止まったし 家を探索する。
しかし、俺にはまだ気がかりなのが一つある、それは何かというと我が家にあるパソコンだ。あれは今からさる四年前のことだ。まだ現実を受け入れることができない俺は自分の部屋に入り、「これは夢だ」と心の中で反芻するように念じていた。そしてベットで寝ようとした時だった。青い光を見たのだ。それはゆうまでもなく俺のデスクトップパソコンの電源ボタンから発せられているものだ。これは神のおぼせ飯と思いスリープ状態にあったパソコンを再度開いたのだ。するとどうだろう。パソコンは色あせることなく俺に情報を公開しその色彩豊かなスクリーンでフリーズした現状を教えてくれた。
「くそ!なんだよ何だってんだ!この世界はまともに動く機械は何もないのかよ!」
と、同時に再起動した画面がそこにはあった。
「記録中、俺は今、そのパソコンについて話そうと思う。始めは喜んでいた、なにせこれのおかげで俺は日時を把握することに成功したのだ、そう。動いているのだ、しかしそれもつかの間俺は今日に至るまで不思議に思うことがあった、そうなぜ動くかについてだ、おれはいろんなことを考えた、俺同様に宙を浮いていた、はたまた、このパソコンには特殊能力があるなど考えは単純になるだけで答えにはあらない」
そういって一度録画をやめパソコンの画面を見る。そこにはこれと言って変わりないデスクトップとダブルクリックさえすればインターネットにつながるのだ。もちろんさる八月より更新はしていないのだが。
だが、これが異常事態なのは十分に理解ができた。なぜ通信が切れているのに見ることができるのかという現実、そしてどうして維持できいるのか、すでに矛盾まみれであるが最近ある結論に達した。これはおそらく「冗談抜きに誰かによって介入され実行されている」ということだ。そうでなければこんな結果にはならない。
だがそれら四年間のパソコンの見解については妄想で終わりそうだと思うこともある。圧倒的に情報が少なすぎるからだ、そうこう考えてパソコンの時計を見る、それは現実であれば夕方の時刻を指していた。
「窓」が壊れてないか見ようと思う
冷静に考えれば、時間が止まった世界でものが壊れるなんてことはありえはしない。それは幾多の実験により立証したことであるし当然のことでもある。そう、常識なのだ。それを平気で破ることができるという異質な「影」は何とも俺の生活を邪魔する。
それはさる八月の午後七時を四回ほど、いや「四日」ほどの時間を過ごした時だった。夏ではあるが、午後七時ともあれば電気がついている、俺はその日、何か動かせるものがないかリビングで探していた。その時異変を感じるのは瞬間的だった。
それは床に机椅子などから黒い毛虫?蛇?かわからないものが有象無象と揺れていたのだ。しかし触ろうとしても触れずきずけばそれは「カゲ」なのだと判断した。しかし影というのは揺れ動くことなどありえずまたその物体と同じ形をしているはずだ。だがこいつらは物体から独立はできていないが自分で動く。俺は恐怖にかられ離れた。だがとっさにあることが脳裏をよぎったのだ。
では、俺の影はどうなっているのだ?
どうもこの世界は呼吸をやめる際、フンを落とす習慣があるらしい。
フンというのは窓の外、おれの家の窓の外でこちらをうかがっている「俺の影」である。それは日光がさすことによってできるものであるのが一般的な見解だ。だがこいつは四年前、家主である俺から独立したあの日俺を襲い始めた。始めはもみ合いが続いたが、最後は俺が主導権を握り、窓に蹴り飛ばしてやった。当然だが影に顔はないので表情こそわからないが俺はその日の影の起こした事はとても覚えている。まずあの影は壊れないはずの窓を簡単に壊してそのガラス片を投げてきたのだ。それは当たることはなかったが俺はその非現実的現象に瞬時に動くこともできずにいた。それは恐怖からくる世にゆう金縛りにあったのだろう。そこで一度交渉をしようとしたのだ。
「お前はだれだ?」
返事はない。
「なぜ俺を攻撃する?」
返事はない
「目的は何だ」
すると影は床に散らばっていたガラス片を取り、それを自らの顔に突き刺した、それは三日月とも取れるような軌道を取りそれは口となった。
これは 会話が生まれるかはたまた捕食されるかはともかくとして中学生という未熟かつ繊細な時期にある俺の精神力はもはや限界に来ていた。
「お・・・」
俺が話したわけではない。
「お?おなんだよ?」
「お・・・」
会話になりはしない。となれば一方的会話に切り替えよう。
「よし、何を言っているかわからんがお前はまず家主の家の窓を破壊するという大変重罪なる行為に及んだゆえに賠償責任は問わないから帰ってくださいおねがいします!!後窓直してください!」
もはやそこには文法など存在はせず、謝罪とも要求とも取れる発言がはっせられた。だがその時の遼太郎はもう涙腺崩壊とか全米が泣いたとかそういう
「お前うまそうだなぁ」
その声はかすれており男のような声だが捕食対象宣言を聞き取ったところで頭が真っ白になる。
「だが、お前はここの世界のものではない、ゆえに食うことはできない」
「・・・」
どしんどしん、そういう音がまどからではなく体から、心臓から聞こえるのがわかる。それは暑さが原因ではないこよぐらいわかっていた。