彼女の寝顔
2人の表情や感情が乱れはじめる巻になっています!
是非最後まで読んでいただきたい!
来週の金曜日、俺たちのクラスは校外学習で演劇を見に行く事になった、校外学習となるとテンションが多少なりとも上がるものだ。
俺に関してはその手のものは大好物で授業を受けなくて済むなんて素晴らしいと思う!
会場までに行くには貸切バスで向かう、この学校は意外と校則が厳しく、バスの席は基本出席番号順に座る事になっていた。
俺の隣は芹澤だ。彼女は演劇を観るのが初めてらしくてすごく楽しみだと前々から俺に熱弁してくる。俺も演劇を観るのは初めてだけど、そこまで楽しみではなかった。
『ねぇ、はる、昨日も楽しみで演劇の動画見たりレビューとか見てたんだけど、やっぱり生で観るとすごいらしいよ!楽しみだよね』
「今日はテンション高めだな。そんな芹澤初めて見たわ」
と俺はそこまで楽しみではなかったのでいつもと違う芹澤に若干ひよってしまった。
会場に着くとそのままトイレ休憩をとり席に案内された、もちろん席は出席番号順で芹澤は俺の隣。
劇が始まるとその凄さに俺は圧倒された、いままで感じた事の無い感情や音の刺激、体にズンとくる何かに圧倒されてた、そんな俺を現実に引き戻したのは芹澤だった。
なんと授業中でさえ寝ない芹澤が俺の肩に頭を乗せて寝てしまっていた。最近。楽しみだからと言って寝不足気味になっていたのかもしれない、昨日も上手く寝付けなくて遅くまで起きていたらしい。
でも芹澤の右隣は女子で芹澤とも仲が良いのにどーしてこっちに頭乗っけてくるんだよ!せっかく演劇の世界に入り込めていたのに!と思いつつ。
起こすべきか寝かせるべきか悩んで芹澤の顔を覗き込んでると、普段口うるさい彼女がすやすやと眠っている顔を見て〝すげぇー可愛い〟と思ってしまった。
正直今起こすのは勿体無い気がしたので、起こすのをやめて演劇そっちのけで彼女の寝顔を見ていた。
演劇が終わって照明が明るくなるとハッと彼女は目を覚ました、慌てたそぶりで周りを見ていた。
「お前ぐっすり寝てたぞ 笑 ブッサイクな顔で寝てたから笑い抑えるので必死だったよ 笑」
『えっマジ。最悪はるに寝顔見られるわ楽しみにしてた演劇見逃すわで最悪!なんで起こしてくれなかったのホント最低!』
「おいおい、自分で寝てて逆ギレすんなよ。起こして上げようと思ったんだけどあまりに気持ち良さそうに口開けて寝てたからついね笑」
『最悪…』
そう言って芹澤は泣きそうな目で俺を睨んできた。
帰りのバスの中は終始無言だった。俺は芹澤の寝顔を思い出す度ににやけそうになって堪えるのが精一杯だった。でも泣きそうな目で睨みつけられた時を思い出すと若干胸が痛かった。
文化祭の日がやってきた、俺たちのクラスは王道だかお化け屋敷をやる事になった。
行事事は好きだが、そう言った真面目に準備しなくてはいけないものは、サボってしまう癖があって準備には一切参加しないで部活に顔を出していた。
ある日部活動の友達から先日芹澤に告った奴がいたらしくそれも実は、芹澤は何人かにも既に告白されていたらしかった。
文化祭当日、準備を全くしなかった俺は芹澤にキレられながら一緒に受付をしていた。
そこで俺は告白の噂を確かめるべく直接芹澤に聞いてみた。
『えっ誰から聞いたの…まぁ何人かに告白されたよ。』
終始…無言…
「あははっやっぱりホントだったんだ。でもあれだなお前見たいなすぐ文句つけてくる女に告白するモノ好きな奴もいるもんなんだなぁ笑…」
…
「えっ。で、OKしたの。」
『してないよ…』
彼女の様子はいつもと違って見えた。いつもなら何が口うるさい女よ!アンタがうるさくさせてるんでしょ!とすぐ怒鳴ってきてもおかしく無い状況なんだけど…
「芹澤好きな奴とかいんの。」
『はっ!気持ち悪!はるがそんな事、真面目に聞いてくるとか!私そーゆーのあんまりわかんないからさ!』
「なんだよ気持ち悪い!ってそーゆー感じの雰囲気かな!って思ったんだよ!」
いつもの芹澤に戻ったのかな。一体さっき芹澤は何を思っていたんだろう。
早く芹澤さんを下の名前で呼んでいただきたい!
そんな気持ちで只今執筆中でございます。