表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ド底辺ホームレス中年男の俺が姪っ子に告られる!?  作者: やまけ〜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/86

## 零細生活者の生態### 第二十一章 四角関係の再来②


「よいしょっと……」


柚希の囁きとともに、


小さな影がテントから這い出してきた。


「おい」


ヨシオは小声で咎めた。


「何してる?」


「寝返り打ったら落ちちゃった」


柚希は無邪気に答えた。


「だからここでもう一度寝る」


彼女はヨシオの毛布の隣に潜り込んだ。


腕が自然とヨシオの胴に巻き付く。


「バカ」ヨシオは顔をそむけた。


「中で寝ろ」


「でも暖かいから」


柚希の呼吸が速くなる。


「叔父さんの匂い……安心する」


さらに—


**バサリ**


第二の影。紗月だった。


「私も……」


彼女は顔を赤らめながらヨシオの反対側に横たわった。


「眠れないの」


「何だこれは?」


は目眩を覚えた。


そして決定打—


**バササッ**


第三の影。


最も大胆に動いたのは花音だった。


「不公平ですわ」


彼女の声は密やかだが強さがあった。


「一人だけ優遇されるなんて」


彼女は巧みに二人の間に割り込み、


ヨシオの胸元に顔を埋めた。


「ちょっ……」


ヨシオは抵抗しようとしたが—


「お願い」


三方向から囁きが届く。


「このままでいさせて」


---


深夜の橋の下。


川の流れだけが時を刻む。


左には柚希。右には紗月。中央には花音。


三人の体温がヨシオを包み込む。



「これは……どういう状況だ?」


彼は天井を仰いだ。


「俺は夢でも見てるのか?」


「現実です」


花音の声が胸元で震える。


「逃げないでください」


「逃げるんじゃない」


ヨシオは静かに答えた。


「ただ……」


---


次の瞬間、


三人の少女が同時に力を入れて抱きついてきた。


肩を抱かれ、腰に手を回され、膝が絡みつく。


「暖かいですね」紗月が眠たそうに呟いた。


「こうしてると落ち着く」柚希の声が弱々しくなる。


「私たちは離れません」花音が宣言した。


ヨシオは長い息を吐いた。今夜は眠れそうにない。


「わかった」


彼はついに観念した。


「でも約束してくれ。明日になったら家に帰ること」


三つの頭が同時に上下する。


「そして……」


ヨシオは付け加えた。


「このことは秘密にしておくんだ。誰にも言わない」


同意の印に三つの手が同時にヨシオの腕を握りしめた。


---


星空の下。


川に映る灯り。


四人分の呼吸だけが夜を彩る。


「俺は何をしているんだ?」


ヨシオは自問した。


「どうしてこんなことに……」


だが答えは明白だった。


彼女たちのぬくもりが教えてくれた—


誰もが孤独に戦っているということを。


そして時々、誰かに寄り添うことでしか癒されない痛みもあるのだと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ