水簇館
無人水族館 ― メインフロア
青い光が揺れている。
天井に、水面の反射がゆらゆらと映る。
巨大なメイン水槽。
ガラス越しに、暗い水。
魚はいない。
静まり返った館内に、低い機械音だけが響く。
――目標提示。
視界の端に、白い文字が浮かぶ。
【目的:地下ポンプ室を確認し、異常停止の原因を特定せよ】
【制限時間:なし】
「今回はシンプルだな」
海記が小さく言う。
ゴン。
水槽の奥で、鈍い衝撃音。
四人の視線が向く。
暗い水の向こう。
何かが、ぶつかった。
大きい。
――精神安定判定。
■ 永田 海記
1D100 → 64
失敗
減少量 1D3 → 2
胸がざわつく。
喉がひやりと冷える。
SAN −2
「……でかいな」
■ 今関 夢菜
1D100 → 27
成功
減少量 0
まばたき一つ。
心拍、安定。
「水圧の反射かも」
■ 杉波 このみ
1D100 → 58
成功
減少量 1
肩が跳ねる。
でも、踏みとどまる。
SAN −1
「び、びっくりしただけ」
■ 竹内 静太
1D100 → 41
成功
減少量 1
センサーを素早く起動。
SAN −1
「生命反応、二系統」
ピッ……ピッ……ピッ……
一定の波形。
その奥に、もう一つ。
ピ、……ピ……
「メイン水槽内に大型反応」
海記が壁のマップを指す。
1F:エントランス、メイン水槽、クラゲエリア
B1:飼育管理室、ポンプ室
B2:特別展示区画(閉鎖)
「地下だな」
水槽横の通路へ進む。
青が濃くなる。
ガラス越しに、水。
――感知判定。
■ 竹内 静太
1D100 → 22
成功
「……並走してる」
水の奥。
巨大な輪郭が、同じ速度で動く。
足音はない。
でも、気配がある。
このみがバットを握り直す。
「来るなら来い……」
ゴン!!
今度は強い衝撃。
照明が一瞬、深海色に落ちる。
――瞬間暗転。
精神追加判定。
■ 杉波 このみ
1D100 → 83
失敗
減少量 1D4 → 3
視界がぶれる。
呼吸が浅くなる。
SAN −3
「や、やっぱ無理かも……」
■ 今関 夢菜
1D100 → 12
成功
減少量 0
暗闇の奥を、じっと見る。
水の向こう。
暗さの奥に、
“深い広がり”。
一瞬、胸が静まる。
静太が言う。
「地下行こう。ポンプ止めりゃ、何か変わるかも」
目標は変わらない。
【地下ポンプ室へ向かえ】
センサーは、まだ鳴っている。
ピ……ピ……
距離、近い。
青い光の中。
四人は、階段へ向かう。
水の奥で、
何かが、ゆっくりと向きを変えた。




