表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/61

世界の誰も知らないこと

「さて、と……」


 俺は大きく息を吐き、改めて、歩み寄ってくるブラックタイガーと対峙する。


 ――こうして見ると、やっぱり変だな。


 大きすぎるのも違和感があるし、なにより奴を取り巻く《闇のオーラ》が、明らかに普通じゃないというか……


 もちろん、俺に魔物の知識はない。


 とはいえ、さっきのデスワームも、似たような《闇のオーラ》に包まれていたしな。


 なんか違和感があるんだ。


「お。そうだ……」


 そこで初めて、俺は自分のスキルを思い出す。


 ――謎の外れスキル、【全自動レベルアップ】。


 これの影響かはわからないが、たしか《鑑定》と《闇属性魔法》というスキルが追加されている……かもしれないんだよな。


 さすがに上手くいくとは思い難いが、物は試し。


 この場でちょっとやってみるか。


「えーっと。スキル発動。《鑑定》」


 そう小声で呟いた……その瞬間。


――


《鑑定》スキル発動を検知しました。


 ブラックタイガーG の鑑定でよろしいでしょうか。


――


「お、おお……」


 視界に浮かんできた文字列に、俺は思わず嘆息する。


 マ、マジか。

 本当にスキルを発動できるなんて思いもよらなかったぞ。


「ブラックタイガー……《G》ってなんだ……?」


 若干の違和感を抱きつつも、俺は心のなかで「はい」と唱える。スキルを使用するには、実際に声で応じてもいいし、胸のうちで念じるだけでもよかったはずだ。


――


 ブラックタイガーG 鑑定結果



 レベル:145


 攻撃力:19063

 防御力:19054

 魔法攻撃力:16732

 魔法防御力:12093

 速さ:11093


★通常のブラックタイガーが、《G》の影響で力を引き出された姿。


 通常個体より獰猛かつ好戦的で、非常に荒々しい。

 見かけた際には即座の判断が重要。


 弱点部位は尻尾。

 ここは防御力が半減する部位であり、攻撃するには最も有効な部位である。


――


「すごい……本当に鑑定できた……」


 浮かんできた文字に、思わず感動を覚えてしまう俺。


《鑑定》といえば、それだけで職業の成り立つ有用スキルだからな。もちろん戦闘には向かないが、人の適性を見抜くことができたり、道具の詳細を確かめることができたり――それはもう、超便利なスキルなのである。


 ひとつ気がかりな点があるとすれば、レベルとか攻撃力とか、訳のわからない項目があるということか。


 こんなもの聞いたことがないし、通常の鑑定士でも見たことがないはず。


 だから本当の《鑑定》になっているかは微妙だが……ん?


 待てよ。


 レベルって……なんか聞いたことがあるな。


 ――【全自動レベルアップ】。


 そのスキルを得たことによって、俺の《レベル》なるものがどんどん上がっていっているのは理解している。それこそ毎分といってもいいくらいにレベルが上がってるんだよな。


 ――だが。


 ブラックタイガーのレベルは、俺より半分近く低かった。


 俺が300くらいなのに対し、ブラックタイガーのそれは145。


 そして攻撃力や防御力という、謎の数値……


 ――待てよ。


 俺はいま……世界の誰も知らないことに気づこうとしているんじゃないのか?

お読みくださり、ありがとうございます!


今後の更新のモチベーションにもなりますので、ぜひ【評価】と【ブックマーク登録】をお願い致します……!


評価はこのページの下(広告の下)にある「☆☆☆☆☆」の箇所を押していただければ行えます。


数秒の操作で終わりますので、少しでも面白いと感じていただけましたら、【評価】してくださいますととても嬉しいです! 


よろしくお願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 こちらの小説が【 2022年10月7日 】に発売されます! 下記の画像が表紙絵となります!▼ 明日10/7、本作が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下記が表紙絵です! クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
[一言] ブラックタイガーGのGって 「ブラックタイガーA、ブラックタイガーB、ブラックタイガーC、ブラックタイガーD、ブラックタイガーE、ブラックタイガーF、ブラックタイガーGが現れた!」って吹き出…
2022/01/13 20:54 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ