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婚約破棄して心をズタズタにされましたがなぜか子持ちの国王(いとこ)から好意を寄せられている気がするんですが  作者: はるくうきなこ


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10アンディ殿下と遭遇する2


 騎士隊員が怪訝そうな顔で私を見た。

 「お前何をした?」

 恐ろしいほど低温ボイスで問われる。

 「何をって、この子が路地裏に入って行くから心配で‥この子が子猫を探したいって言うから‥」

 「おねえたまといちょにねこ。しゃがしゅの!」

 「殿下そんなわがままはいけません。君、これはここだけの話だが彼はアフラシュタイン国の王子アンディ殿下だ。保護してくれて感謝する」

 「アンディ?この子が?」

 私は驚いて男の子の顔をまじまじと見る。

 そう言えば輝く金色の髪と琥珀色の瞳。間違いなく王族の色。うそ。あなたアンディ殿下なの?



 そこにアインベック陛下が走り込んで来た。彼は騎士隊の服を着ている。

 「おい、何をしている」

 「陛下。実はこの方が殿下を保護して」

 「うん?もしかしてアリスか?」 

 金色の髪が揺れて琥珀の瞳が面白そうに揺れた。



 うっ、今日もイケメン!騎士隊の姿も似合ってますね。なんて思ってる場合じゃなくて‥

 「あわわわわ‥なんで国王陛下がいるんです?し、失礼しました。でも、どうして騎士の姿なんかしてるんです!」

 「国王の姿で我が子を探してはまずいだろう?それに私は元騎士隊長もしていたからな。アンディが迷子になったと聞いて急いで来てみたら君がアンディを保護してくれていたのか、ありがとう。助かったアリス」

 「アリス?」騎士が尋ねた。

 「ああ、彼女はアリス・サンバイン伯爵令嬢。俺の従兄妹だ。アンディ、彼女はアリス。父さまの従兄妹になるんだぞ。彼女がいてくれて良かったな」

 「とうたま。ねこ。ねこをちゅかまえりゅでちゅよ」

 アンディはまだ私に抱っこされたままでアインベック陛下がすぐ隣に来た。

 「ねこ?猫がどうした?」

 彼のアンディを見る目は優しい。声色まで猫撫ぜ声。


 アンディが答えてくれないので私が説明することに。

 「アンディ殿下は子猫を見つけて捕まえていたらしいんですが、逃げられて、それでさっきから子猫を探してたんです。でも見つからなくて‥」

 「ああ、そういう事か。でもなアンディ、お前がいなくなってみんなすごく心配したんだ。子猫はここにいる騎士に頼んで探してもらうから。それよりカミルが心配してるぞ。さあ、いい子だから」

 「カミルないちぇる?」

 「ああ、カミルはすごく心配してるぞ」

 アンディはどうやら悪い事をしたとでも思ったのだろう。私を見てアインベック陛下を見て、さっと彼に手を伸ばした。

 「いい子だ。カミルの所に戻ろう」

 アインベックがアンディをぐっと引き寄せるが下半身はまだ私の腕の中にある。


 「ねこさがしゅでちゅか?」

 うふっ、アンディ交渉上手。

 「ああ、おい、お前たち子猫を探してくれ。この辺りに逃げ込んだらしい。きっと見つけ出してくれよ。アンディに嘘つきって言われたくないからな」

 「「「はい、必ず!」」」

 「騎士隊の皆さん。子猫だったみたいで、色は白かったと思いますのでよろしくお願いします」

 「しまちゅ!」

 「殿下お任せ下さい。必ず探し出しますので安心してお戻りください!」

 さっきの騎士がそう言った。

 きっとアンディ殿下のお願いなら火の中水の中だろう。


 「ああ、すまんが頼んだ。さあ、アンディ行こうか。アリスも来てくれ」

 そう言われても私も家に帰らないと困る。

 「アインベック陛下申し訳ありません。我が家には小さな弟や妹がいるんです。父は帰りが遅いですし私が帰らないと困るんです。あっ、もうこんな時間。急いで帰らなければ‥では、失礼します。アンディ子猫きっと見つかるからね。じゃあ」

 「おねえたま、いちゃうでちゅか?やだ!うわぁぁぁぁぁ~ん。やでしゅ~」

 「ごめんねアンディ殿下。今日は急ぐからまた今度」

 「そうだ。今度の休日一緒に子供たちを遊ばせないか。王宮に招待するよ」

 「それは父に相談して頂かないと」

 「何を堅苦しい事を、俺たちは家族なんだ。アンディとも仲良くしてほしいしいい機会じゃないか。なっ、決まり。アンディ、今度の休日にアリスや友達が来てくれるからな。今日は我慢出来るな?」

 「またゃ、がまんでちゅか?」

 「ああ、仕方ないだろう。アリスは弟や妹の世話があるんだ。お前みたいな小さな子がお腹を空かせてお姉様の帰りを待ってるんだから。我慢だ」

 「ぐしゅ、わかりまちた。がまんちましゅ」

 アインベック陛下はアンディの頭をぐしゃぐしゃになるほど撫でまわす。


 可愛い。

 「アンディ殿下ありがとうございます。それでは急ぎますのでこれで失礼します」

 「今日はありがとう。今度是非お礼をさせてくれるよなアリス?」

 アインベック陛下の瞳がはちみつみたいに蕩けて見える。

 「陛下、そんなつもりではなかったので‥お構いなく。では、失礼します」

 私は踵を返すと我が家に急いだ。もちろん八百屋でもらった野菜も忘れずに。

 それにしてもアンディ殿下初めて見た。可愛い。アルにも似てる気がするな。

 もう、こんな形で会あうなんて‥仲良くできるといいんだけど。

 ぎゅっと握ったアンディ殿下の指の感触がまだ腕に残っていた。

 それにしても陛下に失礼だったかな?お父様はアインベック陛下って結構厳しい人だって言ってたけど全然イメージ違う。

 すごくいい父親で優しくて気さくで話しやすくて‥もう、私ったら何考えてるのよ。









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