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## 零細生活者の生態 ### 第二十六章 駅前での邂逅③
「貴方は最近この辺で良く見かける方ですね」
宮本の目が鋭くヨシオを捉えた。
深夜の駅を巡回する警備員として、ホームレスらしき人物の存在には敏感になっているようだ。
「近所に住んでらっしゃる?それとも……」
彼女の視線がヨシオの全身を舐めるように往復する。
穴の開いた靴。
垢の付いたシャツ。
無精髭。
これらすべてが彼の境遇を物語っていた。
「別に……」
ヨシオは言葉を濁した。
他人に説明するのが億劫だった。
「そうですか」
宮本は一歩近づいた。
「何か困り事はないですか?」
彼女の声は先ほどより柔らかくなっていた。制服の胸ポケットから何かを取り出す。
「困窮者支援ボランティア団体を紹介しましょうか?」
ヨシオは思わず息を呑んだ。
宮本の手には小さなカード。
そこには「市民福祉協会 相談窓口」と印刷されていた。
「必要ない」
反射的に断ったが、宮本は諦めなかった。
「本当ですか?」
彼女は真摯な表情で見つめてくる。
「最近は暑い日が続いています。熱中症などの危険もありますし……」
「心配しなくていい」




