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面接終了

さて困ったことになりやがった。どうやら俺はこの世界始まって以来の大任を任され、それと同時にすさまじい大罪を犯そうというのだ。それは俺のような男がするべきことではなくほかの誰か、たとえば、死神なり、神仏の類がすべきであろうことなのだ。こんな命令をされては、この世界から解放されるのが遅れてしまう。


「もうしわけないのですが、ほかの命令はありませんか?」


「それはナニ?拒否するっていうの?」


「いえ、まぁはい」


「貴方、誰に話していると思っているの?」


「や、もちろん大変おそれしらずなことをしているのは百も承知なのですが、ここはなにとぞほかのことを・・・」


「たとえばナニ?人殺し?それは無理、私の補佐?それには頭が回らない、護衛?それならいうけどあなたは蟻よりも弱いわよ?なんなら試しに勝負したらどう?五分で木端微塵ね」


「いやですから、私のできる範囲でということで」


「私の目に狂いはない、それに無理なことは言わない」


「そんな、過大評価ですよ」


彼女はあきれ果てたように俺に言った。それはおれが常識外れな言動をしたからだとのちの説明で俺に教えてくれたが、俺からしてみればたかが俺のような人間にそんなことできるはずがないと異議を申し立てたいところで、しかし彼女はそれを雰囲気から察するとすり足で俺に近寄り、そして耳元で囁くように言った。


「何様なの?貴方は仮にもあなたは私の家来なのよ?どうも優しくしすぎてしまったかしら?貴方は今ここで殺されてもおかしくない、ましてや、あんな焼き付け刃で覚えた敬語でも十分無礼なのに命令拒否までできるの?これはまたすごい言い分ね、これは殺すしかないか、いやむしろ殺す判断材料しか私に与えてないものね、それともこの状況を打破するものを持っているのかしら。そんな面白さはみじんも感じないけどね、どうも子供っていうのは一回おだてると調子に乗ってしまってしょうがないわね、もうあなたに期待することなんて何もないわもう切りなさい腹、それかどこか体を損壊しなさい、それがここでいう謝罪というものよ?」


胸元をえぐるように彼女は指でおれをつついた、そして押し倒す。それは流れ作業のように円滑に進み、またそれによって俺の生存も怪しくなっていった。そしてまた指でつつきながら話し始めた。


「あんたは、命令を、ききたく、ないだけな、わがままで、怠け者で、雑魚で、弱者な、救いようがない豚ね」


「・・・」


「あなたあっちの世界でもわがままじゃなかった?人のゆうことの意味も分からず聞かないくせに育ちざかりとか言って家族で一番無駄飯食って責任を自分で取れないからってご両親にかぶってもらって知らん顔、しゃべればすぐに嫌味しか話さない小悪者私から言わせれば束縛がどうとか教育施設のレベルがどうとか関係なくそういうやつは幼稚な性格よ」

そういうと、彼女は自分の懐をまさぐって短刀を取り出しおれに突き出した。


「なんだよ?なんだ無理なのは当たり前だろうがよ!」


そういって俺は彼女を蹴飛ばし思いっきり立ち上がった。


「口を開けば憶測だけで判断しやがって!大体命令拒否は無理なことを言ってるから拒否してるだけじゃねぇか!」


「じゃぁなんだったらできるんだい?自己表現も満足にできないあんたにどれができるのか聞かせてみろ」


「皿洗いでも掃除でも頼めよ!そういう役だって重要だろうがよ!」


「そんな畜生みたいな仕事はだれでもできるんだよ、あんただけでしかできないものは何だ」


とうとう彼女も頭に来たのか修羅の顔になりつつあった。そう、鬼だ、無表情から無邪気な笑みに代わったのだ。歯を出してニコニコと笑いながら問い始めた。


「ねぇのか、ねえだろ最低でもよ自分で見つけられんのだろ?自分の才能ってやつがさぁ、まぁそうだよな今までそれを隠すために将来の夢とか書けなくなっちまうんだもんなぁ」


「・・・」


「それならよ、せめていうこと聞いて実行するくらいの最低限の能力はつけろ、何も才能を見つけることができないのが悪いといってるんじゃねぇ、あるかどうかも分からないのに過大評価して自分を称賛するそのキモイ童心を捨てろって言ってんだ」


「・・・」


「さて聞いてなったわね」


彼女はそういって自分の玉座に戻った。


「貴方は何ができるの?」

「・・・するわ」


「なに?」


「その玉座に座る男になってやるわ!」


「なら実行しなさいこれは命令よ」


そういうと、彼女は使いのものを呼び俺を屋敷から出させた。おそらく彼女のゆさぶりにかけられ俺は本能的に行ってしまったに過ぎないだろう。だが、それが俺にできることだと俺は思う。ならばやるしかない。国盗り合戦を。


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