表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇帝陛下の愛娘は今日も無邪気に笑う【長編版】  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/62

皇帝陛下の愛娘はデートを提案する

リリアージュは、恋愛小説を片付けた後ニコラとシモン、ラウルを庭に呼び出し、エミリアとレオノールには部屋で待っていてもらい意を決して言った。


「あのね、私…真剣に、ニコラとシモン、ラウルとの関係を考えたり、みんなを観察してみたり、恋愛小説でお勉強してみたりしたんだけど…」


「ええ。落ち着いて、ゆっくりで大丈夫ですよ」


ニコラが優しくリリアージュを甘やかす。


「うん、ありがとう。あのね、やっぱり私、今のままじゃ一生どの道も選べない気がするの。だからこんなこと提案するのもアレなんだけど…」


「リリアージュ様が決めたことに異論はない。なんでも言ってみろ」


シモンが胸を叩く。その様子にリリアージュは肩の力を抜いて話せた。


「うん。三人と別々にデートしてみたいなって」


「別々にデートですか。わかりました」


さらりと受け入れるラウル。


「え、いいの?」


困惑するリリアージュに、三人は笑った。


「言っただろ、リリアージュ様が決めたことに異論はない」


「僕としては、むしろリリアージュ様とデートの機会をいただけて万々歳です」


「俺も嬉しいですよ、リリアージュ様」


三人の優しさに、リリアージュは安堵した。


「日取りはいつといつといつにします?」


「ニコラとはこの日、シモンとはこの日、ラウルとはこの日がいいな」


「わかりました。では、予定を空けておきますね」


「俺もその日フリーだから空けとくわ」


「僕もルイスさんに頼んで侍従としてのお仕事は一旦お休み、ただのニコラとしてデート出来るようにしますね」


意外とすんなりとデートの提案が受け入れられ、リリアージュはほっとした表情で三人とともに部屋に戻る。四人の表情に大体察したエミリアとレオノールは、リリアージュに美味しいお茶を淹れて労い、三人には渋いお茶を出してチクチク嫌がらせをした。エミリアとレオノールだって、リリアージュが大好きなのである。三人ともそれをわかっているため、文句を言えない。


一方で魔水晶でリリアージュを見守っていたナタナエルは、リリアージュがデート…と落ち込んでいた。ルイスはそれを横目で見て、なんとなく、最終的にはうちのニコラが選ばれるのではと期待に近い直感を働かせていた。ナタナエルに言うとまたタライを落とされるので黙っておくが。


リリアージュはとりあえず悩みが解消されそうで安心した。無邪気に笑うリリアージュに、ナタナエルはまだ手放したくないなと困って少し笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ルイスがチョコチョコいい味だしてるwww パパもタライ落とすしwww 「大人気ない大人」って名言ですわ(≧▽≦)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ