第1話 死後の世界って本当にあるのかな?
不死者たちの復活祭の日。ある伝統あるお嬢様学園での仮装祭。
死後の世界って本当にあるのかな? って、そんなことを思ってしまうときがときどきある。(……、ちょっと、なさけないけど)
いつもとは違って、今日の(いつもは静かで清らかな光に照らされている)学園の中にはおばけみたいな『不死者』と呼ばれているものの顔や服装をしているかわいい(怖がらせると言うよりも、そう言ったかわいい感じのお化粧や服装だった)不死者の生徒たちばっかりがいた。(がやがやと騒がしくて、おしゃべりの声がたくさん聞こえてきて、なんだか本当に小さなおばけたちが夜の時間にみんなであつまって遊んでいるみたいだった)
それはなにか怖い病気が流行っているとか、科学的な病原菌が試験管が割れて外に出てしまったとか、そう言うことではなくて、今日が学園の伝統ある『仮装祭』の日だったからだった。
今年はおばけの仮装。とくに『不死者の仮装』をすると言うことに仮装祭の運営会議で全生徒による投票によって決まっていたので、みんな青白い化粧をして、目元は黒くぬって眠っていないくまのようにして、口もとは真っ赤にして、制服は少しぼろぼろになっているようにわざと破ってみたりして、(本当に制服を破るのでわはなくて、そう言うふうな手作りの仮装の衣装を制服の上からきていた)といったような感じだった。
お嬢様学園の高等部二年生の生徒である林ももちろん、不死者の仮装をしている。(本当はあんまりしたくはなかったのだけど)
すっごく仮装祭を楽しみにしている生徒たちがたくさんいるのだけど、林はどちらかと言うとあんまり楽しみにしていなかった少数派の生徒の一人だった。(みんなで騒ぐとかそう言ったことが少し苦手だった)
学園の正門のところには『不死者たちの復活祭の日』と生徒会長の手書きの文字で書かれている大きな大きな看板がアーチのようにして飾ってあった。
今年の仮装祭は不死者たちの復活祭、つまり死者たちの蘇りの日のできごとの仮装なのだった。
不死者とは『死なないものではなくて、死んでしまって蘇った死体』のことを言っているだ。(不死とはもう死んでいるから死なないと言うことなのだろう。生きていないから死なないということなのだ)
今年の仮装祭の提案をしたのはどうやら生徒会長らしいのだけど、なんでわざわざ不死者の復活祭なんて仮装にしようと提案したのだろうって、(そしてそんな提案が全生徒による投票で受かったのか)林はそんなことを口から血が流れている自分の青白い不死者のお化粧をした顔を大きな鏡で見ながら、(鏡にはちゃんと不死者の林の姿が映っていた)なんだか少し不満そうな顔をしながら思っていた。(せっかくならもっと可愛らしい仮装にすればいいのに。妖精たちの森と湖の宴とか)
「あ、見て見て! 林! ほらあそこ。たこ焼き売っているよ! ねえねえ、買っていこうよ!」
林とは違って仮装祭をとっても楽しみにしていたお友達の里が林の服をひっぱりながら(まるでお祭りの日を楽しんでいる小さな女の子みたいだった)とっても楽しそうな声で言った。
もちろんそんな里もちゃんと不死者のお化粧をしている。(怖い顔をしている林とは違っていて、すごく優しそうなにこにこしている不死者だった)
二人ともとても美しい花が咲いたような可憐なお嬢様で、林はどことなくつんとしていて凛々しくて、里は丸っこくてすごく優しい感じがした。
雰囲気や性格はあんまり似ていないけど二人はとってもなかよしで、それにはちゃんとわけがあって、二人はとっても小さなころからいつも一緒にいる幼馴染のお友達だった。




