皇帝陛下の愛娘は婚約発表する
リリアージュの婚約は、あれから一週間後に発表されることとなった。
宮廷魔術師達の魔法で広く国中全てに伝えられて、国民達は大いに祝福した。
新聞も号外が配られ、リリアージュとニコラをイメージした様々な商品があちこちで開発された。
婚約を祝う声はあちこちで聞こえるが、それは国内だけには止まらない。
まず妖精國では、妖精王様のお気に入りが婚約をしたと大フィーバーとなりタバサによって沢山のお祝い品が届いた。イニャスからの品ももちろんあるが、その他妖精達からのものもたくさんある。
リリアージュとしてはイニャスや妖精達に直接報告とお礼をしたかったが、イニャス曰く羽の生え変わった老人達に邪魔をされるだろうからしばらくは妖精國に呼べないとのこと。ちょっと寂しいリリアージュだった。
ウジェーヌ国からも祝いの品が届いた。リリアージュはウジェーヌ国の大恩人であるため、是非全力で祝わせていただきたいとのことだった。当然国中大フィーバーのようだ。一度は女神としてすら崇めた少女の婚約なので当たり前である。一人、王太子だけは死んだ魚のような目をしているらしいがまあすぐに立ち直るだろう。
ウジェーヌ国からの祝いの品はもちろんあの果実。レオノールの手で美味しいお菓子となってリリアージュのティータイムを彩ってくれた。リリアージュはとても大満足である。
ランメルト王国からも祝いの品が届いた。あの後、ランメルト王国とプロスペール皇国は同盟国となり、〝あのプロスペール皇国の同盟国〟ということでランメルト王国は他の国とも国交正常化交渉を開始し始めている。忙しい中でも、祝ってくれた気持ちがリリアージュは嬉しい。
ランメルト王国特産の茶葉はすごく美味しいので、レオノールの作ったお菓子ととても合う。リリアージュのティータイムはどんどん豪華になっていった。贅沢すぎて大丈夫かなとリリアージュが心配になるほどだったが、まあお祝いの品なので問題はない。
リリアージュはこうしてたくさんの人々から祝福されて、ニコラとの円満な婚約が出来た。
ナタナエルは正直可愛い娘が取られて面白くないが、ニコラはルイスが身元引き受け人。ルイスの息子も同然とくれば、他の男と結婚させるより何千倍もマシである。ぐっと堪えてリリアージュの幸せそうな姿を目に焼き付けた。娘が親離れしていくようで寂しかったが、仕方がなかった。
ルイスも若干可愛い息子が手を離れていくようで寂しかったが、妻と息子と娘から慰められて立ち直る。
エミリアとレオノールは、いつリリアージュに自分達の婚約の件を伝えようかとやきもきしていた。




