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詩と歌

春眠

作者: 日浦海里

山から吹き下ろす風に

身を寄せ合う


左腕に温もりを感じていた日々も

潮の匂いを運ぶ風が訪れるようになると

その手は乱れた髪に夢中で

代わりに絡みつくのは粘りつくような六花の結晶ばかり


それでも

耳元から首筋あたりに手を添え

恥ずかしそうにしている君が愛おしくて

風ばかりが吹き抜けていく左腕のことなんて

忘れてもいいと思えた


高台の上に咲いた薄桜色に染まった枝は

風に吹かれるたびに

季節外れの雪を降らせては

地面を白く染め上げる


少し古ぼけたベンチに座って

並んで眺める春吹雪


不意に肩に重みを感じると

薄桜の可憐な花びらが

風に舞って寄り添っていた




春の陽に

うつらと揺れる

眠花(ねむりばな)

俯く花弁に

肩を寄せて

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― 新着の感想 ―
[良い点]  描写が美しいです。以前山に登った際、見下ろした風景が蘇るほど鮮明でした。眠りで終わる描写もとても良いです。 [気になる点]  特にございません。 [一言]  拝読させて頂きありがとうござ…
[一言] 薄桜の可憐な花びらが 俯く花弁に ⬆ この2つが静かに閉じた瞼に思えてきます。 肩に頭をもたげ、気持ちよさそうに眠る様が浮かびますなぁ〜
[良い点]  肩に寄りかかり、うつむいてうつらと眠り込む「あなた」。  あなたの肩には、風に乗って飛ばされた八重咲きの花びら。  眠るあなたに「わたし」も肩を寄せて。  という、やさしくもあたたかい…
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