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Deep Archive Online  作者: しゃみぃ
7/13

日常

翌日。


 大学のキャンパスは、いつも通りだった。


 講義棟前のベンチ。


 


「……昨日さ」


 このみがストローを噛む。


「ほんとにあったんだよね?」


 


「三万入ってる時点で現実」


 静太がスマホをひらひらさせる。


 


 海記は苦笑する。


「VRゲームで現金報酬って、倫理観どうなってんだろうな」


 


 夢菜はアイスコーヒーを一口飲む。


「実験型かもしれない」


 


「やめろ怖い」


 


 風が吹く。


 普通の午後。


 昨日、館で化け物と戦ったとは思えない。


 


 午前の講義。


 


 海記はノートを取る。


 いつもよりペンが速い。


 頭の回転が少しだけいい気がする。


 


 ――気のせいか。


 


 隣で静太が、教授の話にすぐ反応する。


「そこ、論理飛んでません?」


 


 教授が少し詰まる。


 


「……あれ?」


 海記が小声で言う。


「お前、そんなに鋭かったっけ」


 


「失礼だな」


 静太は笑う。


「昨日の経験値じゃね?」


 


「ゲームじゃないから」


 


 午後。


 


 このみが階段を上がる。


 いつもより一段飛ばしで。


 


「あれ」


 


 息が上がらない。


 昨日の恐怖とは別に、身体が妙に軽い。


 


 でも。


 


 頭の奥に、あの影がよぎる。


 


「……」


 


 楽しかった、とは言えない。


 でも。


 


 最後に核を壊した瞬間。


 あの連携。


 


 少しだけ。


 アドレナリンの残り香。


 


 講義後。


 


 大学のカフェテラスに集まっている

 


 テーブルの上には、各自のスマホ。


 


 Next Scenario

 参加受付中

 開始まで 5 days 18:42:10


 


「減ってるなあ」


 静太がにやりとする。


 


 小さな注意文。


 


 ※時間経過によりシナリオ難易度が上昇します

 ※参加は任意です


 


「難易度上がるだけなら、焦らなくてもよくない?」


 このみが言う。


 


「でもどうせやるなら、楽なうちがいい」


 


 夢菜が静かに言う。


「昨日、楽しかった?」


 


 沈黙。


 


 海記が、少しだけ笑う。


「……まあ、嫌いじゃなかった」


 


 静太は即答。


「普通に面白かった」


 


 三人の視線がこのみに向く。


 


「私は怖かった」


 


 間。


 


「……でも」


 


 小さく続ける。


 


「ちゃんと攻略できるのは、ちょっとだけ悔しい」


 


 静太が吹き出す。


「それは参加フラグだな」


 


 カウントダウンが減る。


 


 

6 days 0:59:48

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