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皇帝陛下の愛娘は今日も無邪気に笑う【長編版】  作者: 下菊みこと


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皇帝陛下の愛娘は魔王國の瘴気を祓う

ランメルト魔王國の貴族達も集められ、玉座の間でリリアージュによる祓いの儀式が行われることとなった。


たくさんの魔族の貴族達に囲まれても堂々としたリリアージュの姿に、貴族達も希望を持った。


リリアージュが妖精國でもらったガラスの鳥を取り出す。そして、魔力を込めた。


瞬間、眩い光がガラスの鳥から溢れて全員が目を瞑った。目を開くと、魔族の特徴である角や尻尾がみんなから消えていた。急いで自分の角や尻尾を確認するが、無い。宮殿の外を見ると、瘴気の霧も晴れていた。実に五千年ぶりの快晴を目にした貴族達は歓喜の声を上げる。中には泣きじゃくる者達もいたし、うおおおおおおおお!と雄叫びを上げる者もいた。みんながみんな、やっと人間に戻れたことを心から喜んだ。


続いて平民達が宮殿に集まってきた。人間に戻れたことを心から喜び、リリアージュになんとしてでも感謝を伝えたいと言う。


「リリアージュ第一皇女殿下万歳!」


「モデスト国王陛下万歳!」


「ランメルト王国復活万歳!」


「リリアージュ第一皇女殿下ー!」


「ありがとうございます!ありがとうございます!」


「プロスペール皇国万歳!」


「妖精王様万歳!」


「リリアージュ第一皇女殿下万歳!」


外から溢れんばかりの声が聞こえてくる。リリアージュはちょっとだけ照れたように笑う。そんなリリアージュに、今度は貴族達が感謝を伝える。その場に跪き頭を下げる。


「リリアージュ第一皇女殿下、我々を救ってくださりありがとうございます!」


「これでようやく我々は人間に戻れました!」


「リリアージュ第一皇女殿下には感謝しかありません!」


「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」


「このご恩は決して忘れません!」


リリアージュはその様子に慌てて頭を上げさせる。


「いえ、人として当然のことをしたまでです。どうか頭を上げてください!跪く必要もありません!」


頭を上げて身体を起こした貴族達は、今度は万歳をする。


「リリアージュ第一皇女殿下万歳!」


「プロスペール皇国万歳!」


「妖精王様万歳!」


「モデスト国王陛下万歳!」


「ランメルト王国復活万歳!」


リリアージュはこんなにも喜んでもらえて、ランメルト魔王國…いや、ランメルト王国に来て本当に良かったと心から思った。


「リリアージュ第一皇女殿下。この国の国王として、心から礼を言う。…ありがとう」


「いえ、モデスト陛下が私に声をかけてくださらなかったらこうはなりませんでした。招待してくださってありがとうございます!」


「そなたは本当に優しいのだな…これより我々は、ランメルト王国の復活を宣言する!各国の誤解を解くには時間がかかるだろう。国交を正常化するにはかなりの手間がかかるだろう。それでも、我々は努力する!この心優しき姫君からの恩寵を忘れることなく、正しく国を導こうではないか!」


モデストの言葉に、貴族達はうおおおおと雄叫びを上げて答えた。


「リリアージュ第一皇女殿下とプロスペール皇国には返しても返しきれない恩が出来た。もし、プロスペール皇国が受け入れてくれるのならば是非同盟を結びたい。それが無理でも、何かあれば必ず力になると約束しよう。これでも、五千年前からなんとか生きてきたんだ。それなりに役には立てるだろう」


「ありがとうございます、モデスト陛下。帰ったら父に伝えますね」


「よろしく頼む。さあ!今日はランメルト王国の復活を記念して、パーティーだ!三日三晩続ける、なお無礼講とする!大いにはしゃぎ、大いに楽しめ!」


「おおおおおおお!」


ということで大広間でパーティーが始まった。それはもう盛大なパーティーである。リリアージュは美味しいものをたくさん食べて、幸せそうに笑う。話しかけてきてお礼を言う貴族達にも快く笑顔を向けて接した。リリアージュは、ランメルト王国の貴族達からものすごく歓迎を受けた。


「…そうか、わかった。皆に告げる!我が娘ブノワトの原因不明の病が治ったらしい!準備が整い次第ブノワトをここに呼ぶ!」


モデストがそう宣言すると、貴族達の歓声が上がる。


「ブノワト様が戻られる!」


「ブノワト様が治られた!」


「よかった…ブノワト様…」


「これも瘴気を祓ったおかげだろう!」


「リリアージュ第一皇女殿下万歳!」


「ブノワト第一王女殿下万歳!」


会場はすごい盛り上がりをみせる。リリアージュは、ブノワト殿下は愛されているなぁとのほほんと受け止めていた。そして、しばらく経つとブノワトが現れる。


「…皆様、ご心配をおかけしました。このブノワト、病から解放されたことをここに宣言いたします」


わああああと貴族達から歓声が上がる。


「リリアージュ第一皇女殿下ですね。お初にお目にかかります。私はランメルト王国の第一王女、ブノワト・ランメルトと申します」


「お初にお目にかかります。プロスペール皇国の第一皇女、リリアージュ・プロスペールと申します」


「リリアージュ第一皇女殿下には、感謝してもしきれません。このランメルト王国を救ってくださり、本当にありがとうございます。また、私の病も突然ですが治りました。きっとそれも、瘴気を祓ったおかげでしょう。心からお礼を。」


「いえ、そんな、お気になさらないでください。ブノワト殿下が良くなってよかったです!」


「リリアージュ第一皇女殿下は本当にお優しいのですね。私も見習わなくては」


「いえいえそんな…ブノワト殿下、良ければ私とお友達になってくださいませんか?」


「もちろんです。ぜひ、仲良くしてくださいませ」


リリアージュとブノワトが握手を交わす。またも会場中に響き渡る歓声が上がった。モデストは嬉しそうに何度も優しい表情で頷いている。ついでに言うと、魔水晶で覗いていたナタナエルとルイスも優しく微笑んで見守っていた。ただ、三日三晩パーティーに参加することになったことでリリアージュが帰ってくるのが遅くなるのは不満だった。まあ、元々三日ほど滞在して四日目に帰る予定だったので遅くなるもなにもないのだが。


一方で、いつものメンバーはまだ帰ってこないのかとやきもきしていた。まさか三日三晩続くパーティーにリリアージュが出るとは思っていない。まだかまだかと家の時計を確認する。一応四日目に帰ることは知っているが、リリアージュならすぐに用件を終わらせて帰ってくるだろうと思っていた。


リリアージュが帰るまで、いつものメンバーはやきもきして過ごすこととなる。

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