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2009.07/28 0611

結局、昨夜は眠る事はできなかった。


もしかしたら、1時間くらいは休んだかも知れないが、時計を見た時は5時を過ぎていた。

これから寝ても起きるのが辛いと思い、眠らずに出勤し会社で始業時間まで休む事にして、支度をした。


シャワーを浴びて、歯を磨いて、服を着替える。

そんな何でもない事が、面倒で、それでいてすがすがしい気持ちになった。

きっと、全てを洗い流して、何か自分を新しくする決意を着る様な気持ちなのだと思う。


そして、そんな自分は外してしまった指輪を再度着ける事を決めた。


自分にとって、この指輪は幸せと、自分が自分である証、そして、彼女が教えてくれた自分が自分でいていい証、それはつまり、自分が生き続ける理由の象徴。

それに自分は彼女に「待っている」と言った。

待っているだけの彼女がいない時間が辛いから、彼女は「それを思い出さないためにも外した方がいい」と言ってくれた。

だが、彼女はそれを言う前に、「着けててほしい」と言った。

自分が彼女を本気愛して、本当に待つ事ができるなら、指輪を外す事はただの逃げになる。


確か一週間程前に、昔少しだけ親しくしたファンの女性から着信があった。

その時、自分は電話に出る事はしなかった。

その女性が自分のファンから始まっている事から、自分を気にかけ、好意を持ってくれている事は知っている。

そして、自分も嫌いなわけではない。

その女性に、今ならまだ連絡を取れると思う。

そして、そういう立場上、自分は誰かに頼ってしまいたかったり、寂しさを紛らわすだけなら、不自由はしない。


だけど、そんな事はしない。

それは相手にも失礼な事で、そしてそれが逃げである事を分かっているから。


指輪を着けた以上、自分は彼女の言う通り、彼女との時間を忘れる事はできない。

この指輪が視界に入る度に、彼女の笑顔を思い出す。

それでも自分は逃げたりしない。


自分はこの一カ月の間、まともな食事を殆どしてない。

彼女と一緒にいる時だけは、食事が喉を通るだけ。

それ以外は、殆ど食べない状態になっている。

きっと、これからもそれは続く。


今は夏。

普通に生活しているだけで脱水症状を感じるほどに、口からの物質の吸収を拒んでいる。

きっと、自分は倒れてしまうかも知れない。

それほど、自分は彼女の事を考えていて、彼との事が辛くて、彼女を愛しているのだと思う。


だから、この指輪を外さなくてはいけない状態になるまでは、この指輪を俺は外さない。

「嘘を着いたり、騙したりはしない」と約束した。

だから、「待っている」も嘘にしない。

そして、自分の気持ちも騙したりはしない。


変わらないままの君でいてほしいから、自分も想いも自分自身も、何も変えずに待っている事にしようと思う。

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