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婚約破棄して心をズタズタにされましたがなぜか子持ちの国王(いとこ)から好意を寄せられている気がするんですが  作者: はるくうきなこ


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19/27

19みんなに守られている


 ドアが開くと騎士が現れた。その後には八百屋のドアンさんにパン屋のシキムさんたちが。

 「おい、お前!何をしている」

 そう言ったのはマントを纏った男だった。彼は鼻や口元を布で被っていて顔もわからない。騎士?

 「お願い、助けて‥」

 私はその隙に驚いて固まったロイドを思いっきり突き飛ばす。

 「いてッ!何するんだ。これは合意の事で‥何で入って来るんだ。お前たちには関係のない事だろう?!」

 ロイドは分が悪いと思ったのか自分を正当化する。

 私はめくれ上がったスカートの裾を縛られた手で引き下ろしながら言う。

 「違います。私は無理やりここに連れ込まれてこの男がわたしを!!」

 恥ずかしいって思うけどどうにもできない状況ってやつで。



 「だから言ったろう?ちょうど目の前でアリスちゃんが男たちに連れて行かれるのを見たって」

 「俺はこの宿に引きずられて行くアリスちゃんを見た。間違いない。彼女は気を失っていた」

 「ドアンさん。シキムさんもありがとう。二人が知らせてくれたの?」

 ドアンさんもシキムさんも私の所に走り寄って縄を解いてくれて私の前に出て背で私を隠す。

 「クッソ!こいつアリスちゃんになんてことを!」

 「あんたも突っ立てないでこいつを何とかしてくれ!」

 もう、ふたりともいい人過ぎます。

 「ありがとうドアンさん、シキムさん」そう言って二人に寄りかかる。

 「もう大丈夫だからな」

 「ああ、アリスちゃん怪我はないか?」

 「ええ、大丈夫です」

 「良かった。アリスちゃんは商店街みんなの人気者なんだからな!」

 「そうだぞ。こんないい子になんてことを!!アリスちゃんに何かあったら俺たちが許さないからな!」

 「ありがとう‥」

 これはこれで非常に照れ臭い。

 

 「わかった、わかった。そんな心配をしなくても彼女には王家の護衛がついてるんだ。でも、知らせてくれたことは感謝する。さあ、お前、もう言い逃れは出来んぞ。外にいた女や男はもう取り押さえてある。しらばっくれても無駄だロイド」

 「何で俺の名前を?」

 ロイドが名前を言われて青ざめる。

 「ロイド・ヴァルド伯爵令息だな。元婚約者に執拗に言い寄り、ついに監禁強姦未遂まで犯したとなればもう容赦はないぞ」

 「待ってくれ。これは本当に合意の上での事で‥」

 「ほう‥合意というのはいつから手を縛り相手の自由を奪って犯す事に変わったんだ?」

 「そ、そういうプレイがあって‥」

 「彼女は清純な乙女だぞ。そんな女性が?下らん言い訳をするな。いいから連れて行け!」

 いつの間にか数人の黒いマントを纏った男たちがいた。ロイドはその人たちに引きずられるように連れて行かれた。

 「待ってくれ、誤解なんだ。いいから、離せばわかる。なぁ、アリス。お前からも言ってくれないか。俺はただお前とよりを戻したいだけで‥なぁ、頼むから‥‥‥」


 ああ、ロイドの騎士生命は終わったな。ヴァルト伯爵もきっと彼を廃嫡するだろう。そうなるとスーザンは‥相手にしないわね。

 まあ、そんな女に騙される方が悪いんだし。

 これでやっと安心出来る。


 「皆さんもご協力感謝します。後のことはこちらに任せてどうぞお引き取りを‥」

 「ああ、そうだな。アリスちゃんも無事だったし‥良かった。俺たちは帰るから、あんたちゃんとアリスちゃんを送り届けてくれよ」

 二人はそう言って帰って行った。

 「二人ともありがとうございました」

 「何、いいって事よ」

 かっこいいおじさんたちだ。

 

 

 「アリス様、お怪我はありませんか」

 助けてくれた男性から尋ねられた。彼らは王家の護衛なんだろうか?確かそんな事を言っていたけど。

 「はい、大丈夫です」

 「私達が付いていながらとんだ不始末を‥申し訳ありませんでした。屋敷までお送りします。この事はすぐに陛下にも報告します。ロイド・ヴァルトは二度とあなたに近づく事はさせません。どうかご安心ください」

 「ええ、何度もあったチャンスを無駄にした男です。仕方がありません。でも、これでやっと安心です。あの、あなたの所属とお名前を伺っても?」

 さすがに所属先と名前くらいは聞いておきたい。父からお礼を言ってもらうにもそうした方がいいと思った。

 「申し訳ありません。私達には名前も肩書もないんです。ただ、王家よりあなた方を守るように指示されているだけですので」

 これってアインベック陛下の支持って事よね?って事はお母様がお父様と結婚したころからって事はアリウス国王陛下の頃から?うへぇ~やっぱり我が家は王族なのかな。

 でも、家計は王族じゃないけど。


 感心するって言うか、呆れると言うか‥やり過ぎじゃない?でも、そのおかげで助かったんだし、ここは感謝するべきよね?

 それに八百屋のドアンさんやパン屋のシキムさんたちには感激した。私の家って、貴族のくせにちっとも貴族らしくないし、それに私なんか魔力もないしだから‥‥

 胸の奥が熱くなる。ああ、こんな私でもみんなはちゃんと見てくれてたって、こんなに守られてるんだって‥嬉しかった。

 そして彼らの部下が屋敷まで送り届けてくれる事に。


 あっ、そう言えばスーザンに飲まされた液体。あれ、大丈夫かな?まあ、命に別状はなさそうだし、媚薬って性欲を促す薬って聞いた事あるけど、要するにそんな事しないなら特に問題はないって事よね。

 こんなこと恥かしくて言える訳もなく私はきっと大丈夫だと思うことにして自宅に帰った。










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