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婚約破棄して心をズタズタにされましたがなぜか子持ちの国王(いとこ)から好意を寄せられている気がするんですが  作者: はるくうきなこ


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9/24

9アンディ殿下と遭遇する1

 

 そしてあっという間に初出勤の日が来た。

 王宮は東西南北に建物が広がっていて南の宮では記念式典や舞踏会、他国のお客様のもてなしなどに使われる。

 西の宮は主に政務関係で東の宮は騎士隊関係。北は王族の私室として使われている。

 真ん中には広い中庭があり噴水や温室などもあって一部は王族専用スペースだけどほとんどはここで働く人たちの憩いの場所になっている。

 ただ、王宮はかなりの広さで東から西への移動は結構大変だ。

 

 私は警務局なので仕事場は東の宮になる。騎士隊本部の建物に入り騎士隊総務部という部署に入って行った。

 こんな仕事をするのはたいていが下位貴族の令嬢や令息が主で、初めての職場だった先輩たちは気易くいい雰囲気の職場だった。

 その日は2つ先輩のミレイユ男爵令嬢に騎士隊の食品管理の仕事を教えてもらった。ちなみにミレイユ先輩はすでに結婚していると聞いた。相手は騎士隊員のケビン・ロンオート子爵家の次男だぞうだ。

 ここの食品は騎士隊員食堂の朝食、昼食。夕食を賄うためのもので、私達は食品管理はもちろん贖罪の発注やメニュー作り。忙しいときには食堂の手伝いまで仕事は多岐にわたるらしい。

 食堂の手伝いって‥昼食に盛り付けをするとか?ロイドは確か騎士隊に入ったと聞いた。あれからスーザンはロイドにしつこく言い寄っているがロイドは相手にしていないらしい。それでスーザンも今度は他の騎士に声をかけ始めているらしいとか。

 学園でなくても王宮も噂の回るのは早い。


 第一日目の仕事を終えて帰宅中、私はいつものように八百屋で残り物の野菜を貰った。

 これからは王宮の食材も頂けるかもしれないな。

 今日はまだ、午後を少し回ったばかりで時間もあるし、久しぶりにみんなが大好きなクッキーでも作ろうかな‥などと考えながら歩いていると小さな男の子が道を横切り路地に入って行った。

 今のは?あんな小さな子をひとりにするなんて‥

 私は自分の弟に重ねてしまいつい、男の子の後を追った。


 「僕、大丈夫?怪我してない?」

 路地裏にうずくまる男の子。

 「こにゃいでぇ~」

 「でも,お母さん心配してるよ」

 「やだぁぁぁぁぁ~」

 いきなりこの子大丈夫と思う。

 突然男の子の身体から小さな白いものが飛び出して‥あっ、危ない!!

 私は荷物を放り出してその子の身体を掴む。

 迷子にでもなって怯えてるんだろうか?

 そんな事を思いながら跪いて男の子を見つめる。

 「ごめんね。お母さん居なくて恐かったんでしょう?もう、大丈夫だから、お姉さんが一緒に探してあげる。ほら、もう泣かないで‥」

 「ねこ、にげちゃっちゃ。ぼくの‥うわぁぁぁぁん」

 男の子がいきなり火がついたように泣き出した。

 ねこ?あっ、そう言えばさっき白い物体が、あれ、子猫だったの?

 「あれは僕の子猫なの?」

 「しゅてねこ。でも、ぼくひろちゃの。ぼくのねこでしゅ」

 尋ねると涙声で教えてくれる。可愛すぎる。背中をさすってよしよしする。

 「そっか、捨て猫を拾ったんだ」

 「ぼくの~うわぁぁぁぁぁん。どっかいちゃちゃでしゅ」

 男の子がまた思い出したように泣き出した。

 「きっと子猫捨てられて怯えてるんだね。一緒に探そうか」

 震える小さな身体をぎゅっと抱きしめれば男の子が私にしがみ付いて来た。背中をぽんぽんして彼を抱き上げると縋りつく手まで震えている。

 アルより少し小さいな。3歳くらいかな?うまく子猫見つけれるといいんだけど‥そんな事を思いながら「もう、大丈夫だからね」と男の子に話しかける。

 「うん、おねえたま。ねこ、しゃがちゅでちゅか?」

 「一緒に探そうか。白い子猫だったよね。どこに行ったのかな。出ておいで。恐くないよ。にゃぉん。にゃにゃお~ん。おいで~」

 「にゃ~ぉぉん、でちぇきちぇ~」

 恐ろしく可愛い。

 路地裏には荷物とかがたくさんあって入り込める場所が多くなかなか見つからない。

 困ったな。奥の方に隠れてたら見つけられないかも‥どうしよう。


 「おい、何をしている。すぐにその子から離れろ!」

 路地裏に入って来たのは、騎士隊員だ。それも数人いる。

 私はハッと振り返って言う。

 「何もする気はありません。この子迷子みたいなんです」

 もう、私ったらこの子きっと迷子なんだ。お母さんが探してるのかも、猫を探してる場合じゃなかった。

 「僕、迷子なんだよね?良かったね。騎士隊の人がお母さん探してくれるって‥」

 私はその子に安心するように言うと男の子を騎士隊員に預けようとした。

 「やだぁ、ぼく、おねえたまといちょにねこしゃがちゅの~。おねえたまといちょがいい~」

 うれしい事を言ってくれる。








 

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