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EP0-0・ウツロインザドリーム

雨だ。

そんな鬱陶しい天気の日に、遥か昔は、こんな歌をよく聞いた。お婆ちゃんの歌だった。







天のはしごを登る子よ その途で光と出会う子よ


遥か地上で流れ行く 川の源 教えよう





初めは一人の大男 鉄の力を持つ男


誰かに送る その誓い 誰かに貰う その痛み


初めは目玉を失くしたぞ 次に故郷を失くしたぞ


愛する人も失くしたぞ 次は何を望まれる


鎖の先の大男 哀しき勇者は なくしびと





鬼に恋した哀れ人 混ざる乱世を歩む人


与えられた もの一つ 引き金を引く 指一つ


鬼を殺して人もどき 苦しむ死人落ちる首


過去を殺して呪詛を受け 未来は確かに繋がった


共に生きるは遠い夢 うつつに儚く 消える夢





天のはしごを登る子よ その途で己を亡くす子よ


二つに分かつ その川の 枝の袂を教えよう





雷の翅 赤い影 去った人影 追う男


友は一人 影の中 目指す聖地は 贖い地


仮面のその下 隠すもの 血と一筋の 泪だけ


幾多の覚悟 死の億刺 羽撃く翅は 誰のもの


三つの世界と光闇 残す輝き 七つ星





暁の翅 青い影 宿命負いし 夢幻騎士


現すは星 光御子 宝玉の星 剣の化身


二つに分かつ 神の時 今この未来 定めよう


敗れる時間 その先は 傀儡と果てる 浮かび船


なれば真実 その先は 望む世界を 掴むのみ





天のはしごを登る子よ その途で己を殺す子よ


二つに分かつ この川の 光の先を教えよう





芸術の翅 光る闇 広げし翼 潜む笑み


盗む男は笑うだけ 穴にはまるは獲物だけ


操り少女を守り抜け 奪うことしかできぬのだ


舞台は全て 思うまま 欺け潜め 盗れ笑え


立ち上がる意思挫く日は 星の数すら決まるのだ





暗闇の翅 忍び翁 受け継ぐ身体は 何の為


剣を取るのは火の雫 剣と成るのは忍び衆


なれば剣は 誰が打つ 探せ見つけろ その鍛治舎


螺旋の檻の 底深く 眠る絶望 それこそ根


いつしか誰かを守るため その秘力こそを忍ぶため





漆黒の翅 走る人 車輪は回る 星を超え


競う人々 荒れ狂う かの栄光を 掴むため


世界を失くした 虫一人 過去の光は 遥か先


色を遺した 御者の術 虫はひたすら 学ぶだけ


新しき火と 絶つゆかり まだ見ぬ場所へ いざ行かん





天のはしごを登る子よ その途で光を殺す子よ


二つに分かつ この川の 闇の行く先教えよう





彩りの翅 哭く拳 唸る足技 食らう口


髑髏の住まう その庭は 外には出れぬ 箱の庭


囁かれるのは いびつ神 狂う目玉を 愛す神


汚物と溶けし 人の群れ いつからこの世は 腐れだけ


望むなら知れ 庭の外 地獄の意味を 思い知れ





白銀の翅 誰が呼ぶ 終わる世界に くだる王


原初の焔は 幾度なく 命を焼きし 証なり


その成り立ちは影にあり 呪いが守る その血筋


残る頭はいくつある 世界の息を 確かめろ


生きているなら日を戻せ 死んでいるなら夜を明かせ





天のはしごを登る子よ 果てで運命を決める子よ


川は再び重なって お前の元へ繋がった





終焉の翅 巡る時 黒き怪影 摩天楼


八つの誓いを求むのだ 使命は一つ 目を覚ませ


星の音色を知るのなら それが標 我が願い


月の欠片に見るがいい 世界の終わりは幾度なれ


一度は愛から手を離せ 思いは消えて失くならぬ


されど記憶は殺すべし 数多の願いを殺すべし


天の使いが鐘鳴らす 罪人たちは今揃う


再びまみえたひかりびと 次こそ夜の明ける時







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