ゆうたくんとどうぶつえん
【作者より】
拙作は清坂 正吾さま主催の「ゴリラパーティー」(現在は企画終了)に参加する予定の作品でした。
書きかけでお蔵入りにするのはもったいないので、遅刻ですが、投稿させていただきます。
※ 今回の作品は他のシリーズの作品の登場人物がゲスト出演してくれているよ。どんな人たちかな?
詳細は「後書き欄」にて。
ゆうたくんは元気いっぱいの小学二年生の男の子。
今日のゆうたくんは朝からごきげんです。
なぜかというと……今日はお父さんとお母さんといっしょにどうぶつえんに行くからです。
「わーい! お父さん、お母さん、晴れているよ!」
まどの外はくもがなく、お日さまが出ています。
ゆうたくんはパジャマのまま大よろこびでリビングにやってきました。
お母さんはおひるごはんのおべんとうのおかずを作り、お父さんはなれない手つきでおにぎりをおべんとうばこにつめています。
「おはよう。ゆうた、いい天気になったな!」
「今から朝ごはんを作るからまっていてね」
「うん!」
ゆうたくんはせんめんじょに行きました。
ゆうたくんのしんちょうではせんめん台にとどきませんので、小さな台がおいてあります。
「……うんしょ……」
ゆうたくんはその台をうごかしてのりました。
さっきまでは、かがみにゆうたくんの頭が少し見えただけでしたが、台にのったら顔がひょこっと出てきました。
顔を水でぱしゃぱしゃと音を立ててあらい、タオルで水てきをふきとります。
「もうリンリンはいないけど、いろんなどうぶつに会えるといいな……でも、ぼくにはゴーリーがいるからさみしくないもん!」
どうぶつえんにはリンリンというメスのパンダがいましたが、今はいません。
それいがいのゴリラやキリンもパンダに負けないくらい人気があります。
ゴリラのゴーリーは今では『ゴーリーのうた』という歌があるくらい人気になっています。
「ゆうたー。朝ごはん、できたわよー!」
「はーい!」
ゆうたくんは台を元のいちにもどして、お父さんとお母さんがまっているリビングに行き、みんなで朝ごはんを食べました。
*
ゆうたくんはパジャマからようふくにきがえて、かみの毛をくしでとかします。
お母さんもしょっきをかたづけておべんとうばこをバスケットの中に入れてすいとうのじゅんびもしています。
お父さんはカメラのじゅんびでしょうか?
今ではめずらしいフイルムのカメラですね。
スマートフォンのカメラでもきれいに写真をとることができますが、たまに出てくるピンぼけしたものや手ブレの写真も味があって好きみたいです。
もちろん、カメラも車につみます。
「したくはできたか?」
「うん!」
「じゃあ、しゅっぱつするぞ!」
家のとじまりをしっかりして……
ゆうたくん一家、どうぶつえんにしゅっぱーつ!
*
ゆうたくんのおうちからどうぶつえんまでは車でおよそ一時間くらいの道のりですが、ちゅうしゃじょうには車がいっぱい。
「……こまったなぁ……車が多いな」
「もう少し早めに家を出た方がよかったわね……」
車をおくばしょにこまって、ちゅうしゃじょうの中をぐるぐる回りますが、おけそうなところを見つけてもほかの車が入ってしまいます。
ゆうたくん一家はあきらめません。
「おっ! ここならおけそうだ!」
お父さんがおけそうなところを見つけました。
ちゅうしゃじょうの中をぐるぐる回ってみてよかったですね。
「わーい! ついた!」
「ゆうた。まだおりちゃだめだぞ」
「まだ車がうごいているからね」
「はーい」
ゆうたくんは車のドアをあけようとしていたので、お父さんとお母さんからちゅういされてしまいました。
よい子のみんなはマネをしないでね。
車が止まりました。
ゆうたくん一家はやっとどうぶつえんに、にゅうじょうしました。
まずはどうぶつえんの中をぐるっと見てみます。
キリンやカバ、カピバラ、ライオンにホワイトタイガー……
このどうぶつえんにしかいないどうぶつもいますが、ゆうたくんはどのどうぶつなのかは分かりません。
パンダのリンリンがいたところはからっぽになっていました。
通りかかった人たちはみんな、「リンリンいないとさみしいね」と言ってほかのどうぶつのところを見に行きます。
その時でした。
『ウホホ ウホホ ウホホッホ♪』とゆかいなリズムの音楽がながれはじめました。
今、ながれている曲が『ゴーリーのうた』のカラオケバージョン。
よって、ゴリラのゴーリーのところからです。
曲を聞いたかぞくづれがゴーリーのところに集まっていきますので、あっという間に人だかりができていました。
「お父さん。ぼく、ゴーリーのところに行きたい」
「いいわね!」
「ちょっとのぞいてみるか!」
「わーい!」
ゆうたくん一家もそこに加わります。
『ゴーリーのうた』に合わせてゴリラのきぐるみをきた人と大きなちょうネクタイしいくいんの男の人と白くて長いワンピースをきて、みじかいかみがたでウサギのカチューシャをつけ、顔の左がわをかくした女の人がゴーリーの近くにやって来ました。
「あっ! ゴーリーのうたのお姉さんだ!」
「ゆかお姉さんだ!」
子どもたちはキャッキャッとはしゃぎ出します。
ゆかお姉さんはえがおでみんなに手をふっていました。
「どうぶつえんにあそびに来てくれたみんな! こんにちは!」
しいくいんの男の人がマイクを通してごあいさつをします。
お客さんたちから「こんにちはー!」と返ってきました。
「ようこそ、ゴリラのブースへ! 今日はゆかお姉さんも来てくれているよ!」
「今日は来てくれてありがとう! ねえねえ、ゴーリー。みてみて。今日はかぞくづれでいっぱいだよ!」
ゆかお姉さんもマイクをもっています。
ゴリラのきぐるみをきた人に声をかけました。
きぐるみの人も「ゴーリー」という名まえなのですね?
少し分かりづらいので、「きぐるみゴーリー」としましょう。
きぐるみゴーリーは「ウホッ!」と元気にへんじをしました。
「みんな。今から歌う『ゴーリーのうた』にはかんたんなふりつけがあるの。ゴーリーといっしょにやってみよう!」
「「はーい!」」
「まずは『ウホホ ウホホ ウホホッホ♪』のところはゴリラがむねをたたいている感じで」
きぐるみゴーリーはむねをたたいているポーズをとります。
子どもたちも同じポーズを作りました。
「上手だね! 次はわたしが「元気いっぱい ゴーリー」と言ったら、みんなで「ゴーリー!」と言ってばんざいしてね。一回やってみよう!」
ゆかお姉さんは音楽なしで「元気いっぱい ゴーリー」と言いました。
子どもたちはきぐるみゴーリーのうごきを見て「ゴーリー!」とばんざいします。
「あとは「みんなのアイドル ゴーリー」のあと、みんなで「ウホウホ!」とさっきのむねをたたいているポーズをしてね。もし、わからなくなってしまったらゴーリーのうごきを見ていっしょにおどってみてね!」
「じゃあ、ゆかお姉さん。おねがいします!」
「『ゴーリーのうた』、みんなも元気よく歌ってね!」
「「はーい!」」
『ウホホ ウホホ ウホホッホ♪
ウホホ ウホホ ウホホッホ♪』
お客さんもいっしょにむねをたたいているポーズを作っています。
「元気いっぱい ゴーリー」
「「ゴーリー!」」
きぐるみゴーリーといっしょにばんざいをします。
「みんなのアイドル ゴーリー」
「「ウホウホ! ――」」
『ゴーリーのうた』のあとはゴーリーのところに来てくれたかぞくづれ何組かとエサあげたいけんをしました。
ゆうたくん一家もエサあげたいけんをすることになったので、とてもすごいことです。
ゆうたくんはリンゴをあげました。
ゴーリーはごうかいにリンゴを食べていたので、ビックリしていましたが、うれしそうです。
「――今日は来てくれて本当にありがとう! わたしもゴーリーも楽しかったよ! またこのどうぶつえんで会おうね!」
「ウホッ!」
ゆかお姉さんときぐるみゴーリーはなかよく手をつないで、ゴーリーのところから出ていきました。
「ゆいお姉さん、ゴーリー。ありがとう!」
「楽しかったよ!」
「また来てね!」
みんなかんそうを言っていますので、ほかのお客さんも楽しかったみたいですね。
*
あれから、ゆうたくん一家はお母さんが作り、お父さんがつめてくれたおべんとうを食べました。
ゆうたくんのお父さんは写真をとることにむちゅうになり、「ゆかお姉さん? だれそれ?」ときょとんとした顔でしつもんしましたが、ゆうたくんとお母さんはわざと答えませんでした。
なぜならば、お父さんのスマートフォンを見せてもらったり、カメラのフイルムをげんぞうしたら、答えが出てくるからです。
「どうぶつえん、楽しかった!」
「しゅくだいの日記のネタができてよかったな!」
「うん!」
どうぶつえんから出たらいつものにちじょうがもどってきます。
ゆうたくんはつかれてしまって帰りのお日さまの光であたたかくなっている車の中でねむってしまいました。
今日のたいけんはふだんできないことですが、ゆうたくんにとっては楽しい時間を過ごすことができました。
ゆうたくん、すてきな思い出を大切にしてね。
劇中作……『ゴーリーのうた』(https://ncode.syosetu.com/n2577md/)
ゲスト出演……『悪食令嬢と暗殺執事シリーズ 』(https://ncode.syosetu.com/s4927j/)から登場してもらいました。
ゆかお姉さん……神永 由佳
着ぐるみゴーリー……鳴上 海斗
*
最後までご覧いただきありがとうございました。
2026/10/29 本投稿




