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また突進されたんだが

 さて。


 地下洞窟の探索は王国軍が引き受けてくれることになったので、俺やエリたちは王都に戻ることになった。


 元はといえば、魔物の大量発生がきっかけの事件だったからな。


 エリも相当に疲れているだろうし、前線で戦っていた冒険者たちは傷を癒すべきという提案を受けたのである。駆けつけてくれた王国軍もかなり多かったし、俺たちはその言葉に甘えることにした。


 ちなみにだが、バルフレイはもちろん無事だった。


 迫りくる魔物を一網打尽にした後は、王国軍の探索を一緒に手伝っていたほどである。そのへんのタフさは、さすがは勇者といったところだよな。


 だが、さすがに今日は彼も疲れたらしく――

 俺とエリ、そしてバルフレイは、三人で王都へと戻ることになったのである。


   ★


「アルバートー!!」


 王城に到着した瞬間、ルリスが思いっきりダイブをかましてきた。


「うおっ!!」


 思わず素っ頓狂な声をあげてしまう俺。

 いつもながら当たってるんですがそれは……!!


「あんたねぇ……。アルバートさんも疲れてるんだから、迷惑かけるのはやめなさい」


 エリも呆れ気味に突っ込みをいれる。


「ふふ、若い方々は羨ましいですな……。私もできれば結婚したい人生であった……」


 一方のバルフレイは、遠い目を浮かべてなにかをブツブツ呟いていた。


「よかった……。無事だったんだね、アルバート……」


「あ、ああ……。そうなるな、一応」


 潤んだ瞳で見上げてくるルリスに、思わずたじろいでしまう俺。


 いろいろあったから忘れかけてしまったが、ついさっき、ルリスには告白されたばかりなんだよな。


《仮初の恋人》ではなく、本当の恋人になろうと。


 それを思えば色々と考え込んでしまうが――まあ、さすがにこの場でそれを話題にするわけにはいかない。


「ありがとう。心配してくれてたんだな……」


「あったりまえじゃない! アルバートになにかあったらどうしよう、って……!」


 そう言ってくるルリスは……本当に目が真っ赤っかだった。


 マジか。

 本当にめちゃくちゃ心配してくれてるな……


 それ自体はとてもありがたいんだが――残念ながら、いまはゆっくり話している場合ではないのも事実。


 エリやバルフレイも伴って王城まで来たのには、理由があった。


「すまない、ルリス……。話題は変わるんだが、ここにいる三人で話しておきたいことがあってな」


「え……?」


 そこで目を見開くルリス。


 そして両目をごしごしこすると、俺から一歩身を引いた。本当に大事な話であることを、きっとわかってくれたんだと思う。


「ご、ごめんね。……で、話って?」


「…………」


 ここでいったん、俺は周囲を見渡す。


 安全な王城とはいえ……ここは出入り口。


 こんな人目につく場所で話してもいいのか悩んだが、どうせすぐに世間に広まる内容だと判断し、思い切って打ち明けることにした。


「それがな……。さっきの事件の首謀者、ユーマオスかもしれないんだ」


「……へ?」


 小声で喋る俺に対し、きょとんと目を丸くするルリス。


 ……まあ、しょうがない。これが普通の反応だよな。


「そっか。なるほど。そういうことか……」


 それでも、すぐに俺の言葉を飲み込めたのはさすがというべきか。


 ルリスは数秒だけ黙考すると……エリとバルフレイを見渡し、王女の表情で告げた。


「そうしたら、できるだけ早いうちに《今後の打ち合わせ》をしたいわね。侯爵家の失脚は……きっと王国内にも大きな衝撃をもたらすはず」


「ああ……そうだよな」


 レクドリア家の領地に住んでいた俺にとっても、これはただ事ではない。


 勇者としても……そしてまた、ひとりの市民としても。

 この事件の真相と、領地内の今後は知りたいところだった。


 とはいえ、今日はもう夜も遅い。

 しかも激闘の後ということもあり、ひとまずゆっくり休息を取り……


 翌日、またこのメンバーと落ち合うことに決めるのだった。



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ぜひご確認していただけると嬉しいです!


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