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Deep Archive Online  作者: しゃみぃ


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9/15

日常



 講義終わりの学食。


 騒がしい空気の中、四人だけ少し静かだった。


 


「……で」


 静太がトレーを押しやる。


「どうする?」


 


 言わなくても分かる。


 


 海記は水を一口飲む。


「まだ4日ある」


 


「だから?」


 


「焦る理由はない」


 


「でも、間が空くと怖くなるタイプだろ?」


 


 視線が、このみに向く。


 


「なにその決めつけ」


 


「違う?」


 


 このみはむっとする。


 でもすぐに目を逸らす。


 


「……あの館、思い出すと嫌」


 


「うん」


 


「でも、変に時間置くと、余計行きたくなくなりそう」


 


 正直だ。


 


 夢菜が言う。


「早めに慣れるのは合理的」


 


「合理的って便利な言葉だよね」


 


 静太が笑う。


「じゃあ今夜」


 


「即断すぎ」


 


「じゃあいつ」


 


 海記は少し考えてから言う。


「二十一時」


 


「なんで?」


 


「飯も風呂も終わってる時間。集中できる」


 


 静太が指を鳴らす。


「賛成」


 


 夢菜も頷く。


 


 残る一人。


 


「……私は」


 


 このみは、ストローをくるくる回す。


 


 怖い。


 昨日より少し薄れたけど、消えてはいない。


 


 でも。


 


 焼肉の時の笑いとか。


 核を壊した瞬間の連携とか。


 


 思い出すと、胸が少し熱い。


 


「条件」


 


「なに」


 


「絶対二手に分かれない」


 


「分かれない」


 


「勝手に突っ込まない」


 


 静太が視線を逸らす。


「……善処」


 


「するって言え」


 


「する」


 


 このみは、深呼吸。


 


「……じゃあ、二回目」


 


 誰も大げさなことは言わない。


 


 ただ。


 


「二十一時な」


 


「遅刻すんなよ」


 


「お前が言うな」


 


 いつも通りのやり取り。


 


 でも。


 


 その裏に、少しだけ緊張が混じる。


 


 放課後。


 


 それぞれが帰路につく。


 


 海記は歩きながら思う。


 


 昨日より、少しだけ体が軽い。


 気のせいかもしれない。


 


 静太は、やけに周囲をよく見ている自分に気づく。


 


 夢菜は、手の震えが昨日より小さいことに気づく。


 


 このみは――


 


 まだ怖い。


 


 でも。


 


 逃げたいより、

 置いていかれたくないの方が少し勝っている。


 


 夜。


 


 21:00。


 


 各自、自室。


 


 ヘッドセットを手に取る。


 


 二回目。


 


 今度は、何も知らないんじゃない、

 


 自分たちで、理解して入る。

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