チュートリアル④
黒い塊が砕ける。
地下室の重苦しさが、すっと消えた。
Scenario 01
CLEAR
視界が白く途切れる。
次の瞬間。
見慣れた天井。
海記の部屋。
「……戻った」
エアコンの音。外の車の走行音。
全部、現実だ。
スマホが一斉に震える。
【振込通知:30,000円】
「うわ、本当に入ってる」
このみが目を丸くする。
静太が笑う。
「報酬確定。神ゲーじゃん」
「ホラーだけどね!?」
海記は天井を見上げたまま、ゆっくり息を吐く。
怖かった。
でも。
あの緊張感。
あの連携。
最後に核を壊した瞬間の手応え。
「……まあ」
少しだけ口元が緩む。
「嫌いじゃなかったかも」
「でしょ?」
静太がすぐ乗る。
「バランス良かったよな。ちゃんと攻略できる難易度だったし」
夢菜が静かに言う。
「理不尽ではなかった」
このみはまだ不満そうに頬を膨らませている。
「私は理不尽だったけど……」
そのとき、スマホにもう一つ通知。
Next Scenario
参加受付中
開始まで 7 days 00:00:00
「一週間か」
カウントダウンが静かに減り始める。
小さな注意文。
※時間経過によりシナリオ難易度が上昇します
※参加は任意です
「つまり早めにやったほうが楽ってことか」
海記が言う。
「放置ペナルティ型ね」
静太が楽しそうに笑う。
このみは腕を組む。
「……やるかは、考える」
夢菜は窓の外を見る。
「でも、たぶん」
三人が見る。
「またやるよ」
静かな断言。
部屋の空気は、もう重くない。
さっきまで命を賭けていたとは思えないほど、普通だ。
それでも。
ほんの少しだけ。
心拍が速い。
興奮が、まだ残っている。
6 days 23:59:42
ゲームは、次を待っている




