表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界王の嫁になりました。  作者: 亜紀内 司
ベネジルト編
1/3

いきなりそれは、ないでしょう。

初の恋愛モノです。

題名から察していただけると嬉しいですが、コメディを多めにしたいですb


少しでも楽しんでいただけると幸せですw

 若葉が鮮やかに揺れ、風が暖かく吹く。


「今日も、若葉が笑ってるなぁ……」

 

 そう呟いたのはこの国の姫、第6王女、ルノーア・ソノスタジア。

 ソノスタジア姉妹の中では一番末っ子で、一番元気な(よわい)16の少女だ。

「そうね。今日も平和でなによりだわ」

 バルコニーから町を眺める末の妹の姿を微笑ましく思いながら、もう既に母となっている長女は用意された紅茶を優雅な仕草で口に運んだ。


「あ、姉さん。そっちはどう?ウィルは元気?」

 ルノーアはそう言ってクルリと姉の方を向く。


 ウィルとは、ルノーアの一番上の姉――――つまり、今彼女と話している女性の息子の愛称である。

 本名、ウィルニア・ヴァルセント。

 まだ4歳の隣国の王子だ。


「元気よー。いやぁ……男の子って結構やんちゃねぇ……。……貴方よりはまだ大人しいけど」

 彼女はそう言ってくすくすと笑う。

「ちょ、酷いな、姉さんっ?!そりゃあ私はちょっと男の子っぽいかもしれないけどさ…………」

 最後は自信がなくなったのか声が完全に聞こえない大きさになっていた。


「……っ、と、に、か、くっ!!元気ならそれでいいやっ!!」


 完璧に投げやりになった妹を見て、姉がまたくすくすと笑う。


「はいはい。分かりましたよ。4人とは仲良くやっているのかしら?」

 4人とはもちろん彼女の妹のことだ。

「うん。マーシャ姉さんも、テルビア姉さんも、ネーグロン姉さんも、ロット姉さんも、皆優しい」

 ルノーアはそう言ってにこりと笑う。


「そう、それは良かったわ」

 彼女の一番上の姉は安心したように微笑んだ。


 しかし、その時だった。


「ベネジルト国の使者が参られましたっ」

 焦ったような声音でそう言って、いきなりルノーアの部屋のドアをノックも無しに開けたのは彼女の世話係、カリンである。


「は?ベネジルト……?世界征服を本当に果たしたあの大国……?なんでそんな大物が家に…………」

 ノック無しで入ったことは特に気にも留めず、ルノーアは不審げな声で尋ねる。


「分かりません。今は応接室で王が話しています……」

「変ね…………。世界征服をする際に、うちの国も含む、いくつかの国では自由に政治をすることが認められているのに…………」

 長女はそう呟き、小首をかしげる。

 

 彼女たちの国――――ソノスタジア国は、天候を司る古来からの国だ。

 天候を司るといっても、全員が使えるわけではなく、王家の血筋を色濃く受け継ぐ者がその能力を手にすることが出来る。

 今、天候を操ることが出来るのは、王と6人の娘、王の祖母の計8人だ。


 そんな特殊な能力を持っているからなのかは分からないが、彼女達の国は特別に自由に政治をする権利を与えられた。


「うーーん……やっぱ取り消し!みたいな感じかなぁ……?」


 ルーノアも姉の前の席に座りながら、一緒に考える。

 しばらく時間が経ち、そろそろお父様の様子を見に行こうかとルーノアが考えていた時だった。


 軽快なノック音と共に「姫様入りますよ」と彼女の伝達係である20代前半の青年が、ゆっくりとした動作で、彼女の部屋のドアを開けた。


「サルノージ。何かあったのか?」

「姫様、王様がお呼びです。(ただ)ちに謁見の間においでください」


 部屋の空気が緊迫する。


「分かった。すぐ行く。……姉さん、悪いけどちょっと待ってて」

 緊張した面持ちで頷き、ルーノアは、自室を出て行く。


「…………神よ――――どうか、あの子をお守りください」

 誰も居なくなった部屋の中、彼女は一人妹を想い、祈った。


*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*


 謁見の間に入ると、ルーノアは自らの父――――この国の王に、優雅に礼をする。

「――――――お呼びでしょうか、父上」

 澄んだ声音で、ゆっくりと問う。


「ルーノア、顔を上げなさい。……先程、ベネジルトの使者が来たことは、もう知っているな?」

 確かめるように、ルーノアの瞳を除く。

「はい。存じております」

「それでだな……」

 王はそこまで言って、言葉を切る。

 どうしたのだろうかと、王の顔を見ると、眉間に深く皺を寄せている。

「…………?なんでしょうか、父上」

 そこまで言いにくいことなのだろうか?


 王は無意識の内に口を開閉させている。


「そのだな……お前は…………」

 彼はそこまで言うと、意を決したようにルーノアを見つめた。




「ベネジルトに――――世界王の嫁に、なることになった」


「……は?何その冗談、笑えない」

 思わず口調が素になる。


 しかし、父は咎めなかった。

 ただ、非常に申し訳なさそうな表情でさらに言った。

「残念ながら、事実なのだよ、ルーノア」




 直後、ソノスタジア国全体に少女の叫び声が響き渡ったという。

主人公はかなり男の子っぽい言動をとりまs((


気に入っていただけるとhappyです((

誤字、脱字などあったら遠慮なく言ってやってくださいb

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ