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【完結済】異世界バディ ー 天才双子少女の転生チート異世界征服 ー  作者: こみやし
03.王国動乱

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03-04.円満解決


「……もう一つ。問わねばならぬことがございます」



 伯爵の声音が和らいだ。



「ラクティ辺境伯閣下。貴殿の正体をお聞かせ願いたい」


 かと思えば、再び鋭い視線を向けてきた。



 ……さて。これはどう答えるべきか。


 この答え次第で彼の答えも決まるだろう。


 下手な答えは返せない。僕の答え一つでマリーの努力が無駄になってしまう。


 正直質問の意図がわからない。魔道具の発明がそんなに不自然なのか、或いは僕の生まれを聞いているだけなのか。



「伯爵閣下。その問いは、アミ様の持つ莫大な魔力について知りたいと。そのような認識に相違ありませんわね?」


「如何にも」


 ありがとう。マリー。その認識は抜け落ちていたよ。


 まさか魔力視が使えるとは。たまにいるんだよね。そういう人って。これは鍛えてどうにかなるものじゃない。生まれついての才能だ。かく言うマリーも視えてるっぽい。ちなみに僕は視えない側だ。だからその発想は無かったよ。



「生まれつき、としか言いようがないですね」


「……」


 足りないよね。わかってる。



「強いて言うなら、ステラ・ディアスは僕の双子の姉です」


「……」


 まだ足りない? 困ったなぁ。



「僕は……未開拓領域の中で生まれ育ちました」


「……なんだと」


 流石にこれは知らなかったようだね。



「親はわかりません。もしかしたら伯爵閣下のご懸念通りなのかもしれません」


 伯爵閣下のご懸念が何なのかは読み切れていないけれど。取り敢えずこう言っておけばそう大きくは外れないだろう。



「……育ての親は?」


「未開拓領域の深部には世捨て人の集落が存在します」


 この情報を明かすのは危険かもしれない。



「メルキオル。それが僕らを育てた御爺様の名です」


「まさか……」


「メルキオル!? メルキオル・アルカディアですの!?」


 え? アルカディア? それってこの国の名前……え?



「ごめん。御爺様の家名までは知らなくて」


 そういうの教えてくれない人だったから。興味の向くこと以外は本当に何も話してくれないんだもん。あの爺様。名前だって他の人から聞くまで知らなかったし。



「ありえん。それはあり得ませんぞ」


「え、ええ。そうですわね……失礼。取り乱しましたわ」


 何か誤解があったようだ。……本当に誤解だろうか?



「アミ様。メルキオル・アルカディアとはこの国を興した、偉大なる祖の名なのですわ」


 何百年前の話しさ。



「流石にないよ。偶然同じ名前ってだけでしょ」


 おそらく。たぶんきっと。めいびー。


 ……本当かなぁ……あの御爺様だからなぁ。



「話を戻しましょう。……とはいえ、これ以上僕の正体についてお話出来ることはありません。なにぶん産みの親の顔も知らぬ身の上ですので。付け加えますと、集落の者ではないはずです。彼らはいずれも高齢の者たちでしたので」


 出生はアミちゃん七不思議の一つだ。



「……」


 伯爵は考え込んでしまった。



「先代は何処へ?」


「それもわかりません。おそらく諸国を渡り歩いているものかと」


 便りの一つもよこさないからね。お父様も。



「……奴にも困ったものだ。こんな時に。いったい何処をほっつき歩いておるのだ」


 伯爵が小さく呟いた。今のは独り言なのだろう。


 もしかして、お父様とは多少繋がりがあったのだろうか。兄の件だけでなく、もっと個人的な繋がりが。二人とも同世代でお隣さんだもんね。縁があってもおかしくないよね。



「……私も奴の事は言えぬか」


 これも独り言かしら。



「執政官殿。私は……」




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 まさか承諾してもらえるとは。



「けど良かったの? 親になってくれだなんて言ってさ」


 それって言葉通りの意味じゃないんでしょ? 色々取り決めも結ばされちゃったしさ。実質的に口を出す権利を差し出したってことだもんね。なんなら、通信装置まで持たせてたし。もちろんマリーは最初からそういうつもりで提案したんだろうけどさ。



「問題ありませんわ」


 そりゃそうだろうけど。



「聞いてた話とは随分違う方だったね」


「申し訳ございません。アミ様。二週間前の時点では調査不足でしたの」


「ベルナールでも見抜けなかったのかい?」


「彼の応対を務めたのは、伯爵の御子息……時期フォルティス伯爵たるお方でしたの」


「兄の弟に当たる人だね……」


 次男か誰かが嫡子を継承したのだろう。


 伯爵もいい歳だ。実務委譲は殆ど済んでいるのだろう。



「正直言って、彼に関してはあまり良い噂を聞きませんの」


「なるほどね」


 長男を失った失意の伯爵は、次男を甘やかしてしまったのだろうか。



「その次期伯爵に引き継がれたら面倒なことにならない?」


「ですからその話もしていましてよ」


 気付かなかった。マリーは釘を刺してくれたんだね。



「ご安心を。伯爵閣下に任せておけば問題ありませんわ」


 そうだね。彼の人となりはよくわかったよ。心強い味方が出来て何よりだ。


 これで今回の目的は達成された。「相互理解」と「仲直り」。全て予定通り順調だ。流石はマリー。本当によくやってくれたよ。


 次回はより具体的に未開拓領域の件を話し合えるといいね。折角繋がった縁だ。今後も良好な関係を続けていこう。

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