04-07.決断
「森を切り開こう」
「御意」
「待って待って。ちゃんと話聞いて」
「ガルディアス竜王国に話は付けてありますわ。先ずは民の避難を。輸送の用意も進めております。ガルディオンたちを使えばそう時間は要しませんわ」
「……ありがとう」
「森に乗り込むのは少数精鋭。我らは森の中心に拠点を築きますわ。少しずつ。極力刺激せぬように。それでも暴走が起きるならばガルディオンとお姉様に対処して頂きますわ」
「……完璧だ」
「では進めて参りますわ」
「頼む」
「御意!」
本当に優秀な執政官様だ。
「領主様」
「すまないね。ヴィオラ。この領都は捨てることにしたよ」
「問題ありません。どうかお気になさらず」
「お父様がお帰りになられたらなんと仰られるか」
「お褒めになられるかと」
それは流石にないでしょ。ごめんね、お父様。これは一人でも多くの人を生かすための策なんだ。
「戦火は広がります。大陸の西半分だけでなく、その全土へと」
「東側は竜王国を中心に仲間を募ろう。彼らはきっと味方になってくれる。ガルディオン復活の奇跡と合わされば、他にも十分な味方が集まる筈だ」
まずは拮抗しよう。
未開拓領域は天然の要塞となる。その中心に籠もった僕らを西側勢力は滅ぼせない。今よりずっと防衛は容易になる。策を弄するのはその後だ。先ずは時間を稼ごう。
同時にこの策はカラミティの切り札を一つ潰すことにも繋がるのだ。そして何より僕らの夢にも繋がるものだ。
世界征服の必要が無くなっただなんてとんだ勘違いだ。
むしろ今こそ必要なのだ。
世界を乱した僕だからこそ成すべき大義だ。
世界の全てを手にしよう。真の平和を取り戻そう。
それこそが僕の責任の取り方だ。
そのために使えるものはなんでも使おう。
ガルディアスだけじゃない。
ステラやマリー、ヴィオラやコルカだけじゃない。
そう。あの子だって。
僕の夢のために。僕らの夢のために。
精々利用させてもらうとしよう。
……。
…………。
………………。
「なん……お父様!? ……と、え? なんで!?」
「息災か。アミ」
「ハロ~♪ 捕まっちった♪」
二人は唐突に現れた。
「カラミティ!? お父様が!?」
「なんだ。儂よりこやつが気になるのか」
「まあ♪ 嬉しいわ♪ アミ♪ ふふ♪ ごめんなさいね♪ 御爺様♪ どうか気を悪くしないで頂戴♪」
「凄い凄い! 流石お父様!!」
「うむ」
「今丁度欲しかったところなんだ♪」
「あら。私が? それとも情報かしら?」
「手を貸しておくれ♪ カラミティ♪」
「……どういうことかしら?」
「僕には君の力が必要なんだ♪」
「……ふふ♪ それでこそアミよ♪」
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「なるほど。悪くない話だわ」
「そうかい♪ なら良かった♪ これで仲直りだね♪」
「勘違いしないで頂戴」
「そこまで役に入り切らなくてもいいんだよ?」
「私が狙うのはあくまで総取りよ。サブプランとして乗っても良いと言っただけ」
「残念だな。是非とも君には僕の隣に立ってほしかったのだけれど」
「ふふ♪ 嬉しいこと言ってくれるじゃない♪」
「なら考え直してみないかい?」
「ダメよ。私は人間が好きなの。不老不死を求めているからってアミに人間をやめてほしいわけではないのよ」
「そうか。あくまで君は敵であると」
「ええ。私を討ち倒しなさい。それこそがアミの夢を叶える唯一の道よ」
「ちゃんと最後の一体は残しておくれよ。君を失うのも困るんだ」
「そうね。ふふ♪ そこまで追い詰められたら負けを認めてあげるわ♪」
「結構」
「開戦は待ってあげる」
「助かるよ」
「けれど容赦はしないわ」
「僕もだよ。覚悟を決めたよ」
「なら話は終わりよ。楽しい時間だったわ♪」
「またね。カラミティ」
「ええ♪ またね♪ アミ♪」




