第四十五話 従属
後日、また突風が窓を叩く。
ゼロは目を細め、私は小さく頷くと、窓をあけ、声だけで存在するユリシーズの来訪を許した。
「さて、素敵な呪いをありがとうなあ、お陰で寝不足が解消された」
『ゼロおおお……貴方は、私のおお……』
「ユリシーズ、それからヴァルシュアもついでだ。此度は一つお知らせを二人の魔王にな」
『なによおおお……』
「余は人間の味方となることとする。お前たち魔王とは相反し、敵対することを決めたよ」
『なんですってえええ?!! そんなことが許されるとでも?!』
「許されなくてもするさ、それが余の花嫁への誠意だ」
『貴方魔物達を敵に回すわよおおおお、諦めなさい。人間だってえええ受け入れてくれるわけないじゃないのおおお……』
「さて、そこで問題だ、ユリシーズ。そこの魔物の娘の魂は何だったと思う?」
ゼロはにこりと穏やか笑みで宣戦布告を申し出た。
「我が花嫁は勇者の妹だ、和解の鍵となろうな? 素晴らしき花嫁だ」
ユリシーズは散々呪いの言葉を吐いてから立ち去った。
ユリシーズが出て行ってから窓を閉め、私はゼロへ視線を戻す。
「本当にこれでいいの? ゼロ、貴方はいいの?」
「我が乙女の夢は、余の夢だ。それが夫婦というものであるんだろう?」
ゼロは私を後ろから抱き寄せ、首筋にゆっくりと歯形を埋め込む。
痛みにびくっとするも、ゼロは嬉しげに私を食むものだから、心臓が五月蠅い。
どくどくと早鐘を打つ。
「祝福は一人でも多い方が好ましい」
「でも、貴方の領地の魔物から反対意見は?」
「そんなもの、我が乙女自ら余を治す絶対無謀である花を取りに行ったときから、皆は心を決めていたよ。お前になら余を、魔物を任せて良いとな。あのセバスですら、お前を応援するとのことだ」
ゼロの言葉に私は驚き言葉を失う。
ゼロはそうっと私をゼロに振り向かせ、キスを贈ってきた。
「お前を皆が認めたということだ」
私は嬉しくなって、ゼロに抱きつきうれし泣きをし、ゼロは宥めてくれた。
その日はお祝いし、一日ずっと夜通しで騒ぎ続けてしまったお話。
正式に次の日、城にいる全魔物が玉座の間にて私へ忠誠を誓った。
シラユキとラクスターを筆頭に、他の魔物も傅く。
「我ら一同、お妃様に従います、何なりとご命令を。我が王に、祝福あれ!」
全魔物から、ゼロとの仲を認めて貰うことは成功したようだった。




