常の『契約』と同じ方法で特殊な魔糸を『偽りの魂』に結び、以前の持ち主が結んだ契約を破棄すること・・・俗に『ハッキング』とか言うわね・・・


 今回は、事前にアリサに御願いして、ポチの契約は破棄して貰ってるわ

 通常の『契約』から勉強しましょう♪」


 特殊な魔糸の作り方を学ぶ・・・必要は基本的に無かった・・・

 話を聞いて、作り方を聞いて、母様が実路しようとする前に、俺が完成させたからだ。

 母様ビックリしてたな・・・


 通常の魔糸と違い、仄かに赤く(通常は、蒼い)、

 通常のモノに対して、魔力の流れる量が多い気がする・・・


 俺は出来た瞬間にポチに結んでみた・・・動かし方は魔糸と一緒だ・・・

 

「おい、小僧、いきなり来るなよなぁああああ!!・・・」


 ポチは驚いた様子で少し暴れたが、魔糸が結ばれると大人しくなった・・・いや、結んだんじゃないな、感覚的にも視認的にもポチの身体に潜り込んだ感じだ。通常の魔糸も、人形の身体に入り込む様に結ばれるのだが、これは少し感覚が違う・・・


 魔糸に感覚を集中させると、魔糸の先に『魔力の塊』の様なモノを発見した・・・無論、ポチの身体の中でだが・・・、魔糸をその塊に触れさせた瞬間。


 俺の身体から、魔力以外の何かが魔糸を伝ってポチに渡り、ポチの身体からも魔糸を伝い莫大な情報が送られて来る・・・その伝達を終えた瞬間、魔糸は消滅したが・・・


 なんだ・・・この感覚は?

 まるで、ポチの感覚が手に取るように分かるぞ?


「ああー、それはな小僧

 俺様とお前の『契約』が成功したからな、俺の情報が小僧に伝達されてんだ・・・


 まぁ、改めてヨロシクってことだ!!」


 母様は歓喜の声を上げる。


「流石、私達の息子だわ!!!

 一発成功なんて天才じゃないかしら!!


 コレはあれね、お赤飯ね、今日のご飯はお赤飯ね♪」


 母様・・・この場合のお赤飯はどういう意味ですか?

 ボケですか? それとも本当に目出たい意味ですか?


 母への疑念もそこそこに、俺は1つ疑問を感じていた・・・

 アリサとは、『永続契約』の筈なのに、ポチの時に感じた感覚が全くないのだ・・・

 お気に入り100件ありがとうございます!!

 作者は感激のあまり、何書いていいのか分かりません(笑)


 コレからも人形遣いを、どうかヨロシク御願いします!!!

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