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学校は俺が守る


 入学式会場に向かう途中だった俺は後ろから突然呼び止められた。


「アレス君だね」


「はい、貴方は?」


「この学校の教頭をやっているスネークラだ、校長から君に話しがあるそうだちょっと来てくれるか?」


「はあ?」

 俺はなんだか分からないが入学早々、校長に呼び出されたみたいだ。

 何か嫌な予感しかしないんだが行かないわけにも行かず、俺はこのクネクネと歩く教頭の後についていった。



 校長室と書かれた部屋に案内されると教頭は部屋を出ていき俺と校長の二人きりになる、なんだ、まさかこの親父そっちの趣味があるとかじゃ……。


 目の前の校長は恰幅のいい男で恐らくは昔それなりの戦をしていた様なイメージだった、襲われたらヤバイな、逃げる準備だけしておこう。

 

 しかしあの眼、笑っているが眼光鋭く俺は見た瞬間凍りつく感覚に襲われる、ヤバイな逃げ切れるか?。


「いや、良く来てくれた、アレス君、君は我が校最初の生徒でしかも入学成績(体力)1位という輝かしい成績で合格しエリートクラスに選抜され、我が校の最も期待出来る生徒として迎えられわたしとしても嬉しい限りだよ」


「俺1位だったんですか? へーー」

さすが俺様だな


「そうだ、君はこの学校、いやこの国、いやこの世界でもエリート中のエリート、期待の星だ!」


「ほうほう」

 まあ俺様だからそうかもな、あっちの世界でも走れば陸上関係者がボールを投げればプロ野球のスカウトが集まり、格闘技も各団体から誘われたしな、でも俺は勇者になる為に全てを断りここに来たんだ。


「そんな君に私から折り入って頼みがあるんだ」


「頼み?」


「ああ、今我が校は大変なピンチに陥っている、我が校を救えるのは君しかいない、君にしか出来ない事だ、我が校のエリートの君にしか」


「えっと俺に出来る事なら」

 なんだ? 入学早々任務か指令か? そしてエリートの俺様にしか出来ない事、そこまで期待されてここで断っていたら勇者所か戦士にだってなれねえ。



「本当かね、では今学校から馬車と使いの準備をしている、準備が整い次第向かって欲しい」


「えっと……わかりました」


 俺は分けも分からずに入学早々校長の命令で任務を与えられた、やっぱりエリートは大変だな、でもこれも勇者になってハーレムを築く為だ!



####



用意された馬車には教頭が乗っていた、使いって教頭?


 そして俺が乗り込むなり凄い勢いで出発、俺は馬車の中で転げ回った、おいおいなんだこれ、夜逃げでもするのか?


 そして教頭は何も言わずに馬車を引き続ける。

 

 何が何やら全く分からない状況、教頭は恐らく殆んど寝ずに馬車を走らせていた。


 そして一昼夜がたった所で不意に馬車が停まった。


「アレス君着いたよ、降りたまえ」


「ほえ?」

寝てた俺は馬車が停まり教頭に話しかけられ目を覚ます。


 馬車から降りると教頭は俺に仰々しい鍵となにやら筒を渡してくる。


「このまま行けば森を抜ける、そこには城がある、この鍵を持ってその城に入り、そこに居る者にこの書簡を渡して欲しい」


「それだけ?」


「そうだ、頼んだぞ」


 そう言うと教頭は馬車を走らせ今来た道を戻って行く


「え、ちょ、ちょっと待ってくれ帰りは?」


 俺はそう言ったが聞こえなかったのか、何も言わずに馬車は森の中を走り去って行った。



「何なんだよ一体」


 俺は仕方なく言われた通りの方向へ森を歩く、暫く歩くと何か異様な気配が漂う、この世界に来たとき町に出るまで何度か出会ったモンスターの居る気配。


 ただ前と違うのは襲われるというよりは、見守られている様な感覚だ。

 そしてその気配がどんどん強くなってきた所で大きな城が目の前に現れた。

「なんだここは?」

 普通の城とは違う何か仰々しい様な、おぞましい様な雰囲気。

 

 そう、ゲームで言えばラスボスが居るような城。


 まさかまだ学校に入学生しただけの俺に、いきなりラスボスと戦う任務なんて馬鹿げた事は言わないだろうなとその城を見上げながら思ったが、ここでじっとしていても仕方がない。


 俺はそのまま目の前の門まで歩く、そして恐らく渡された鍵で開けると思われる鍵穴がそこにあった。


 俺は少し躊躇ったがその鍵穴に鍵を差し込んだ。


 目の前の門が『ギギギギギギギギギギギ』っと不吉な音を出して開く、俺は身構えた、ヤバい本当にラスボスが出てきそうだ……


 すると中から出てきたのは……美しいとても美しい金髪ボンテージ美女だった。


 なんだ吸血鬼か? そんな雰囲気の美女は俺を見ると微笑み一度丁寧なお辞儀をした後顔を上げてこう言った。

 

「あなた様のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか」


「ああ、えっと俺は、アレス、アレス勇一だ」


 「お帰りなさいませ……新たなるマスター、アレス、ここは今から貴方の城となりました、私はベルセポーヌ、ベルと及び下さいませ、私はこれよりアレス様のシモベとなります、何なりとお申し付け下さいませ」


「は?」


「只今を持ってこのお城の名は、魔王城アレスとなります」


「魔王城? アレス? え? ええええええええええええええええええええええ!」



挿絵(By みてみん)

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