3話 いっぱい出すぞえいえいおー
三が日が終わる・・・
同僚もそろそろ休暇が終わることによってまた死への階段を一歩ずつ上っていくのだ!!
エリのおもちゃ宣告から一夜明け僕は状況をひとまず再確認しようと思った。
どうやらここは日本ではなく僕は方法はわからないが異世界に飛ばされた。
そして僕を召喚した張本人は僕のことを殺すつもりはなく自分の玩具にしようとしている。
「・・・今のところこれくらいかぁ」
ひとまず部屋の中を探索してみて何か役立ちそうなものでも探そうかなと思ったら
ガンガンガンッ
扉を強くノックする音が聞こえた。
少し経ったのちに扉が開かれエリが入ってきた。
「おはよう、よく眠れたみたいね。」
「お、おかげさまで」
エリは微笑みながら
「そんなこと気にしなくていいのよ。よく眠れたでしょう。この町で買えるものでも最高級の寝具なのよ。」
藤木はエリの目的がさっぱり分からなかった。
自分のために衣食住、しかも最高峰のものを用意し、それでいて自分には何もするなと言ってきた。
藤木は素直な男ではあるがここまでされるとさすがに疑わざるをえない。
「あ、ありがとうございます。とてもよく眠れました。」
エリはますます機嫌を良くし
「そうでしょう、こんな環境普通じゃ味わえない待遇よ。」
「一つ聞いてもよろしいですか?」
「何かしら。何でも聞いていいわよ、なんせ私はあなたの主人なのだから!!」
「なぜ僕を召喚したのですか?」
「よく聞いてくれたわね!!あなたはこのラングの町で最も優れた人間は誰だと思う?」
藤木はとてつもなく尊大な女だなと思ったが、正直な話来たばっかりで何もわからない人間に聞くことではないと思ったが、エリの性格を考えればほしい答えは決まっている。
「エリさん・・・ですか?」
その答えを聞くとエリはまさに満面の笑みで
「そうよ!!私はね若干26歳でこのラングの頂点に立ったのよ!そんな私に召喚されたのよ
光栄に思いなさい!!」
「エリさんが素晴らしいことはわかっています。僕が聞きたいのはなぜ僕を召喚したのかということです。」
「ふふふ・・・私はね美しいものが好きなの。」
この女は唐突に何を言い出すんだ?
「私の身の回りの物を見れば分かるはず、この世のね、美しいと思えるものはすべて集めたわ!!
でもねどんなに集めても満足することはなかった。そしてね気づいたのよ。
この世界にはすでに私を満足させるものは存在しないということに・・・
だから呼び寄せたのよ!!外の世界からこの世で最も美しいものをね!!」
あまりにも衝撃的なカミングアウト・・・美しい?誰が?
自分は正直なところ容姿を褒められた経験はない。
むしろ不細工と呼ばれる分類である。
そんな自分が美しい?にわかには信じられない。
「ぼ、僕が美しいですか?」
「そうよ!召喚したときにあなたを見て全身がしびれるかと思ったわ。
あなたこそまさしく美の化身よ!!一生逃がしはしないわ!!」
この女はやばいが自分にはこの世界に対する知識が存在しない。
どうにかしてこの世界のことを知り、元の世界に帰る方法を探さなくてはそのためには・・・
「は、はい・・・よろしくお願いしますエリさん・・・」
従順なふりをしていつか逃げ出してやる!!