表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

2009.07/29 0200

2009.07/29 0200


今の自分が何をしているのか。

それは容易に察しがつくかも知れない。

スカイプを起動させたまま、単純に2時2分を待っている。


彼女がログインしたからといって、きっと互いに何か話すわけではないと思う。

ただ、彼女がログインした時に、自分がログインしていたいだけの話。

昨夜の彼女がログインしていた理由は分からない。

それを聞く事もできない状態だが、ただ待っていたかった。


今朝、職場に到着後に上司に昨日休んだ理由を書いて、メールする。

こんなこと、本当は良くない事なのを分かっている。

だけど、どの道昨日は出勤しても脱皮の終わった虫の抜け殻の様な状態だったに違いない。


今の自分が家に帰ってきてからする事は、彼女に薦められた映画を見るか、ゲームをする事くらいしか本来は無い。

後は、素敵な先輩が教えてくれた映画やアニメを見る事。


しかし、現状においてそれらはあまり自身に意味が無い。

見ることはできる。

内容も理解できる。

しかし、その物語に何かを感じる事ができない。

故にそれは、その物語を作った人にとって、この上無い失礼な行為になると思う。


そんな帰宅してからの時間を埋める為にも、これを書き始めたわけだが、何とも書きたい事が多くて、それをうまく書けなくてもどかしい。


しかし、別のすべき事を始めた。


今朝、職場で起床後。

自分は、相変わらずの虚無感と寝不足からくる眠気で、相変わらずの状態だった。

それなのに、そんな中で始業時間の開始直前に彼女が来る事が多いため、職場の入り口付近の喫煙所で彼女を待っていた。

待ったところで何を話すわけでもなく、場合よっては挨拶も無しに素通りかも知れない。

もしくは、彼女を見た瞬間に、自分がその場を去ってしまう気もする。


結局のところ、彼女は今日は休みの様で来ることはなかった。

何度も何度も振り返りながら、職場に戻っていく自分が何とも情けない。


ただ、自分は彼女を見たかった。

指輪を着けて、気持ちに整理をつけた様に自分も思えたが、実際には何も変わっていなかった。


彼女を見ることもできなかった事が、一層自分を追い込んできた。

社内の社員情報から彼女の顔写真を携帯に移動させて、ずっと眺めてた。

入社時に撮る社員証用の画像など、自分が知っている彼女の様に美しくはいかない。

でも、自分の頭の中に残る彼女の笑顔や、様々な表情よりも何故か愛しく思えた。


煙草を吸いに行くエレベーターの中や、休憩時間など四六時中眺めていた。

画像の彼女が笑うわけでも、話しかけてくるわけでもない。

そんな事をしたところで、何が変わるわけでもないのは十分に理解できるのに、そんな事をずっとしていた。


今の時点で時間は2時21分。

きっと、彼女は今日は彼と会ってて、疲れて眠ってしまったと考えるのが妥当だと思う。


それはともかく、この時間まで、只々ぼんやりしていたわけではない。

こうして、これを書くように、昨日も過去に書いた小説をこの場所に移す作業をしていた。

そして、今日も更に過去に書いた物を復元する作業をしていた。


この行動こそが、今日の後半の自分を変えてくれた。

上にも書いた、素敵な先輩がいたからこそ、成り立つ今の現状。


その先輩の詳しい経歴は、正直なところ詳しくは知らない。

雑誌や物語の編集をやっていた凄い人という認識をしている。

その人に、この場所で新たに物語を書こうと思った事などを話した。

そして、今から9年前に書いた物語の復元と編集を手伝ってもらう事をお願いするに至った。


何年か前に、自分のホームページを作った際に、復元作業に挑んだものの、その時はOCRなどの手段もなく挫折した。

そして、今になって再度、本格的に紙に印刷されたその物語をデジタルに写す事を決めた。


今の自分は本当に何も無い。

そして、何かを自分が得る事はきっとできない。

だから、何かを生み出し続けるしかない。

得られないままで、無駄に時間を過ごすなら、生み出す事に時間を使えばいいだけの話。


明日もきっと、彼女の画像を見ては、どうにか過ごすのか、分からないが、それよりも自分が何かを生み出す事で、少しでもこの虚無感を紛らわす事ができるなら、それは「単純に待つ時間」ではなく、「有意義な自由な時間」にする事ができるのではないかと思う。


彼女への気持ちを無くしたり、それから目を逸らす事はできない。

だから、素直にそれはそれで辛くても、辛いときこそ自分は生み出す事ができるのを知っている。

近いうちに音楽も絵もきっと再開するのだと思う。


昔はずっと辛かった。

だから、昔の自分は今の何倍も様々なものを生み出した。

今は昔と違って、生み出すための物はかなり揃っている。

だからこそ、昔の自分に戻れたら、この時間があった意味を残せる様な気がする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ