いったい俺はなにを見ているんだ?
謎スキル――「$$$$%$」
どう読むかもわからないそのスキルは、やはり効果も謎そのものだった。
発動したその瞬間……見覚えのない場所に飛ばされたのである。
「これは……夢か?」
周囲を見渡すうち、俺は徐々にそう思い始めていた。
まるで音のない世界。
まるで見覚えのない世界。
どこか幻想的なその雰囲気からは、あまり現実味を感じることができなかった。しかもどういうわけか、《懐かしい気分》さえ浮かんでくるような……
「はっ……はっ……!」
と。
ふいに男の声が聞こえてきて、俺は片眉をあげた。
なんだろう……
剣の素振りをしているようだが……どことなく父親と面影が似ているな。
「あ、あのー……」
声をかけてみるも、反応はない。
無視している……というわけでもなさそうだな。そもそもからして、俺の存在にさえ気づいていない気がする。
「ほっほ。いつも精が出るな」
「陛下……」
また別の人物が現れたようだな。
部屋の扉を開けて、なにやら豪華そうな服を身にまとった男が登場して――
――って、ん?
待てよ。
この人、どこかで見たことあるような……
「ま……まさか……!!」
もちろん、実際に会ったことはない。というか、本来は会えないはずだ。
――初代国王、クルーガー・ディ・レベルオン。
もう何千前年も前に亡くなったはずの、歴史上の偉人なのだから。
「マ……マジかよ……」
教養のない俺だが、さすがに初代国王くらいはわかる。
たしかレベルオン王国が周辺諸国から《独立》を果たせたのも、クルーガーの手腕があったからこそ。
大胆すぎるほどの行動力に、緻密な計算に基づいた話術……
当時《剣聖》と呼ばれていた人物とともに戦場を駆け抜け、隣国からの侵略をことごとく跳ね除けたという。
っていうことは、この剣を素振りをしている男が、その《剣聖》だということだろうか……?
そんな思索を巡らせていると、初代国王クルーガーが、にやりと笑って告げた。
「パルア・ヴァレスタインよ。たまには思いっきりくつろいではみんか? 余が良き女を紹介してやろうぞ」
「いえ……結構です。というか陛下、ゆうべはどなたとお楽しみだったんですかな?」
「ぎく。き……気づいておった?」
「当然でしょう。陛下の考えは読みやすい」
――おい。
おいおいおいおい。
いま、初代国王はなんと言った?
パルア・ヴァレスタイン。
偶然か必然か、俺の家名とまったく同じなんだが――
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