第六十七話 冬の精霊王からの祝福
ベビードール、という物を貰って。
その日はゼロと一緒に寝る約束をした、絶対に手を出さないからと言われ。
ひらひらの純白なベビードールは透けていて、レースや金糸の刺繍がふんだんに遇われ、透けてさえいなければちょっとしたドレスみたい。
着てみたらスケスケだから肌や、身体のラインが露わになるから私は恥ずかしくなったけれど、約束だしとゼロに「どう?」と着替え終わったら見せてみた。
「……成る程。成る程、成る程」
ゼロは一瞬で真っ赤になり雄牛さんになっていた。
私は照れくささに両手で肩を隠しても隠れる訳のない身体のライン。
どうすればいいか分からず、ゼロが呼べばおそるおそる近づき、布団に滑り込み隣に横になる。
「あ、私のベッドより柔らかいのね」
「そうか? ふむ。ふむ!! 中々良い光景だな、谷間まで見える」
「……ゼロのえっち」
「そういう反応は余の前でだけしかしないと約束してくれ、可愛すぎて気が気でない」
ゼロは雄牛のまま私を抱き寄せ、そのまま眠りに就こうとするけれど。
ゼロの心音が聞こえて温かみに微睡みと、覚醒を覚えて、私は眠い中でも目が冴えてしまっていた。
「ゼロ、休暇で何処行きたい?」
「お前の望むままに」
「私はゼロが行きたいところに行きたいの」
「お前が居る場所が余の望む場所だ」
手の甲にキスする頃には人型に落ち着いて、ゼロは蕩けるような笑みを送ってくれて私は照れくささにゼロの胸の中に隠れてそのまま「おやすみ」と告げた。
次の日、確かに朝だけどやたらと眩しいと思ったら、ゼロと冬の精霊王が話し込んでいた。
『寒がるのではなく、雪まで楽しむとはな。あっぱれ、認めよう、魔物の王、炎牛よ!』
「もう火は使って良いのか?」
『ああ。他の精霊にも話は通しておこう、季節の精霊がそれぞれ気紛れにやってくるだろうが、忘れるなよ。我ら冬の精霊はお前たちこそが人間との和解してくれることを望むと』
「感謝つかまつる」
『ところで貴殿の花嫁はいい身体をしているな』
「見るでない!!!! そう安いものではないのだ!!」
『はっはっは、良き物を見させて貰った礼はしよう』
ゼロの一礼からの威嚇に突風を起こした冬の精霊王はその場から消え去っていた。
桃の色の雪が咲いていた場所には、それぞれ花が咲き、見事な桜であふれかえった。
春の訪れってきっとこういう感じなのかもしれない。
窓辺からゼロと二人で並んで、何となく温かみに私は微笑んだ。




