18連れ込まれて
気がつくと部屋の中にいた。
えっ?どう言う事?私はベッドの上に転がされていて手と足は縛られていた。
心臓がじゅくっと収縮する。
ここはどこ?落ち着こうと息をゆっくり吐くと周りを見渡す。
来た事はないけどどうやらここは男女が相引きをするような宿みたいだ。転がされたベットから小さなテーブルと椅子が見えた。窓は厚手のカーテンで締め切られている。
テーブルの上には小さな小瓶が二つあって一方はきれいなピンク色。もう一方はドス黒い色をしている。
差し詰めピンク色は媚薬でもう一方は避妊薬だろうか?
いやいや、こんなの小説の読みすぎじゃ?最近エリナに教えてもらった恋愛小説でこんな場面があったからって‥
「アリス、気が付いたか?」
いきなりドアが開いて入ってきたのはロイドだった。
あれ?確か連れ去ったのはスーザンだったはず。
「どうしてあなたがいるわけ?私はスーザンに話があるって言われて無理やりこんな事されていると思っていたけど?」
「俺が誘ってもお前はついてこないと思ったからスーザンに頼んだんだ」
「はい?あなた達まだ付き合ってるって事?」
だってそうじゃない。そんな事を頼めるってまだ連絡を取り合ってるって事でしょう?
ロイドが気不味そうな顔をする。
「いや、そう言うわけじゃ、俺はお前とよりを戻したいだけで、なぁ、アリス俺が悪かった。だから‥」って図星じゃない!
ロイドが私に近づく。
「よりを戻したい人がする事じゃないわ!ロイド分かってるの?こんな事してどうなるか!」
今の私はもの凄く非力だ。手と足を拘束されもしも、もしもロイドがその気なら私は無理やり奪われる。
恐怖が押し寄せて身体の芯が凍りそうになる。ぶるりと身体が震えて喉の奥に空洞が出来たみたいで。
「話ても埒が明かないだろう?だから仕方がないんだ。アリスを俺のものにすればお前だって俺の元に帰って来てくれるってスーザンが言うから…仕方がないだろう。お前とよりを戻さないと廃嫡されるんだ。もう、俺には後がないんだ。だからアリス俺を受け入れてくれ」
「そんなのあなたの勝手じゃない。嫌!こんなの嫌!やめて、あなたはそんな人じゃないはずよ!」
拒絶と懇願。自分でも訳にわからない言葉を吐き出す。
「いいから大人しくしてろ。すぐに終わらせるから」
ロイドは私に近づくと拘束された脚の紐を外し警務局から支給された制服(シンプルなブラウスに細身のロングスカートに丈の短い上着)のロングスカートの裾を無造作に捲りあげる。
「ちょっと!やめて、いい加減にしてよ!こんな事して許されると?」
「もちろん婚前前だからな。でも結婚すると言ってるんだ。許してもらえるだろう?なぁアリス」
彼の顔が私の顔の近くに近づいてその息がかかる。うぇ、気持ち悪い!無理、無理!!
顔を背けて彼の口付けを交わすと彼が私の顎をぐいっと掴んだ。
「いつまでも逆らうと痛い目に遭わせるぞ!」
バシッと頬に痛みが走りロイドに殴られたと感じる。
このまま無理やり?
彼が私の上に覆い被さって来る。必死で足をばたつかせ抵抗する。
「こいつ!大人しくしろ!」
ロイドが上半身を起こして私の脚の間に無理やり割って入りスカートを引き裂かれる。
もう、終わりだ。ああ‥神様。
その時ドアが開いて誰かが入って来た。神の助け?
「ロイドったらいつまでかかってるのよ。いいからやちゃいなさいよ。ったく。いつまで待たせる気?これだから貴族って嫌なのよ。平民の男ならごちゃごちゃ言ってないでもう既に奪ってるわよ!」
スーザンがゲスな笑いを浮かべて私を見た。
「お願い。ロイド、こんなの間違ってるわ」最後の頼みみたいに彼に懇願する。
「悪いなアリス。じゃ、俺と婚約してくれるか?」
「する!するわ。だから」
「信じちゃだめよ。さあ、早く」
スーザンがうっかり力を緩めそうになったロイドに釘を刺す。
「おっと、また騙されるところだった。ほんと、怖い女だなお前は…アリスすぐに終わる。スーザンお前は出てろよ‥ったく。勃つもんも勃たねえだろう…」
「ふん、だらしないんだから。そうだ。これを使えば楽しめるかもよ」
スーザンがテーブルにあった小瓶を取る。
「な、なにを‥」
「ふふ、言いざまね。いつも正義感ぶって弟の世話だ、節約だっていい子ぶってんじゃないわよ。私だってずっとひもじい思いもして来たし辛い事もたくさんあったわ。それなのに自分だけが偉いみたいに‥さあ、これを飲めばあんたも楽しめるわ。ロイドを受け入れてあんたもよがればいいのよ。ほら、飲みなさいよ‥」
「やめて‥」
スーザンが私の口の中に小瓶の液体を流し込む。避けようと首を振るがロイドが片手で顎を抑え込んで口を開かせた。
甘い味の液体が口の中に流し込まれて、ぐっと口を閉じられて液体は容赦なく私の喉に流れ込んだ。
喉の奥が熱くなる。咳き込みながらも何度かそうやってかなりの量を飲まされた。
「ったく。ロイド、ここまでしたんだからきっちりやんなさいよ!!」
私は彼女の言葉が信じれなかった。思わず聞いた。
「スーザンあなた本気?自分の男が他の女を抱いて平気なの?」
「はっ?仕方ないじゃない。ロイドが平民になるくらいならこれくらい我慢するわよ。その代わり今回だけだけど。ねっ、ロイド。わかってるわよね?」
「ああ、こんな貧相な女、こっちから願い下げだしな。スーザン後で楽しませろよ」
「もう、わかってるわ。愛してるわロイド」
理解できない会話にさらに脳内がぐちゃぐちゃに混乱して行くし胃がむかむかもして来た。
さっきの‥
嗜好を遮るようにいきなり脚をぐいっと広げられ下履きに手がかかった。
もうだめだ。私の初めてはこんなやつに這われるなんて…
「悪いが調べさせてもらう」
「お客さん、困ります。ちょっと‥」
「間違いないって。あれはアリスだった」
「ほんとに?間違ってたら俺たち始末書もんですよ」
「だから間違いないって‥いいから早く!」
外がやけに賑やかになって、いきなりドアが開かれた。




