表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/61

緊張感なさすぎてやばい

 どれほど時間が経っただろう。


 ウェストン森林からだいぶ離れた、草原地帯……


 怪しげな《気配》の位置を探るうち、とうとうこんなところにまで来てしまった。レオンたちとはだいぶ距離が離れてしまったが……まあ、大丈夫だろう。


 あいつは仮にも当たりスキルの所持者。


《魔法の全使用可》という最強スキルを持っておいて、まさかゴブリンやウルフに遅れを取ることはあるまい。無駄な心配はやめて、いまは目の前のことに集中しよう。


「アルバートさん……どうしたんですか?」


 急に立ち止まった俺に対し、エリが疑問を投げかけてくる。


「いえ……このへんで感じたんですよ。怪しげな気配を」


「気配……?」


 そこでエリはバルフレイと目を合わせ。


 二人同時に、なにか煮え切らなさそうな表情を浮かべた。


「ごめんなさい……。やっぱり、私にはなにも感じ取れないです……」


「いえいえ……俺も感じ取れたのはほんの一瞬でしたから……」


 だが……あのねちっこい気配は、きっと気のせいではないと思っている。


 俺の視線に気づいて、すぐさま気配を消したようだが……

 その臨機応変さを考慮に入れても、油断ならない相手であることは容易に推察できる。


 俺は瞳を閉じ、ほんの数秒だけ気息を整えると。


「ここだ!」


 かっと目を見開き、すぐさま「闇魔法」を発動する。


 上級魔法のひとつ……ブラックメイズ。


 攻撃対象ターゲットに向けて、無数の「闇の球」を放つ強力な魔法だ。


 俺も実物を見たことはないが、“誰もが憧れる強い魔法のひとつ”として、バレス兄さんから教わったことがあった。


 ドォォォォォォォォォォォォオオオオ! と。


 その「闇の球」たちが、地面の一か所に向けて集中的に突撃していく。


 一撃、そしてまた一撃と。


 すべての「闇の球」が姿を消した頃には――そこになんと、地下に続く階段が現れた。


 緑豊かな草原地帯のなかにあって、明らかに不釣り合いな階段である。


「なんと、これは……!」

 バルフレイが驚きの声をあげた。

「こんなところに地下階段……!? 聞いてないぞ……!」


「ギ、ギルドでも報告は上がっていません……!」


 エリもかなりびっくり仰天しているな。

 大きく目を見開き、突如出現した地下階段をぽかんと口を開けて見つめるばかりだ。


「ここから……なにやら不穏な気配を感じます。ゴブリンやウルフたちを操っていた黒幕が……ここにいるかもしれませんね」


「「…………」」


 どうしたことだろう。

 エリもバルフレイも、俺を見て口をパクパクしている。


「そなた……気配を的確に捉えたのもすごいが、あんなにも強力な闇魔法が使えたとはな……」


「私……アルバートさんがいればなんでも解決してしまう気がします」


「いやいや、なに言ってんですか……!」


 思わず突っ込みを入れてしまう俺。


 こんな土壇場で、なんとも緊張感のないやり取りである。


 もしくは――これこそが強者の風格というやつだろうか。


 大事なときこそ、心乱すことなく、平常心でいるべし――

 尊敬するネーニャ姉さんが、いつも言っていた言葉だ。


「……というわけで、いまから突撃したいと思います。俺なんかじゃ足手まといにしかならないかもしれませんが……エリさんもバルフレイさんも、どうかご協力いただけませんか?」


「いやいや……私のほうが足手まといになりそうなんですが」


「私も《勇者》になって長いこと経つが、そろそろ自信がへし折られそうだぞ……」


 こんなときにも緊張感のない二人だった。

☆★ 大切なお願いです!! ★☆


ここまでお読みくださり、ありがとうございます! 


少しでも面白い、次が気になると思っていただけたのなら、


ぜひ【評価】と【ブックマーク登録】をお願い致します……m(_ _)m


久しぶりに日間ランキングに載れたので、この勢いを削ぐことなく、面白い物語を書いていきたいと思います。


【評価】も【ブックマーク登録】も、たった数秒の操作で終わります。


評価はこのページの下(広告の下)にある「☆☆☆☆☆」の箇所を押していただければ行えます。


今後の更新のモチベーションにもなりますので、ぜひ【評価】と【ブックマーク登録】をお願い致します……!m(_ _)m



よろしくお願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 こちらの小説が【 2022年10月7日 】に発売されます! 下記の画像が表紙絵となります!▼ 明日10/7、本作が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下記が表紙絵です! クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ