余命(200文字小説)
余命あと僅か。
病気のせいでもう両足が無い。
心残りもない。
最後はあの天使の様な看護師に看取られたい。
そんな事を思いながら、病室の窓から外の景色を眺める。
「検温ですよ」
彼女だ。
「苦しまずに逝けそうだ」
「何バカな事を言ってるの?」
「聞いてしまったんだ。君と先生が話しているのを」
「いつそんな話を…あっ!」
「やっぱり…」
「それってウチで飼っている金魚の話よ」
「えっ?」
「だいたい、幽霊が死ぬわけないでしょう」
こんなのがホラーで良かったのか…。