妖精が飛ぶと雪が降る
スノードームを作った。
小さなドームの中に人工の自然が再現されていて、ログハウスがポツンと置いてある。
ドームの曲線がレンズの役割をして、実物より澄んで見えた。
だが、それだけではどこか味気なく、ただ綺麗なだけの置物に過ぎなかった。
ドーム内を彩る何かいいものはないかと探していると、庭先で見つけた妖精をスノードームの中に入れてみることにした。
妖精は綺麗なドームの中を飛び回っていた。
妖精が飛ぶと雪が降る。
その小さなミニチュアの中で循環する自然は、人工物とは思えぬほど綺麗だった。
スノードームがあまりに綺麗だったので、様々なスノードームを作った。
スノードームという名前だが、ドーム状ではないものも沢山あった。
そのすべてに命を吹き込むように、庭先でつかまえた妖精を入れた。
妖精の入ったスノードームはとっても綺麗だった――。