水族館7
水は腰まで来ている。
非常灯が赤く点滅する。
館内は、さっきまでの水族館とは別の場所のようだった。
裂け目の向こう。
夢菜の影が、ぼんやり見える。
「中にいる……」
海記が呟く。
静太が息を整える。
「普通の空間じゃない。水の流れが逆だ」
確かに。
裂け目の周囲だけ、水が吸い込まれている。
このみが歯を食いしばる。
「……助けるんでしょ」
海記は頷く。
「行く」
次の瞬間。
海記は、水を蹴った。
裂け目へ飛び込む。
■ 侵入判定
永田 海記
1D100 → 47
成功
水圧が一瞬で消える。
体が、軽い。
上下がわからない。
静かな空間。
すぐ後ろで、水が揺れる。
■ 侵入判定
竹内 静太
1D100 → 33
成功
■ 侵入判定
杉波 このみ
1D100 → 62
成功
三人は、同じ場所に出た。
夢菜が見ている空間と同じ。
遠くに“海”。
黒でも青でもない。
深さだけがある。
夢菜は、その前に立っていた。
「夢菜!」
彼女は振り向く。
いつもと同じ顔。
でも。
少しだけ、遠い。
「……来たんだ」
このみが走る。
■ 接触判定
杉波 このみ
1D100 → 36
成功
このみが夢菜の腕を掴む。
「帰るよ!」
その瞬間。
空間が、震えた。
“海”が動く。
巨大な影。
形が定まらない。
魚でもない。
生き物とも違う。
視界に赤いノイズ。
未確認存在接近
SANチェック
■ 永田 海記
1D100 → 63
失敗
減少量 1D6 → 3
胸が締めつけられる。
■ 竹内 静太
1D100 → 21
成功
減少量 1
■ 杉波 このみ
1D100 → 48
成功
減少量 1
影は、こちらを見ている。
いや。
観測している。
夢菜が、ぽつりと言う。
「……怒ってない」
三人が止まる。
「え?」
夢菜は“海”を見ている。
「足りないだけ」
空間が揺れる。
裂け目が、再び開く。
向こうに、水族館の光。
静太が叫ぶ。
「出口だ!」




