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少女、森の都

「やっと着いたな、いやはやどんなとこかと思いき や………」


首を回しながらボスはエルフ二人の住処、里とやら に到着した、辺りを見渡すと、月明かりに照らされて巨大な木々は青白く光り、その光は地上に降り注がれ、

夜でもあまり松明がいらないほど明るかった。


「すげぇな、幻想的だぜ、普段どんな住居に住んで いるんだ?」


ボスはエルフ二人に振り向き聞いてみた、エルフ二 人は仏頂面をして何も喋ろうとしない、ボスに睨ま れてからと言うもの、二人は不機嫌のままである。


「なにか喋ってくれてもいいんじゃないか? おい」


「…………そこら見りゃわかんだろ」


褐色エルフがそっけない態度でボスにボソッと言った、だが周りを見ても住居らしい住居は見渡らない。


「いや、見て分からないから聞いたんだよ、それとも何だ?硫黄島の日本兵みたいに穴掘って暮らしてんのか?」


ボスがそう言うと、褐色エルフはため息をつき、木を指さした、そこには木の枝の上に草と木の枝と長いつたで組み立てられた住居が合った。


「うわぁぁぁ……………なんとも不安定なとこに家を建てるのな」


「…………あんたみたいな物好きから守るためだよ、ほら、女王様に会いに行くぞ」


そう言って里のさらに深くまで歩き、見えてきたのは巨大な尊厳ある神殿跡であった。


「……………なんだこりゃ」


「アポライト神殿、女王様の城だ」


「これお前たちが建てたのか?」


「いや、前から建ってた、ここがエルフの里になるずっと前に」


褐色エルフの言葉にボスは腕を組み、神殿に圧倒されていた、神殿はまるでギリシャのパルテノン神殿を彷彿とさせ、これが古くからあると言うのだから驚愕である。


「とにかく、早く入れよ」


そう言って褐色エルフはボスの背中を蹴飛ばし、神殿の中にボスを入れた。


中は草花が生い茂り、神殿というよりは植物園と言ったところであった、天井は円形で、ガラス張りになっており、月明かりで神殿内は松明いらずなほど明るく、女王が座ると推測される玉座を照らしていた。


「おい、女王来てねえじゃねえか、どうなってんだよ」


「女王様はお前と違って公務に明け暮れてんだよ、平等に奴隷の分配もしないといけないしな…………と、女王様!」


褐色エルフが急に大声を出し、その場に跪いた、続いて色白エルフも跪き、ボスの手を引っ張って膝まづかせ、正面を向いた、ボスは色白エルフの視線の先を見ると、二人の従者と、多数の齢推定10歳も行ってない鎖につながれた少年を引き連れ、一人のエルフが玉座に座った、他のエルフとは違い、装飾品を付け、頭には宝石を散りばめた髪飾りをつけ、まさに王族、女王様という風格を醸し出していた。


「…………何か見つけたのかい?僕の期待に答えるような物を献上しに来てくれたのかな?」


玉座からニコリと笑い、収穫に胸をふくらませている様子の女王様に対し、エルフ二人は声を張り上げて報告した。


「「は! 実は女王様に許可を受けたまりたく思い、はせ参じました!」」


「…………許可?」


さっきまでの期待の表情から、一気につまらなそうになり、玉座に寝そべって女王は二人のエルフの話を聞いた。


「「はい! ここに連れてきた男、我々が捕まえた奴隷でありまして、是非とも我々にこの奴隷を使役する許可を!!」」


エルフ二人の嘆願に対し、女王は特に考え込む事なくサラッと言った。


「ああ〜、別に僕は10歳以下の童子じゃなきゃどうでもいいし、奴隷の分配も殆ど終わりかけてるし、うん、第30代目女王、アーシャ・メフィストの名のもとに許可するよ」


「「は! 有難うございます!」」


エルフ二人が頭を下げると、アーシャ女王はアクビをして立ち上がり、引き連れた少年達をみて舌なめずりをした。


「さて、僕はこの童子達と遊んでた最中なんだ、もう用がないならお暇させてもらうよ」


そう言ってアーシャ女王は少年達と従者を引き連れて神殿の奥に行ってしまった、すると褐色エルフは愚痴るように呟いた。


「チッ、なんでもかんでも美味しい所をとっていくな、女王様は」


褐色エルフがそう言うと、色白エルフが説教するように言った。


「こら、女王様の間でなんてこと言うんですか」


「だってよぅ、今頃あの童子達を寝室でメチャクチャにしてるんだぜ、しかも一番美味い年頃だぜ、羨ましい限りだよ………ふう」


「私達だって家に帰ればちゃんと奴隷が分配されてますよ、それに、今回はボーナス付です」


そう言って色白エルフはボスをちらっと見た、すると褐色エルフもちらっと見て、ニヤリと笑った。


「そうだな、そういやぁこいつの所有権だけどよ…………取り敢えず一日交代で使うのはどうだ?夜の世話と一緒によ」


「ふふ、そうしましょう、取り敢えず今日は貴女からでいいですよ?」


「ほんとか?やったぜ」


そう言って二人はふふふ、と腹黒い雰囲気を漂わせてポソポソと話しあい、ボスはただその様子を眺めていた。


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